OpenID Connect 入門ーーアプリケーション開発者のための実践技術解説

オープンアイディコネクトニュウモン アプリケーションカイハツシャノタメノジッセンギジュツカイセツ

OpenID Connect 入門ーーアプリケーション開発者のための実践技術解説の表紙
その他
著者:
土岐 孝平 / 倉林 雅(トキ コウヘイ / クラハヤシ マサル)
価格:
¥3,300
出版社:
技術評論社
出版日:
2026年02月24日頃
ISBN:
9784297154561
在庫:
1
判型:
単行本

なぜ注目されているか

総合84位 言及 1825 件・うち記事 103 件を掲載
出版前出版日012825520222023202420252026

書籍紹介

昨今のアプリケーションの開発では、OpenID Connect を使用してユーザ認証を行うケースが多くなっています。しかし、OpenID Connect についてよく知らずに使用している開発者も多いのではないのでしょうか? きちんと理解しないまま OpenID Connect を使用すると、上手く動かないときの調査に時間がかかったり、重大なセキュリティホールを潜ませてしまうリスクにつながります。 OpenID Connect をよく知らない開発者が多い理由として、その難しさがあります。筆者自身、OpenID Connect を理解するのに多くの時間を要しました。概念的な難しさに加え、数多くの用語が登場して複雑に関係しています。また、きちんと理解するには OpenID Connect の仕様書を参照する必要がありますが、説明が機械的で学習向きとは言えません。 本書は、OpenID Connect の知識がほとんどない方でも、OpenID Connect を理解してもらえるような内容です。OpenID Connect が登場した背景から始まり、各種フローを丁寧に説明します。代表的なセキュリティの脆弱性や対応方法についても説明します。また、サンプルアプリケーションを通して実装のイメージを伝えつつ、具体的にやりとりされるデータを示しながら説明します。 本書を読むことで、OpenID Connect を使用したアプリケーション開発に従事するための十分な知識を得ることができます。

技書の森解説

ログイン機能を外部の認証基盤に任せる設計は業務システムでもコンシューマ向けサービスでも当たり前になりましたが、その中心にある OpenID Connect を仕組みから説明できる開発者は多くありません。『OpenID Connect 入門 アプリケーション開発者のための実践技術解説』 (土岐孝平 著、倉林雅 監修、技術評論社、2026 年 2 月刊) は、OpenID Connect の知識がほとんど無い開発者を対象に、登場の背景から各種フロー、トークン、ログアウト、セキュリティ上の脅威と対応までを、サンプルアプリケーションとやりとりされる実際のデータを示しながら解説する書籍です。版元は、OpenID Connect を使った実装を考えているプログラマーやエンジニア、セキュリティ担当者、アプリケーションのセキュリティチェックを担う人を読者に挙げています。

全 13 章と付録 3 本、仕様の理解から Keycloak での実装まで

構成は第 1 章から第 13 章に付録 A〜C が続きます。第 1 章で OAuth 2.0 との関係と、それをユーザー認証に使うときの問題、OpenID Connect による拡張を整理し、Client の形態やコンフィデンシャルとパブリックの区別といった前提の語彙をそろえます。第 2 章で業務向けとコンシューマ向けの利用シーンを示したあと、第 3 章でエンドポイントと、認可コードフロー、インプリシットフロー、ハイブリッドフロー、クライアントクレデンシャルフローなどフローの種類と使い分けを扱います。第 4 章はアクセストークン、ID トークン、リフレッシュトークンの種類と形式、第 5 章は認可コードフローの各リクエストとレスポンスを順に追い、第 6 章でアクセストークン取得後の検証や再発行、ユーザー情報の取得、第 7 章で RP Initiated Logout や Front-Channel、Back-Channel のログアウトを解説します。第 8 章で Keycloak を導入し、第 9 章から第 12 章では Client が SPA の場合、BFF の場合、Android のネイティブアプリの場合、そしてバッチアプリによるクライアントクレデンシャルフローの 4 種類のサンプルプログラムを、Keycloak の設定から API サーバ側の実装、動作の流れまで通して示します。付録はデバイスフロー、外部 IdP 連携、関連する公式ドキュメントの案内です。

OpenID Connect が分かりにくい理由と実装の勘所

OpenID Connect が難しく感じられる理由は、OAuth 2.0 という認可の仕組みの上に認証の層を重ねた成り立ちにあります。アクセストークンは API を呼ぶ権限を表すもので、ユーザーが誰であるかを Client に保証するものではありません。そこで ID トークンが加わり、誰が、どの IdP で、どの Client 向けに認証されたかを署名付きで伝えます。この区別があいまいなまま実装すると、別の Client 向けに発行されたトークンを受け入れてしまうような穴が生まれます。さらに、どのフローを選ぶべきかは Client が秘密情報を安全に保持できるかどうかで変わり、ブラウザで動く SPA やスマートフォンアプリではクライアントシークレットに頼れないため、認可コードを横取りされても悪用できないようにする PKCE が欠かせません。本書は SPA、BFF、ネイティブアプリ、バッチという Client の形態ごとにサンプルを分けているため、この判断が実装の形をどう変えるかを並べて確かめられます。第 13 章ではオープンリダイレクター、Referer ヘッダによる認可コードの漏えい、認可コードインジェクション、リダイレクションエンドポイントの CSRF、Mix-Up 攻撃などを取り上げ、アプリケーション開発者が実施すべきことで締めくくります。

Web 開発の経験を前提に、仕様書の前に読む位置づけ

読み進めるには、HTTP のリクエストとレスポンス、リダイレクトや Cookie の扱い、Web API の基本を理解していることが前提になります。サンプルは SPA、BFF、Android アプリ、API サーバにまたがるため、すべてを動かすよりも、自分が担当する形態の章を中心に読むほうが効率的です。仕様書は機械的で学習向きではないという版元の紹介どおり、本書は仕様書を読む前の理解を作る入門の位置づけで、付録 C で公式ドキュメントへの道筋も示されています。一方、IdP 製品の選定や運用設計、パスワードレス認証の導入そのものを主題に知りたい人には範囲が合わず、監修者による別の著書『パスキーのすべて 導入・UX 設計・実装』のような本が目的に近くなります。なお版元の著者紹介には、著者による同名の Kindle ダイレクト・パブリッシングの著書も挙げられています。セキュリティ分野の本を広く見比べたい場合は セキュリティ技術書の選び方 も参考になります。

ログイン連携が上手く動かないときにどこを調べればよいか分からない開発者や、自社のアプリケーションに外部の認証基盤を組み込む設計を任された人、レビューでトークンの扱いの妥当性を判断したい人にとって、フローごとに実際のデータを追いながら Keycloak で手を動かせる本書は、手探りの調査に費やす時間を減らす助けになる一冊です。

言及した記事 (103 件)

この本に興味がある方におすすめ

関連する本

関連記事

関連用語

共有: