チームのことだけ、考えた。
チーム ノ コト ダケ カンガエタ
サイボウズはどのようにして「100 人 100 通り」の
- 著者:
- 青野慶久(アオノ, ヨシヒサ)
- 注目:
- 総合 2720 位
- 出版社:
- ダイヤモンド社
- 出版日:
- 2015年12月18日頃
- ISBN:
- 9784478068410
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
技書の森解説
『チームのことだけ、考えた。』 (青野慶久 著、ダイヤモンド社、2015 年 12 月刊) は、グループウェアを開発するサイボウズの組織づくりの経緯をたどる本で、国立国会図書館の書誌では、書名に「サイボウズはどのようにして『100 人 100 通り』の働き方ができる会社になったか」が添えられています。版元の内容紹介は本書を、ブラック企業を「社員が辞めない変な会社」に変えた社長の奮闘記と案内し、目指す組織の答えを多様性と定めて「100 人いれば 100 通りの、1000 人になれば 1000 通りの人事制度を」と結んでいます。版元の著者紹介によると、青野慶久は 1997 年 8 月に愛媛県松山市でサイボウズを設立し、2005 年 4 月に代表取締役社長に就いた人物です。
全 6 章の構成、多様化前の失敗から多様化の成果まで
目次は「はじめに」に続く第 1 章「多様化前のこと」、第 2 章「共通の理想を探す」、第 3 章「会社のインフラを作る」、第 4 章「多様性に対応した人事制度」、第 5 章「制度を活かす風土を作る」、第 6 章「多様化の成果」の全 6 章と「おわりに」で構成されています。第 1 章は、創業と上場、東京への移転、初めての人事制度だった事業部制と成果主義の失敗、相次ぐ M&A、離職率が 28% に達した時期までを順に追います。第 2 章では、チームワークを高めるソフトはすべてグループウェアだという言葉の定義し直しや、チームワークを測る「効果」「効率」「満足」「学習」の 4 つの要素を経て、社員に求める姿勢として「公明正大」と「自立」の 2 つの言葉にたどり着きます。
「事実」と「解釈」の区別から始まる組織のインフラ
第 3 章「会社のインフラを作る」は「事実」と「解釈」の区別から始まります。「事実」と「解釈」を分けて話すこと、共通の問題解決の枠組みで議論すること、遠い理想と目の前の作業を結ぶ「理想マップ」や活動の目的を言い表す「コンセプト」という枠組み、意思決定を「起案」と「承認」の 2 つの要素で捉えることが並びます。給与の決め方については、成果主義も 360 度評価も失敗した経緯を踏まえ、公平性を目指すのをやめて「市場性」で決めるという判断が示されます。章の後半は職場の話で、グループウェア自体が職場になった仮想オフィスと、それを補う場としてのリアルオフィス、社長の席を含むフリーアドレスを取り上げます。グループウェアは、予定表、掲示板、ファイルの共有、申請と承認の流れといった組織の仕事の情報を 1 か所にまとめるソフトです。
選べる働き方の人事制度と、制度を活かす風土
第 4 章は、ライフスタイルに合わせて働き方を選べる制度を扱い、最長 6 年の育児 / 介護休業制度、誰でも使える在宅勤務、原則自由の副業、復帰できる会社として作った「育自分休暇制度」、定年制の廃止や部活動の支援までを取り上げます。第 5 章は、制度だけでは足りないという問題から始まり、制度は風土とセットで考えること、制度には目的を明記すること、共感される制度は作る過程で決まること、著者自身も育児休暇を取得したことを述べ、「人事部感動課」の活動にも触れます。第 6 章は成果の章で、離職率が 28% から 4% へ下がったこと、採用への効果、女性の比率が 4 割まで上がったこと、売上が増える一方で利益が減るという業績の面までを扱います。扱われているのは、ソフトウェアの使い方や開発の手法ではなく、1 つの会社が人事制度と風土をどう作ったかという経営の記録です。チームやマネジメントの本の選び方は チーム開発 / マネジメント本ガイド にまとめています。
本書は、離職率が 28% に達した時期から、多様な働き方を選べる人事制度と、それを活かす風土を作るまでの経緯を、全 6 章に収めています。
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