現場で使える kubernetes
ゲンバデツカエルクーバネティス
- 著者:
- 牧田剣吾 / 松浦崇仁(マキタケンゴ)
- 出版社:
- シーアンドアール研究所
- 出版日:
- 2022年09月21日頃
- ISBN:
- 9784863543867
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
本書は Docker や Kubernetes の基礎を身に着けたがいまいちうまく活用できないという方の次のステップとして、より実践的で実際の現場でも活用できる Kubernetes の技術を解説していきます。Kubernetes と関連してよく導入される、GitOps や kustomize、Helm などのマニフェスト管理ツールはもちろん、実際の現場で Kubernetes を導入する際に考慮しなければならないセキュリティ事項とその対応方法や、Kubernetes クラスタを運用していくにあたり必要とされるモニタリングやロギングなどのテクニックまで網羅しています。
また、最近では Kubernetes を実際の現場で導入する際には、Amazon Web Service (AWS) や Google Cloud (GC) といったパブリッククラウドサービスの、Kubernetes マネジメントサービスを利用する機会が多くなってきているため、本書では AWS の Kubernetes マネジメントサービスである、Elastic Kubernetes Service (EKS) を題材とした解説を行っていきます。EKS と関連する AWS サービスも本書内で使用しているため、本書を読み終えるころには EKS や EKS に関連する AWS サービスの知識も習得できていることでしょう。合わせて、EKS Cluster の構築には、クラウド上でインフラ構築をする際には必須とも言える、Infrastructure as Code (IaC) ツールの一種である Terraform を使用しているため、Kubernetes + AWS + IaC という現代のインフラ構築に必須のスキルを習得することが可能です。
本書で解説したテクニックを活かすことで、Kubernetes の持つ自由度の高さや回復力の高さやをより活用できるようになることでしょう。
CHAPTER 01 速習 Docker/Kubernetes
CHAPTER 02 Kubernetes のエコシステムと Custom Resources
CHAPTER 03 Kubernetes アプリケーション開発の実践
CHAPTER 04 Kubernetes のセキュリティ
CHAPTER 05 Kubernetes の運用
技書の森解説
Docker と Kubernetes の入門書を一通り終えたのに、実際の案件でどう組み立てればよいかが見えない。『現場で使える Kubernetes』 (牧田 剣吾、松浦 崇仁 著、C&R 研究所、2022 年 9 月刊) は、版元の紹介文が言う「基礎を身に着けたがいまいちうまく活用できない」段階の読者に向けて、現場で使う Kubernetes の技術を解説する書籍です。題材は AWS のマネージドサービスである EKS (Elastic Kubernetes Service) で、クラスターの構築には Terraform を使います。担当編集者は本書を入門書の次に読みたい 1 冊と紹介しています。
全 5 章の構成、速習から運用まで
目次は章単位で公開されており、CHAPTER 01「速習 Docker/Kubernetes」、CHAPTER 02「Kubernetes のエコシステムと Custom Resources」、CHAPTER 03「Kubernetes アプリケーション開発の実践」、CHAPTER 04「Kubernetes のセキュリティ」、CHAPTER 05「Kubernetes の運用」の 5 章です。最初の章で基礎を手早く確認し、そこから先は周辺の道具、アプリケーションの載せ方、守り方、回し方へと進む並びと読めます。版元の紹介文は扱う題材として、GitOps や kustomize、Helm などのマニフェスト管理ツール、現場で導入する際に考慮すべきセキュリティ事項とその対応方法、クラスターの運用に必要なモニタリングやロギングを挙げています。どの題材がどの章に入るかは章題からの推測になりますが、章題の並びからは、入門書では手薄になりがちな題材を章として立てていることが分かります。
マニフェスト管理と Custom Resources が要る理由
Kubernetes では、アプリケーションの望ましい状態を YAML のマニフェストで宣言し、クラスターがその状態へ近づくように動きます。チュートリアルではマニフェストが数枚で済みますが、開発、検証、本番と環境が増えると、ほぼ同じ YAML の写しが環境の数だけ並び、差分の管理が破綻しやすくなります。一般に kustomize は共通の土台に環境ごとの差分を重ねる方式で、Helm はテンプレートと値を分けてパッケージとして配る方式で、この問題に取り組みます。さらに GitOps は、Git リポジトリに置いたマニフェストを正としてクラスターの状態を合わせ続ける運用の考え方で、誰がいつ何を変えたかを Git の履歴で追えるようにします。CHAPTER 02 の章題にある Custom Resources は、Kubernetes の API を独自のリソース型で拡張する仕組みで、周辺の道具の多くがこの仕組みの上に作られています。基礎の次に何を覚えるべきかという問いに対して、本書はこうした周辺の道具立てを答えとして示していると読めます。
EKS と Terraform を前提にする、AWS の知識も身につく構成
紹介文によると、本書は EKS と、EKS に関連する AWS のサービスを本の中で使い、EKS のクラスターは IaC ツールの一種である Terraform で構築します。マネージドサービスを使うと、コントロールプレーンの運用はクラウド事業者に任せられる一方、ネットワーク、権限、ノードの構成といったクラウド側の設定と Kubernetes 側の設定が噛み合っていないとクラスターは期待どおりに動きません。その両方をコードで書いて再現できる形にするのが、Kubernetes と AWS と IaC を一冊で扱う本書の狙いと読めます。裏返すと、AWS のアカウントを用意して手を動かすことが前提になり、Google Cloud や Azure のマネージドサービスを使う現場では、Kubernetes 側の考え方は持ち込めても、クラスター構築の手順はそのままでは使えません。また 2022 年 9 月の刊行なので、EKS や周辺ツールの画面、設定項目、バージョンは刊行時点のものを前提に読む必要があります。
入門の次に Kubernetes を実務へ持ち込みたい人へ
向いているのは、コンテナと Kubernetes の基本的な用語は分かるものの、マニフェストの管理方法、クラスターのセキュリティ、監視とログの集め方を自分で決めなければならない立場に立った人です。版元の著者紹介 (2026 年 10 月に閲覧) では、牧田 剣吾氏はオンプレミスのサーバーエンジニアと Google Cloud のパートナー企業でのインフラエンジニアを経てマルチクラウドのフルスタックエンジニアとして働き、金融会社や自動車メーカーへの Kubernetes の導入支援に携わった経験を持ち、松浦 崇仁氏はシステムインテグレーターでデータ基盤の開発に従事していると紹介されています。逆に、コンテナに初めて触れる段階なら、先に入門書で Pod や Service などの基本を押さえてから手に取るほうが、本書の前提に合います。AWS で Kubernetes の基盤を任されることが決まっている人にとっては、構築から運用までの見取り図を一冊で手元に置ける、投資の回収が早い実践書です。
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