ソフトウェア工学

ソフトウェアコウガク

ソフトウェア工学の表紙
ソフトウェア工学 / 設計
著者:
岸 知二 / 野田 夏子(キシ トモジ / ノダ ナツコ)
出版社:
近代科学社
出版日:
2016年08月01日頃
ISBN:
9784764905092
在庫:
在庫あり
0
中級者向け
ソフトウェア工学ソフトウェア設計ソフトウェア開発要求定義モデル駆動工学形式手法ソフトウェアモデリング開発プロセスソフトウェア保守ソフトウェア検証

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書籍紹介

<big><strong>基礎の基礎から形式手法まで、シッカリ学べる! </big></strong>
本書はソフトウェア工学の全体像をつかむための地図である.著者たちが企業や研究所で経験した「よい設計なくして, よいソフトウェアは望めない」という経験値を先人たちの知見と併せて一冊の書籍としてまとめた.

大学でソフトウェア工学を学ぶ学生には教科書として, 企業で設計に携わる技術者にとっては参考書として活用できるように設計している.

分からない点や疑問な点を素早く探せるように, 索引と傍注をリンクさせてレファレンス性を高めている.さらに傍注にはソフトウェア設計のヒントとなる事項を取り上げピンポイントで解説している.

今や社会基盤となった情報システムの中核であるソフトウェア工学を, しっかり学ぼうとする初学者やより確かな知識を得ようとしている読者には, まさに座右の書である。

1.ソフトウェア工学の概観

2.ソフトウェアモデリング

3.情報システムとソフトウェア

4.要求定義

5.設計

6.実装

7.検証と妥当性確認

8.開発プロセス

9.保守・進化と再利用

10.モデル駆動工学

11.形式手法

12.プロジェクト管理

技書の森解説

『ソフトウェア工学』 (岸 知二、野田 夏子 著、近代科学社、2016 年 8 月発売) は、ソフトウェアモデリングと要求定義から、設計、実装、検証と妥当性確認、開発プロセス、保守と再利用、さらにモデル駆動工学、形式手法、プロジェクト管理までを全 12 章で見渡す教科書です。版元は本書をソフトウェア工学の全体像をつかむための地図と位置づけ、大学でソフトウェア工学を学ぶ学生には教科書として、企業で設計に携わる技術者には参考書として使えるように設計したと紹介しています。紹介文のキャッチは「基礎の基礎から形式手法まで、シッカリ学べる!」で、索引と傍注をリンクさせて疑問点を素早く引けるようにし、傍注ではソフトウェア設計のヒントになる事項を取り上げています。版元の著者紹介によれば、著者は 2 人とも日本電気 (NEC) を経て大学に籍を置いており、紹介文は企業や研究所で得た「よい設計なくして, よいソフトウェアは望めない」という経験を先人の知見と併せてまとめた本だと説明しています。

全 12 章の構成、モデリングから形式手法とプロジェクト管理まで

1 章でソフトウェアの位置づけと特徴、開発の問題、ソフトウェア工学の経緯を概観したあと、2 章「ソフトウェアモデリング」で UML を含むモデリングの視点と活用方法を押さえ、3 章で Web 技術や情報システムの処理形態、組込みシステムといった対象側の基礎を整理します。工程に沿って進むのは 4 章からで、4 章「要求定義」がゴールとシナリオ、ユースケースの分析から要求仕様の確認まで、5 章「設計」がモジュール化、機能 / データ / 状態に注目する設計、オブジェクト指向設計、ソフトウェアアーキテクチャ、アスペクト指向技術を扱います。6 章「実装」はデバッグを含み、7 章「検証と妥当性確認」はテスト技術とテストの運用、レビュー技術、静的解析技術を並べ、8 章で開発プロセスとライフサイクル、プロセスモデルを、9 章で保守 / 進化とソフトウェアパターン、プロダクトライン開発を取り上げます。後半の 10 章「モデル駆動工学」は UML と MOF、11 章「形式手法」は形式仕様と検証、モデル検査、12 章「プロジェクト管理」はスコープ、タイム、コストの各マネジメントと品質の管理、組織としての能力を扱い、各章末に演習問題 / 発展課題、巻末に学習ガイドと演習問題ガイド、参考文献が付きます。

工程ごとの知識を一つの地図に載せる意味

ソフトウェア工学という言葉は 1968 年の NATO の会議で広く使われ始め、大規模化するソフトウェア開発を、場当たりの作業ではなく体系立った工学として扱おうとする流れの中で育ってきました。実務では 要件定義 や設計、テストが別々の担当や文書に分かれがちですが、要求の誤りが後工程で見つかるほど手戻りが大きくなることや、設計の分割の仕方が保守と再利用のしやすさを左右することは、工程をまたいで眺めて初めて見える関係です。本書が設計の章で ソフトウェアアーキテクチャ を、検証の章でテストと並べてレビューと 静的解析 を扱っているのは、品質を一つの工程の責任にせず、作り込みと確認の両側から考える枠組みを示すためと読めます。目次の後半にモデル駆動工学と形式手法が章として置かれている点も特徴で、モデルを開発の中心に据える考え方や、仕様を数学的に書いてモデル検査で網羅的に確かめる手法は、テストだけでは確かめきれない並行処理や安全性の要求に向き合う際の選択肢になります。

講義の教科書と実務の参考書、両方の読み方と前提

読み進めるには、少なくとも 1 つのプログラミング言語で小さなプログラムを書いた経験と、開発がどんな工程で進むのかについての大まかなイメージがあると、各章の位置づけをつかみやすくなります。章末の演習問題 / 発展課題と巻末の学習ガイドは講義や自習の進め方を支える作りで、実務の技術者にとっては、索引と傍注から必要な概念を引き直す参考書として手元に置く使い方が版元の想定に沿っています。一方で目次の見出しは特定の言語やフレームワーク、開発ツールの名前で立てられていないため、具体的な実装手順やツールの操作を求める人には向きません。2016 年の刊行なので、クラウドやコンテナを前提にした開発と運用の話題も目次には見当たらず、そうした領域は別の本で補う前提で読むのが現実的です。設計の分野で次に読む本を探すときは、設計とアーキテクチャの本の選び方 も役に立ちます。

情報系の授業でソフトウェア工学を学ぶ学生や、目の前の担当工程の外を含めて開発の全体像を体系的に整理したい技術者にとって、要求から形式手法、プロジェクト管理までを 1 冊の地図に収めた本書は、断片的に覚えた用語どうしの関係をつなぎ直す拠りどころになります。演習問題に取り組みながら章を追えば、工程ごとの判断を理由とともに説明できる土台が手に入ります。

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