LLM の原理、RAG・エージェント開発から読み解く コンテキストエンジニアリング

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LLM の原理、RAG・エージェント開発から読み解く コンテキストエンジニアリングの表紙
AI / 機械学習
著者:
蒲生 弘郷(ガモウ ヒロサト)
出版社:
技術評論社
出版日:
2026年02月10日頃
ISBN:
9784297154196
在庫:
在庫あり
3.91(11 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
LLMプロンプトエンジニアリングAPIRAGエージェント開発コンテキストエンジニアリング自然言語処理AI 開発マシンワークAI システム設計

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言及数
363位
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書籍紹介

大規模言語モデル (LLM) へ与える、プロンプトを含む多様な入力情報である「コンテキスト」。LLM の挙動を健全にコントロールするために、どんなコンテキストを構築するかーー限られた入力領域において、何を与え、何を捨て、どのようにして良いコンディションを保つのかーーこの技術の総体が「コンテキストエンジニアリング」であり、LLM 活用を目指すエンジニアが知るべき最重要トピックです。本書では、AI モデルの基礎の仕組みや API の挙動をコンテキストの観点から順にひも解き、RAG (Retrieval-Augmented Generation) や AI エージェントなど実践的な開発において発生し得るコンテキストエンジニアリングのテクニックを存分に紹介します。

技書の森解説

LLM を組み込んだアプリケーションの品質は、モデルの賢さだけでなく、毎回の呼び出しでモデルに何を渡すかで大きく変わります。蒲生 弘郷 著『LLM の原理、RAG・エージェント開発から読み解く コンテキストエンジニアリング』 (技術評論社、2026 年 2 月 10 日発売) は、その「何を渡すか」を体系立てて扱う開発者向けの書籍です。版元は、プロンプトを含めて LLM へ与える多様な入力情報を「コンテキスト」と呼び、限られた入力領域で何を与え、何を捨て、どのように良いコンディションを保つかという技術の総体をコンテキストエンジニアリングと位置づけています。版元が想定する読者は、LLM アプリケーションの開発に興味のある IT エンジニアです。

全 5 章の構成、LLM の仕組みから AI エージェントのワークフロー化まで

本書は 5 章構成です。1 章「LLM の仕組みから見るコンテキストの正体」は、ニューラルネットワークの基本と Transformer のデコーダによるトークン生成から入り、ロール指定や応答例への追従性、入力テキストの位置による認識精度の差 (Lost in the Middle)、過去会話の揮発性、言語間の性能格差、Reasoning モデル特有の挙動を、コンテキストの観点で整理します。2 章は OpenAI API、Claude API、Google AI Studio と、Azure OpenAI Service、Amazon Bedrock、Google Cloud Vertex AI の各 API サービスを取り上げ、選定基準とリクエストの基礎、Function Calling や Model Context Protocol を通じたツール利用、Structured Output による出力スキーマの固定化、コンテキストキャッシュの仕組みまでを扱います。3 章は指示プロンプト開発の基礎で、曖昧語の排除や否定形を避けるといった指針、Markdown や XML ライクなタグ、JSON、YAML の使い分け、プロンプトの管理と精度向上の技法が並びます。4 章は RAG におけるコンテキスト整備、5 章は AI エージェントとワークフローによる作業自動化です。

RAG を使うかどうかの判断と、検索で整えるコンテキスト

モデルが一度に受け取れる量には上限があり、上限の内側でも、入力が長くなるほど中ほどの情報を取りこぼしやすくなることが知られています。だからこそ、必要な知識を外部から探して入力に差し込む 検索拡張生成 では、何を検索してどこまで渡すかの設計が回答の質を左右します。本書の 4 章は、RAG の全体のフローに続いて「RAG を使うかどうかの判断」を独立した節に立て、フルテキスト検索、ベクトル検索、ハイブリッド検索、リランクといった基盤技術、検索エンジンの選定と設定、ファイル形式ごとのテキスト抽出、チャンクの作り方を含むインデックス化、監視と評価の重要性へと進みます。精度向上の工夫を扱う 4.6 の最初には 4.6.1「実務で見るべきチューニングポイント」の節が置かれ、目次には「高度な RAG 手法に本書で触れない理由」という節もあります。章末では CAG という選択肢や MCP による RAG の再利用、マネージド RAG、Graph RAG にも触れています。

AI エージェントの精度低下とコンテキスト肥大化への対策

エージェントの開発でつまずきやすいのは、ツールの定義や会話のやり取りが積み重なるほど入力が膨らみ、指示が埋もれて振る舞いが不安定になる点です。5 章はプロンプトだけで動かすエージェントの限界と精度低下の根本原因から入り、ルールベース処理や単純な機械学習の処理と組み合わせるワークフロー化によってコンテキストを分散させる考え方を示します。サンプルシナリオを使ってエージェントワークフローの設計を学ぶ節を経て、ツール定義の肥大化、ターン経過で膨らむコンテキスト、それに伴うコスト増大への対策で締めくくられます。1 章でモデルの癖を確かめたうえで、2 章の API、3 章のプロンプト、4 章の検索、5 章の分業設計へと進む章の並びなので、断片的な小技を集めるよりも判断の軸を一本持ちたい人に向いています。

API キーの取得やクライアントのセットアップから扱うとはいえ、プログラムからウェブ API を呼んだ経験があると読み進めやすく、生成 AI そのものを初めて触る人向けの入門書ではありません。モデルを自分で学習させる方法や数理の詳細を求める場合も焦点が異なるため、分野全体のどこから読むかを決めかねているなら、LLM と生成 AI の技術書の選び方 で自分の段階を確かめてから選ぶのが確実です。一方で、社内文書を検索させるチャットや業務を肩代わりするエージェントを作り始め、回答のぶれやコストの膨張に手を焼いている開発者にとっては、何を足し何を削るかを言葉にできるようになる一冊です。版元の著者紹介によれば著者は外資系 IT 企業のクラウドソリューションアーキテクトで、『Azure OpenAI Service ではじめる ChatGPT/LLM システム構築入門』の共著者でもあります。LLM ベンダーの API とクラウド各社の API を同じ章で並べて扱っているので、どのサービスを使うかがまだ決まっていない段階でも読み始められます。

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