知っていますか? インターネットと人権一問一答

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知っていますか? インターネットと人権一問一答の表紙
セキュリティ
著者:
高木 寛(タカギ ヒロシ)
出版社:
解放出版社
出版日:
2005年12月30日頃
ISBN:
9784759282658
シリーズ:
知っていますか? 一問一答シリーズ
在庫:
在庫あり
5(1 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
サイバーセキュリティ人権インターネット個人情報保護情報倫理デジタル市民権オンライン問題解決情報弱者デジタルリテラシーサイバー法務

なぜ注目されているか

総合2217位

書籍紹介

インターネットが生み出した世界・サイバースペース。その特徴を概観し,「差別的ホームぺージ」「個人情報の保護」「情報弱者」など, 人権的観点からみた問題点とキーワードを平易に解説。日進月歩以上の速さで発展する変化を取り入れて改訂。
■ 主な設問

問. インターネットと人権はどのような関係があるのですか?

問. インターネットの中で誹謗中傷された場合どうすればよいでしょうか?

問. 個人情報の保護についてはどのような問題がありますか?

技書の森解説

インターネット上で差別的な情報を流されたり、誹謗中傷を受けたりしたとき、何が問題でどう対処すればよいのか。『知っていますか? インターネットと人権一問一答』 (高木寛 著、解放出版社、2005 年 12 月刊 / 第 2 版) は、こうした問いに一問一答の形式で答える、人権の観点からインターネットを扱った一般向けの入門書です。解放出版社の「知っていますか? 一問一答シリーズ」の一冊で、A5 判 110 ページの薄い本です。同題の初版は 2000 年 9 月に刊行されており、本書は 5 年余りを経て「日進月歩以上の速さで発展する変化を取り入れて改訂」された第 2 版にあたります。

第 2 版が扱う内容、サイバースペースの概観から個人情報 / 情報弱者へ

版元の紹介文によれば、本書はまずインターネットが生み出した世界であるサイバースペースの特徴を概観し、そのうえで差別的なホームページ、「個人情報の保護」、「情報弱者」など、人権的観点から見た問題点とキーワードを平易に解説する構成です。版元が公開している主な設問は「インターネットと人権はどのような関係があるのですか?」「インターネットの中で誹謗中傷された場合どうすればよいでしょうか?」「個人情報の保護についてはどのような問題がありますか?」の 3 問で、総論から具体的な被害への対処、そして個人情報へと視点が移る流れが読み取れます。一問一答という形式のため、気になる設問だけを拾って読む使い方ができる点も、このシリーズの形式ならではの利点です。

匿名性 / 拡散性と人権侵害、技術の側から見た背景

インターネットが人権の問題として特別に扱われる理由は、その技術的な性質にあります。第一に発信コストの低さで、印刷や放送と比べて誰でもほぼ無償で不特定多数へ情報を出せるため、差別的な表現や個人への攻撃も同じ容易さで公開されます。第二に複製と拡散の容易さで、一度公開された文章や画像はコピーされて別の場所に転載され、元を削除しても回収しきれません。第三に匿名性の見え方で、掲示板やホームページでは書き手の名前が見えないため匿名に感じられますが、通信の裏側ではサーバーがアクセスの記録を残しており、技術的には発信者へ辿れる可能性と、辿るには第三者の協力が必要という制約が同時に存在します。第四に、Web サイトが Cookie などの仕組みで利用者の行動を記録できるように、個人に関する情報が本人の意識しないところで集まりやすい構造があります。人権の議論は、こうした性質のどこに保護と規制の線を引くかという問いに置き換えられます。

情報弱者とアクセシビリティ、2005 年時点という前提

もう一つのキーワードである「情報弱者」は、インターネットを使える人と使えない人の間に生まれる格差の問題です。回線や端末を持てるかという経済面だけでなく、高齢や障害によって画面や操作を利用しにくいという面もあり、Web の側で アクセシビリティ を確保する取り組みは、この問題に対する技術側の応答と位置づけられます。刊行が 2005 年 12 月である点は前提として押さえておく必要があります。スマートフォンや SNS が生活の基盤になる前の時期の本であり、刊行後の法制度の変化やその後に登場したサービスは本書の対象外です。それでも、発信の容易さ、拡散の不可逆性、匿名性と記録性、情報格差という論点の骨格は技術の世代が変わっても持ち越されており、人権という軸でこれらを整理した短い本として読む価値があります。

短時間で人権の論点を一望したい人へ、向かない使い方も

買って元が取れるのは、ネット上の差別や誹謗中傷、個人情報の問題を、法律や技術の予備知識なしに短い時間で見渡したい人です。設問ごとに独立した答えが並ぶので、通読しなくても必要な論点から入れます。逆に、刊行後の制度やサービスを前提とした具体的な対処手順を求める人には、2005 年時点の本書だけでは足りません。版元の分類も社会分野の一般書であり、通信技術の仕組みを体系的に学ぶ技術書ではない点にも注意が必要です。技術者がインターネットを人権という別の軸から捉え直す入口として、また一問一答で論点の骨格を短時間でつかむ一冊として、本書は手に取りやすい選択です。

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