Python で始めるプログラミング入門

パイソン デ ハジメル プログラミング ニュウモン

Python で始めるプログラミング入門の表紙
プログラミング
著者:
大和田勇人 / 金盛克俊(オオワダ, ハヤト / カナモリ, カツトシ)
出版社:
コロナ社
出版日:
2015年10月
ISBN:
9784339024982
在庫:
在庫あり
0
プログラミング入門プログラミングPython

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技書の森解説

大学の半期の授業で、プログラミングを Python から学び始めるために書かれた教科書です。『Python で始めるプログラミング入門』 (大和田 勇人、金盛 克俊 共著、コロナ社、2015 年 10 月 13 日発行) は、版元の内容紹介によると、言語の基礎と初歩的な例題に基づくプログラミング入門を目的とし、教科書として半期の授業で学べる内容に絞られています。版元の採用実績には東京理科大学、日本大学、同志社大学などの大学や高等専門学校が並んでいます。版元の著者紹介 (2026 年 10 月に閲覧) では、大和田 勇人は東京理科大名誉教授 / 新潟医療福祉大教授、金盛 克俊はソニー (株) と記されています。

基礎編と展開編、全 10 章の構成

1 章「導入」でプログラムと開発環境の準備を整えたあと、第 I 部の基礎編 (2 章から 5 章) と第 II 部の展開編 (6 章から 10 章) に進みます。基礎編では、文と式、変数とオブジェクト、文字列、リスト、辞書、タプルと集合から始まり、if 文と while 文と for 文による制御構文、組込み関数とモジュールのインポート、関数の定義とスコープと再帰呼び出し、クラスとインスタンスまでを扱います。展開編は、CSV 形式を中心にしたファイルの読み書きのあと、素数の判定やエラトステネスのふるい、素因数分解、ユークリッドの互除法を扱う整数の計算、二分法とニュートン法、微分、区分求積法と台形公式とモンテカルロ法による定積分を扱う数値計算、リストで表したベクトルと行列の演算へ進み、最後の 10 章はナップサック問題を 1 つ取り上げて全列挙で解く基本的な解法を説明します。付録には Python 3.4.3 と Anaconda のインストール、NumPy、SciPy、Matplotlib の紹介、節末問題と章末問題の解答例が収められています。

文法を数学の題材で使う、理工系の入門としての読みどころ

本書の性格がよく表れているのは展開編です。素数や最大公約数、方程式の解、定積分といった高校から大学初年次の数学の題材を、自分の手で アルゴリズム として書き下すことで、基礎編で覚えた繰り返しや条件分岐が計算の道具に変わります。ニュートン法や台形公式は、数式で理解していても、刻み幅や反復の打ち切り条件を自分で決めてコードにすると、誤差や収束の扱いという数値計算に固有の注意点が見えてきます。9 章ではライブラリに頼らずリストでベクトルと行列の演算を組み立てるため、行列の積が何回の掛け算と足し算でできているかを手で確かめることになり、後で NumPy のような専用ライブラリを使う時に何を任せているのかが分かりやすくなります。版元は例題を打ち込んで実行結果を確かめながら解説を読むこと、演習問題に自力で挑むことを勧めており、節末問題か章末問題は 1 章と 6 章を除く章に置かれています。

前提知識と、2015 年時点の環境で読む際の注意

Python を初めて学ぶ人を想定した構成で、基礎編は文法を一つずつ積み上げます。展開編では微分や定積分、行列といった数学の語が前提になるため、理工系の 1 年生や、数学の題材でプログラムを書く練習をしたい人に向いています。一方で、Web アプリケーションや業務の自動化、データ分析の実務を主目的にしている人には、題材の方向が合いません。付録のインストール手順は 2015 年の刊行時点の Python 3.4.3 を前提にしているため、後の版の Python で学ぶ場合は画面や手順の違いを読み替える必要があります。目的に合わせて別の入門書と比べたい場合は、Python 本の選び方 が判断の材料になります。

授業の教科書として指定された人はもちろん、独学で Python の文法を数値計算や整数の問題に結びつけて身につけたい人にとって、半期分の分量にまとまった本書は、手を動かしながら最後まで通しやすい一冊です。付録の解答例と照らし合わせながら、節末問題と章末問題まで解き進めてみてください。

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