デジタル生存競争
デジタルセイゾンキョウソウ
誰が生き残るのか
- 著者:
- ダグラス・ラシュコフ / 堺屋七左衛門(ダグラスラシュコフ / サカイヤシチザエモン)
- 注目:
- 総合 1414 位
- 出版社:
- ボイジャー
- 出版日:
- 2023年06月30日頃
- 一覧:
- 2023 年に出た技術書
- ISBN:
- 9784866893129
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
環境破壊、社会不安、まん延するウィルス、すべてを停止させるコンピューター侵入。世界の億万長者は、自分で起こした現実からひたすら逃れることを考えます。技術開発は、集団的な繁栄を目指すものでしたが、富の蓄積は個人的な生き残りを図るものになりました。批判的であるはずのメディアは、市場感覚に圧倒されて屈服しています。自分だけが生き残る十分な資金を稼ぐ......うまく稼げたら勝利か? それは自分の排ガスから逃れるために高速で走る自動車をつくっているようなものです。このような勝手な考え・思いこみを『マインドセット』といいます。
闘わなければなりません。どうすればいいのか? 何もわからないほどに、私たちはデジタルにまみれ、自分自身を失っています。
ダグラス・ラシュコフは語りますーー利己的な世界を超えて、コミュニティ、人間の相互扶助を取り戻せ、と。
この本を読み、今の自分と照らし合わせてみてください。すべて消耗品とされた私たち自身の防御がそこから始まります。
1.隔離の方程式 億万長者の防空壕戦略
2.合併と買収 常に出口戦略が必要
3.母の子宮に戻りたい テクノバブルに包まれた安全
4.ダムウェイター効果 見えないものは忘れられる
5.利己的な遺伝子 道徳よりも科学主義
6.全速力で前進 非人間化と支配と収奪
7.指数関数的成長 行き詰れば別次元のメタへ
8.説得的技術 ボタン一つで彼らを消せるなら
9.「バーニングマン」 からの展望 私たちは神のように
10. グレートリセット 世界を救うために資本主義を救う
11. 鏡に映った「マインドセット」 抵抗してもムダだ
12. コンピューター的因縁 自業自得
13. パターン認識 全ては元に戻る
技書の森解説
『デジタル生存競争』は、テクノロジー産業で巨万の富を得た人々が抱く、自分だけが生き残ればよいという発想を批判し、コミュニティと人間の相互扶助を取り戻すよう説く社会批評の本です。著者はダグラス・ラシュコフ、訳は堺屋七左衛門で、ボイジャーから 2023 年 6 月 30 日に刊行されました。副題は「誰が生き残るのか」、原書名は Survival of the Richest です。本書はプログラミングや製品の使い方を学ぶ技術書ではなく、デジタル技術を作り、そこへ資金を投じる側の考え方を問い直す本です。
砂漠のリゾートでの講演から始まるマインドセットの問題
本書は「はじめに」の「「マインドセット」との出会い」から始まります。著者はそこで自らを、デジタル技術が人間の生活に与える影響について本を書いている人文科学者だと紹介し、テクノロジーの未来について話すために砂漠の豪華なリゾートへ招かれた経緯を語ります。ところが待っていたのは講演の舞台ではなく、IT 投資やヘッジファンドの世界で上層部にいる 5 人の富裕層との対話でした。版元の紹介文は、自分だけが生き残る十分な資金を稼げれば勝ちだという勝手な考えや思いこみを『マインドセット』と呼び、それを自分の排ガスから逃れるために高速で走る自動車をつくるようなものだとたとえています。技術開発は集団の繁栄を目指すものだったのに、富の蓄積は個人の生き残りを図るものになった、というのが本書の出発点です。
全 13 章の構成、防空壕戦略からパターン認識まで
目次は全 13 章です。第 1 章「隔離の方程式 億万長者の防空壕戦略」に始まり、第 2 章「合併と買収 常に出口戦略が必要」、第 4 章「ダムウェイター効果 見えないものは忘れられる」、第 7 章「指数関数的成長 行き詰れば別次元のメタへ」、第 8 章「説得的技術 ボタン一つで彼らを消せるなら」、第 10 章「グレートリセット 世界を救うために資本主義を救う」などを経て、第 13 章「パターン認識 全ては元に戻る」で閉じます。どの章題も、短い主題とそれに添えた一言の組み合わせになっています。
章題に並ぶ IT 業界の言葉と、その背景
章題に並ぶ語の多くは、IT 業界で日常的に使われる言葉です。出口戦略は、スタートアップへの出資者が株式公開や事業売却で投資を回収する道筋を指し、創業の時点から描くことが当たり前とされてきました。指数関数的成長は、半導体の集積度が一定の周期で倍になるというムーアの法則に代表されるように、技術と事業の伸びを語るときの前提として繰り返し持ち出されます。説得的技術は、利用者の態度や行動を変えるように設計された技術を指す言葉で、通知や推薦の仕組みを通じて利用者の時間と注意を集める製品設計とも重なります。
版元の分類と、同じ版元から出ている著者の邦訳
版元の分類は一般 / 社会です。目次が掲げるのは技術の操作ではなく、技術をめぐる考え方です。同じボイジャーからは、著者の邦訳『ネット社会を生きる 10 ヵ条』と『チームヒューマン』も出ています。刊行後には日本経済新聞の夕刊や週刊エコノミストなどに書評が載りました。
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