ソフトウェア開発現場の「失敗」集めてみた。 42 の失敗事例で学ぶチーム開発のうまい進めかた
ソフトウェアカイハツゲンバノシッパイアツメテミタ ヨンジュウニノシッパイジレイデマナブチームカイハツノウマイススメカタ
- 著者:
- 出石 聡史(デイシ サトシ)
- 出版社:
- 翔泳社
- 出版日:
- 2024年06月12日頃
- ISBN:
- 9784798185187
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
「ええ…」「嘘だろ!」「マジ?」開発現場のため息が聞こえてくる、めくるめく七転八倒の失敗譚! かくもハードなソフトウェア開発、あらゆる「同じ轍」はこの一冊に。しくじる前に、失敗に学べ!
技書の森解説
機能がいつのまにか肥大化して手がつけられない、仕様が共有されないまま開発が進んでいた、小さなコード変更が一日分の工数を奪った。ソフトウェア開発の現場で繰り返されるこうした落とし穴を、架空の開発現場を舞台にした 42 篇の失敗エピソードとして読ませるのが『ソフトウェア開発現場の「失敗」集めてみた。』 (出石聡史 著、翔泳社、2024 年 6 月刊) です。副題は「42 の失敗事例で学ぶチーム開発のうまい進めかた」。版元はやらかしたくないエンジニアに贈る「失敗の教科書」と呼び、事例はフィクションながら著者自らが体験した経験をベースに構成されていると説明しています。対象として挙げられているのは、新しく開発チームを率いることになった新任リーダーと、チームで開発に取り組むエンジニアです。
全 6 章 42 篇の構成、企画の失敗からリリース後の失敗まで
構成は開発の工程に沿った全 6 章で、Chapter1 から Chapter6 まで 42 篇のエピソードを配しています。Chapter1「企画」で失敗は 6 篇で、なんでもできる「全部入りソフトウェア」やみんなの願いをかなえたい「八方美人仕様」のように、作る前の段階で仕込まれる失敗を扱います。Chapter2「仕様」で失敗は 8 篇で、実装できない「ふんわり仕様」や行間を読ませる「文学的仕様書」など、伝わらない仕様の類型が並びます。Chapter3「設計・実装」で失敗は 9 篇で、リリース版が復元できない「不完全リポジトリ」や今がすべて「動けばいいじゃん症候群」が含まれ、Chapter4「進捗管理」で失敗は 10 篇と最も多く、アクションしない「聞くだけ進捗会議」や会議が会議を呼ぶ「増殖する会議」といった運営の失敗を集めています。Chapter5「品質評価」で失敗は 5 篇で、バグが出ない「開発者バイアス」やすべてのバグを許さない「ゼロバグ出荷」、Chapter6「リリース後」に失敗は 4 篇で、出荷したので解散「出しっぱなしプロジェクト」や問題は出ないはず「ノーログ戦法」で締めます。
4 コマ漫画と図解、回避策で 1 篇を閉じる読ませ方
各エピソードは、冒頭の 4 コマ漫画で状況を示し、失敗がなぜ起きたかを図を交えて解説し、終わりに落とし穴を回避する方法や抜け出す方法をまとめる形で構成されています。失敗エピソードを面白おかしく紹介する編集ですが、版元の説明どおり回避策の解説が対になっているため、読み物で終わらずに手元の現場で何をすればよいかまで持ち帰れます。エピソード題がすべて「全部入りソフトウェア」「時間泥棒」のような短い名前を持つことも本書の効き目で、チーム内で失敗の型を呼ぶ共通の語彙になります。設計の世界でパターンに名前を付けたことが議論を成立させたのと同じように、名前の付いた失敗は指摘しやすく、予防の合意も取りやすくなります。
失敗が繰り返される理由と、事例集で学ぶことの効き目
ソフトウェア開発の失敗の多くは、個人のコーディング技量ではなく、チーム開発 の過程で生じる認識のずれや先送りの積み重ねから起きます。仕様の行間を読ませる文化、動けばよいという判断の連鎖、会議が増えても意思決定が進まない構造は、どの現場でも形を変えて再現されます。動けばよいという判断が積み上がった結果は 技術的負債 として後から利子を取り、不完全なリポジトリはリリース版を再現できないという形で数か月後に請求が来ます。こうした失敗は当事者の渦中では気づきにくく、第三者の事例として外から眺めたときに初めて構造が見えます。だからこそ、経験に基づく事例を工程別に並べた本書は、自分の現場がどの型に近いかを照らす鏡として働きます。
新任リーダーとチーム開発のエンジニアに向く点、向かない人
前提知識は多くを要しません。開発プロジェクトにチームの一員として関わった経験が少しでもあれば、エピソードの状況を実感を伴って読めます。最も元が取れるのは、版元が対象として挙げる新任リーダーで、進捗管理の 10 篇は自分が主催する会議や計画を見直す点検表として使えます。チームのメンバーとして読む場合も、失敗に直面したときにどのアクションを起こすべきかという具体策が得られます。一方で、目次は工程別で特定の言語や製品は登場しないため、コーディング技法や特定技術の習得を目的とする人には向きません。プロジェクト管理の体系を教科書的に学びたい人にも、本書は事例から入る本なので別の一冊が必要です。技術リーダーとしての読書の全体像は チーム開発 / マネジメント本ガイド で確かめられます。
チームの ふりかえり で毎回 1 篇を読み、自分たちに一番近い失敗を話し合う題材にすると、本書の価値は読了後も続きます。版元サイトでは 2026 年 9 月時点で 5 篇を抜粋した特別抜粋版が無料で公開されているので、文体と 4 コマ漫画の雰囲気を先に確かめてから手に取ることもできます。自分のチームが次にはまりそうな落とし穴を一つでも先に言い当てられるなら、この一冊は十分に元が取れます。
言及した記事 (7 件)
読書感想文「ソフトウェア開発現場の「失敗」集めてみた。 42の失敗事例で学ぶチーム開発のうまい進めかた」
♡ 34設計, 失敗談, 読書感想文, ソフトウェア開発, 非機能要件『ソフトウェア開発現場の「失敗」集めてみた』を読んで
♡ 4チーム開発, 設計, ソフトウェア, 失敗『ソフトウェア開発現場の「失敗」集めてみた。』を読んだ。
♡ 4失敗談, 読書感想文文系未経験の新卒SEがやりがちなNG行動10選
♡ 2初心者, エンジニア, 初学者向け, 未経験エンジニア, 新人プログラマ応援「ソフトウェア開発現場の「失敗」集めてみた。」を読んだ
♡ 0プロジェクトマネジメント, ソフトウェア開発読書ログ - ソフトウェア開発現場の「失敗」集めてみた。
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♡ 0読書, 自己啓発
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