もっとリアルな CG を作るための Blender ステップアップ入門の表紙

もっとリアルな CG を作るための Blender ステップアップ入門(モットリアルナシージーヲツクルタメノブレンダーステップアップニュウモン)

その他
著者:
木谷 修(キタニオサム)
出版社:
秀和システム新社
出版日:
2026年03月17日頃
ISBN:
9784798076409
在庫:
在庫あり
0
中級者向け
CGデザイン・グラフィックス3DCGBlenderモデリングライティングシェーダーレンダリングジオメトリノードアニメーション

なぜ注目されているか

総合1115位

書籍紹介

3DCG ソフト「Blender」で、初級者レベルから一歩進んだ作品作りを目指す人のための解説書です。
既存の入門書でモデリングなどの基礎は学んだものの、次のステップに進もうとしても専門的な書籍は敷居が高い、と思う人に向けた「初級と上級の間」を埋める内容の書籍です。

カップケーキや人形など魅力的な作例を通じて、リアルな 3DCG 制作に不可欠な「ライティング」「シェーダー」「レンダリング」といった技術を体系的に学習できます。さらにジオメトリノードなどの応用的な機能や、作品にアニメーションを加える手法まで解説。初級者本だけでは到達できなかった、ワンランク上の作品制作を実現します。

各章にテーマを設け、段階的にスキルアップできる構成です。Blender の多彩な機能を組み合わせて使いこなす力が身につく、次のレベルへの架け橋となる実践的な内容です。

技書の森解説

Blender の入門書を 1 冊終えて形は作れるようになったのに、レンダリングした絵がどうしても CG らしい平板さを抜け出せない。『もっとリアルな CG を作るための Blender ステップアップ入門』 (木谷修 著、秀和システム新社、2026 年 3 月刊) は、その段階にいる人のために書かれた練習ガイドです。版元はこの本の目的を、入門書を卒業した人が直面する「初級と上級の間の空白」を埋めることだと説明し、初級者向けの書籍を読み終えて、より見た目がリアルな 3DCG を作りたい人向けの本だと位置づけています。題材の Blender は、blender.org の記載 (2026 年 9 月時点) によれば GNU General Public License の下で公開される オープンソース の 3DCG ソフトウェアで、商用や教育を含むどの目的にも自由に使えると案内されています。

Chapter 0 から Chapter 7 まで、作例で積み上げる構成

構成は Chapter 0 から Chapter 7 までの 8 章で、各章にテーマを設けた段階的な構成だと版元は説明しています。Chapter 0 でセットアップと基本操作を確認したあと、Chapter 1「フルーツを作ろう」でモデリング、マテリアル、仮レンダリングという最小の一巡を体験し、Chapter 2「カップケーキを作ろう」と Chapter 3「朝食を作ろう」ではそこにライティングとレンダリングの節が加わって、モデリングからレンダリングまでの一通りの工程を作例ごとに繰り返します。版元の紹介文が挙げる作例はカップケーキや人形などで、目次ではフルーツ、カップケーキ、朝食、トイ、スイーツと、身近な小物を題材に難度を上げていく並びです。同じ工程名が章をまたいで何度も現れる構成なので、1 回で理解しきれなかった設定を次の作例でもう一度違う題材で扱えるのが、この本の学び方の核になっています。

ライティング・シェーダー・レンダリングが実在感を決める理由

版元の紹介文は、3DCG のクオリティを左右するのは単なる造形力だけではなく、作品に実在感を与えるのはライティング、シェーダー、レンダリングという核心的な技術だと述べ、本書はそれを基礎から応用まで体系的に学べる内容だとしています。この整理には技術的な裏付けがあります。人の目が「本物らしい」と感じる手がかりは輪郭ではなく、光がどこから来てどう減衰しているか、表面がどの程度光を鏡面反射し、どの程度拡散させ、粗さや細かな凹凸がハイライトをどう崩しているかといった、光と材質の相互作用にあります。入門書がモデリングに紙面を割く一方で後回しになりがちなこの領域を、光源の配置、材質を定義するシェーダー、そして計算結果を画像に変えるレンダリングという 3 つの工程として作例の中で反復させるのが本書の立て方です。Chapter 7 のカラーマネージメントとコンポジットノードまで含めると、レンダラーが出した生の画像を最終的な見え方へ調整する後工程まで一続きで扱う構成になっています。

シミュレーションとジオメトリノード、アニメーションまで広がる後半

Chapter 4「シミュレーションでトイを作ろう」では、パーティクルヘアーシステム、クロスシミュレーション、ソフトボディシミュレーション、リジッドボディシミュレーションと、手で形を作るのではなく物理的な振る舞いから形を得る手法の節が並び、マテリアルとレンダリングで仕上げたあと、さまざまなシミュレーションの節で締めます。Chapter 5「ジオメトリノードでスイーツを作ろう」は、ジオメトリノードをモディファイアーとして活用する方法、オリジナルのジオメトリノードの利用、インスタンス散布のパターンを扱う章で、手作業では数が多すぎて破綻する配置を手続き的に生成する考え方を身につける部分です。Chapter 6「アニメーションを作ろう」ではシーンのセットアップ、アニメーションの作成、グラフエディターでの調整、動画の出力と編集まで進み、静止画だった作例が動画作品になります。版元はこれらを、ジオメトリノードなどの応用的な機能と、作品にアニメーションを加える手法として紹介文で挙げています。

入門書を終えた Blender 初級者向けの前提と向かない人

前提は、Blender の入門書を 1 冊終えて基本操作とモデリングの流れを一度体験していることです。Chapter 0 にセットアップと基本操作の章はありますが、版元はこの本を初級者向けの書籍を読み終えた人向けの練習ガイドと位置づけており、Blender を初めて起動する人が最初に選ぶ本ではありません。逆に、キャラクターモデリングやリギング、あるいは Blender の Python スクリプティングを深めたい人には、目次にそれらの章が無いため別の本が適します。国立国会図書館の書誌にはサンプルデータダウンロードの記載があり、版元サイトにもダウンロードサービスの案内があるので、作例のデータを手元に置いて手順を追える前提で読める本です。

元が取れるのは、入門書の作例は完走したのに自分の作品になると急に安っぽく見える人、ライティングとマテリアルを勘で触っていて再現性が無い人、そして静止画から一歩進んで物理シミュレーションや動画出力まで手を広げたい人です。フルーツから朝食、トイ、スイーツへと作例を重ねるうちに、光と材質とレンダリングの設定を「なぜそうするか」で選べるようになることが、この本を読む具体的な見返りです。形は作れるが絵が決まらない、という壁にいるなら、次の一冊として腰を据えて取り組む価値があります。

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