あなたの顔はわたしたちのもの

アナタノカオハワタシタチノモノ

顔認証 AI の誕生と、プライバシーの終わりの物語

あなたの顔はわたしたちのものの表紙
AI / 機械学習
著者:
カシミール・ヒル / 高橋 則明(カシミール・ヒル / タカハシ ノリアキ)
出版社:
実務教育出版
出版日:
2026年01月22日頃
ISBN:
9784788908390
在庫:
在庫あり
4(2 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
コンピュータビジョンプライバシーAI 倫理技術史セキュリティデータ分析技術企業監視社会デジタル倫理人工知能

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書籍紹介

PROLOGUE 内部情報

PART 1 顔をめぐる競争
CHAPTER 1 奇妙な結びつき

CHAPTER 2 ルーツ (紀元前 350 年〜1880 年代)

CHAPTER 3 彼らがつくりたいと望んだもの

CHAPTER 4 初期のコンピュータビジョン (1956 年〜1991 年)

CHAPTER 5 外国政府への売り込み

CHAPTER 6 スーパーボウルにもち込まれたカメラ (2001 年)

CHAPTER 7 ベッドの下のスーパーコンピュータ

CHAPTER 8 未来に起こることを見たただひとりの男 (2006 年〜2008 年)

CHAPTER 9 スマートチェッカーに死を

PART 2 技術的甘美
CHAPTER 10 グーグルが越えなかった一線 (2009 年〜2011 年)

CHAPTER 11 理想的な投資相手

CHAPTER 12 プライバシーの番犬が吠える声 (2011 年〜2012 年)

CHAPTER 13 拡散するシステム

CHAPTER 14 「本当に気味が悪いのは何かわかるかい?」 (2011 年〜2019 年)

CHAPTER 15 驚くべき情報

CHAPTER 16 技術的タブー

PART 3 未来のショック
CHAPTER 17 誤認逮捕 (2020 年)

CHAPTER 18 パンデミックのなかで

CHAPTER 19 世界的反発

CHAPTER 20 顔検索ツールを望む者

CHAPTER 21 ACLU との訴訟対決

CHAPTER 22 未来を操る国家ーイギリス、ロシア、中国

CHAPTER 23 穴だらけの監視体制

CHAPTER 24 妨害する方法

CHAPTER 25 テクノロジーと未来

謝辞
クリアビュー AI とホアン・トン・タットのその後の動向

日本語版解説 顔がデータとして利用されることの意味 宮下 紘 (中央大学教授)

訳者あとがき

技書の森解説

『あなたの顔はわたしたちのもの』は、ニューヨーク・タイムズ紙のテクノロジー担当記者カシミール・ヒルが、顔認証アプリを提供するクリアビュー AI の実態を追ったノンフィクションです。副題は「顔認証 AI の誕生と、プライバシーの終わりの物語」、原書は『YOUR FACE BELONGS TO US』で、高橋 則明の訳により実務教育出版から 2026 年 1 月に刊行されました。

クリアビュー AI を追う取材と本書の問い

版元の内容紹介によれば、著者が追っていたのは、顔写真 1 枚から名前や SNS のアカウント、友人や家族、住所、本人も知らない過去の写真までを「99%の精度で特定できる」とされるサービスで、FBI や地方警察ですでに利用されていました。紹介文はピーター・ティールの出資や経営陣と政権との結びつきにも触れ、この企業が何を目論んでいたのか、そして監視の装置をつくるか否かを決める時間がわたしたちに残されているのかを問いとして掲げています。版元の著者紹介では、本書は著者が 2020 年に寄稿した顔認証のスタートアップ企業の記事を深掘りした著書と位置づけられています。

プロローグと 3 部 25 章、奇妙な結びつきからテクノロジーと未来まで

構成は「内部情報」と題したプロローグに続く 3 部 25 章です。第 1 部「顔をめぐる競争」には、「ルーツ (紀元前 350 年〜1880 年代)」「初期のコンピュータビジョン (1956 年〜1991 年)」「スーパーボウルにもち込まれたカメラ (2001 年)」のように年代を添えた章が含まれます。第 2 部「技術的甘美」には「グーグルが越えなかった一線 (2009 年〜2011 年)」「プライバシーの番犬が吠える声 (2011 年〜2012 年)」「技術的タブー」などが並びます。第 3 部「未来のショック」は「誤認逮捕 (2020 年)」から始まり、「パンデミックのなかで」「ACLU との訴訟対決」「未来を操る国家-イギリス、ロシア、中国」を経て、「妨害する方法」「テクノロジーと未来」で終わります。巻末には謝辞と「クリアビュー AI とホアン・トン・タットのその後の動向」、宮下 紘 (中央大学教授) による日本語版解説「顔がデータとして利用されることの意味」、訳者あとがきが収められています。

1 対 1 の照合と 1 対 N の検索、顔認証の技術的な背景

顔認証の仕組みは、画像から顔の領域を見つける検出、目や口の位置をそろえる正規化、顔の特徴を数値の並び (特徴ベクトル) に変換する処理、そしてベクトル同士の近さで同一人物かどうかを判定する照合の段階に分けて考えると見通しがよくなります。特徴を取り出す処理に ディープラーニング が使われるようになってから、この特徴ベクトルの質は大きく上がりました。ここで押さえておきたいのは、スマートフォンのロック解除のように本人の顔と登録済みの 1 枚を比べる 1 対 1 の照合と、手元の 1 枚を大量の顔写真の集合と突き合わせて誰なのかを探す 1 対 N の検索とでは、同じ技術でも性質が大きく異なる点です。1 対 N では集合が大きくなるほど別人の似た顔が候補の上位に現れやすくなり、判定のしきい値の置き方と、候補を受け取った人がそれをどう扱うかが誤りの重さを左右します。

ノンフィクションとしての位置づけと、技術者が読む観点

版元は本書をノンフィクションとして紹介しており、C コードも一般向けの社会の分類です。顔認証のモデルの作り方やアルゴリズムの詳細は 機械学習の技術書の選び方 が扱う範囲です。

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