数学から創るジェネラティブアート

スウガク カラ ツクル ジェネラティブ アート

Processing で学ぶかたちのデザイン

数学から創るジェネラティブアートの表紙
IT / 数学
著者:
巴山竜来(ハヤマ, タツキ)
出版社:
技術評論社
出版日:
2019年05月
ISBN:
9784297104634
在庫:
在庫あり
3.67(3 件 / 楽天ブックス)
数学

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技書の森解説

『数学から創るジェネラティブアート』 (巴山竜来 著、技術評論社、2019 年 4 月 17 日発売) は、ジェネラティブアートの作品を実際に作りながら、その発想の元になる数学の知識と視覚表現を学ぶ本です。副題は「Processing で学ぶかたちのデザイン」で、作品づくりの道具に Processing を使います。版元は読者として、数学の美術的側面をコンピューターを使って体感したい人と、これまでアートに取り組んだことのないプログラマーの 2 つを挙げています。

数の部とタイリングの部、第 0 章から第 14 章の構成

本文は「第 0 章 導入」のあと 2 つの部に分かれます。「第 I 部 数:+-×÷がつくるかたち」は第 1 章「ユークリッド互除法」から第 7 章「セルオートマトン」までで、その間に連分数、フィボナッチ数列、対数らせん、フェルマーらせん、合同な数の章が並びます。「第 II 部 タイリング: 対称性・周期性・双対性・再帰性がつくるかたち」は第 8 章「行列の織りなす模様」から第 14 章「準周期タイリング」までで、正多角形の対称性とタイリング、エッシャーの技法とフラクタルタイリングを含む正則タイリングの変形、万華鏡、ピタゴラスタイリング、黄金三角形とペンローズタイリングへ進みます。冒頭には序文と本書の技法を応用した作品事例が、2 つの部の間には 3D グラフィックスの作品事例が置かれています。

規則から形を生む技法と数学の関係

ジェネラティブアートは、図形を一つずつ描く代わりに、図形を生む手順をコードに書いてコンピューターに実行させ、その結果を作品とする表現です。本書では、数学の定義や規則を、図形を生む手順の素材にします。たとえば 2 つの整数の最大公約数を求める手順は紀元前から知られる アルゴリズム で、長方形から正方形を切り取っていく操作として図に描けます。関数が自分自身を呼び出す 再帰 を使えば、同じ切り分けを小さな区画へ繰り返し適用でき、自己相似な図形を少ない行数で得られます。平面を同じ形で隙間なく埋めるタイリングも、回転や鏡映でどの形が重なるかという対称性の問題として扱えるため、数式で書いた規則がそのまま模様の設計図になります。

数学の美術的側面に関心のある人とアート未経験のプログラマーへ

刊行時の版元のプロフィールでは、著者は専修大学経営学部准教授、博士 (理学) で、専門は数学 (とくに複素幾何学) と数学に関する視覚表現の実践とされ、2016 年から雑誌『数理科学』 (サイエンス社) の表紙 CG を担当していると紹介されています。目次は数とタイリングの 2 部で組まれており、乱数や物理シミュレーションを題材にした章はありません。

連分数、セルオートマトン、エッシャーの技法、ペンローズタイリングといった題材を自分のコードで描きながら理解したい人と、アートに取り組んだことのないプログラマーに向けた、数学と Processing の作品づくりを結びつける本です。

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