アーカイブの思想の表紙

アーカイブの思想(アーカイブノシソウ)

言葉を知に変える仕組み

著者:
根本彰(ネモトアキラ)
出版社:
みすず書房
出版日:
2021年01月20日頃
ISBN:
9784622089704
在庫:
在庫あり
★★★★☆4(6 件)
中級者向け
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総合
263
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言及数
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書籍紹介

「もし私が彼方まで見通せていたとしたら、それは巨人たちの肩の上に立っていたからだ」--アイザック・ニュートン

日本の社会では、いまなおアーカイブは必須の社会基盤とみなされていないのではないか。こう問いかける著者は、その根底にある要因を、古代ギリシアより言葉を記録する〈アーカイブの思想〉が息づく西洋の思想史・文化史・教育史のなかに探ってゆく。そして翻って、日本独自のアーカイブのかたち (写本、類聚等の出版物や江戸期の文庫など) を再考し、両者を比較することで浮彫りになる課題を問い直す。
デジタルネットワーク社会となった今日、私たちは世界中の知のアーカイブにつながり、それを活用することが可能となった。そこに開かれているのは、情報の荒野なのか、知の沃野なのかーーそれは、そこに立つ者のスキルと意欲しだいであると著者は述べ、独学と在野の知へ向かう人たちにエールを送る。

個人を助け、社会を支える基盤としてあるアーカイブ像を照らす、碩学による教育論であり、文化論である。

技書の森解説

記録を保存するとはどういう行為なのか。図書館、博物館、公文書館といった制度は、何を選び何を捨て、どのような論理で知の蓄積を形作ってきたのか。本書は図書館情報学の研究者である根本彰氏が、アーカイブという営みを歴史的・哲学的に掘り下げた学術書です。みすず書房からの刊行であり、技術マニュアルやハウツー本とは性格がまったく異なります。

デジタルアーカイブの技術実装に関心がある読者よりも、「なぜアーカイブするのか」「何を残すべきか」という根源的な問いに向き合いたい読者に向いています。メタデータ設計や検索技術ではなく、アーカイブの社会的意義と制度設計の思想を扱っているため、情報学の学術的な背景を持つ人や、図書館学・博物館学を学んでいる人が読むと得るものが大きい構成です。

プログラミングの実践書とは距離がありますが、デジタルアーカイブやオープンデータの仕事に携わる人が「保存」の意味を深く問い直すための知的基盤として、息の長い価値を持つ一冊です。

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