UML モデリング入門

ユーエムエル モデリング ニュウモン

本質をとらえるシステム思考とモデリング心理学

UML モデリング入門の表紙
ソフトウェア工学 / 設計
著者:
児玉公信(コダマ, キミノブ)
出版社:
日経 BP
出版日:
2008年04月
ISBN:
9784822283582
在庫:
在庫あり
4.5(10 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
UMLモデリングソフトウェア設計システム設計オブジェクト指向要件定義設計図面ソフトウェア開発ビジネス分析モデル駆動開発

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言及数
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書籍紹介

本書では、UML を使い、ユーザー要求をどのようにモデルに落とし込んでいけばよいのか、その手順とポイントを基本から丁寧に解説。正解と言い切るのがむずかしいモデル作成にあって、より良いモデルへ導いていくための道筋をしっかり伝授。

技書の森解説

業務の要求を前にして、何をどの図にどこまで描けばよいのかで迷う人の手がかりになる本です。『UML モデリング入門』 (児玉公信 著、日経 BP 社 発行、日経 BP 出版センター 発売、2008 年 4 月刊) は、UML を使い、ユーザー要求をどのようにモデルに落とし込んでいけばよいのかを、その手順とポイントから解説した書籍です。副題は「本質をとらえるシステム思考とモデリング心理学」で、版元の紹介文は、正解と言い切るのがむずかしいモデル作成にあって、より良いモデルへ導いていくための道筋を伝える本だと説明しています。

3 部構成、モデリングの考え方からユーザー要求の総合演習まで

目次は 3 部と付録 1 本で構成されています。第 1 部「モデリングの考え方」は「モデルが表現するもの」と「UML の基礎知識」の 2 章です。第 2 部「モデルを作ろう」は 8 章で、「静的モデリング 1:概念と型」から「静的モデリング 4:高度な関連」までの 4 章で概念と型、関連、インスタンスの構造を順に扱い、「型図の演習」を挟んで「動的モデリング: 状態機械図、活動図」「機能モデリング: ユースケース」「モデル間の整合」へ進みます。第 3 部「要求をモデル化する」は「総合演習: ユーザー要求のとらえ方」の 1 章で、巻末に付録 A「ユースケースとは何か」が置かれています。図の種類を一つずつ紹介する並びではなく、考え方、モデルの作り方、要求のモデル化という順で、モデルを組み立てる作業そのものを追う構成です。

静的、動的、機能の 3 つの視点と、モデル間の整合が要る理由

モデリングが難しいのは、同じ業務を描いても目的によって正しい切り取り方が変わるからです。どの概念を独立した型として立て、どれを属性に留めるか、2 つの概念を関連で結ぶのか別の概念を間に挟むのかといった判断は、記法の知識だけでは決まりません。業務の言葉と構造を捉える静的な視点、ものの状態がどう移り変わるかを捉える動的な視点、利用者がシステムに何を求めるかを捉える機能の視点は、それぞれ別の図で表されますが、同じ対象を別の角度から見たものなので、互いに食い違えばどこかの理解が誤っていることになります。状態の移り変わりを図にする考え方は ステートマシン と同じ土台に立っており、型図で定めた概念の状態を状態機械図で追うと、関連や属性の抜けに気づけることがあります。本書は静的、動的、機能のモデリングの章のあとに「モデル間の整合」の章を置いています。こうした作業は、開発の上流で何を実現するかを固める 要件定義 の質を左右します。

2008 年刊という前提と、向く読者、向かない読者

本書は 2008 年 4 月の刊行で、図の記法や作図ツールの環境はその時点のものを前提にしています。一方で、目次が示すとおり主題は記法の網羅ではなく、ユーザー要求をモデルへ落とし込む手順と考え方であり、この部分は道具が変わっても使い続けられる内容です。逆に、UML の全種類の図を引ける記法の辞典を求める人や、モデルからコードを生成する開発ツールの使い方、特定のプログラミング言語での実装方法を学びたい人には目的が合いません。目次の章題に現れる図は型図、状態機械図、活動図、ユースケースに絞られているので、シーケンス図などほかの図の書き方を主に知りたい場合は、記法の解説書を別に用意するほうが近道です。

業務システムの要求分析や上流の設計を任され、ユーザーの話を聞いたあとにそれを図へ落とすところで手が止まっている人にとって、考え方から総合演習までを一冊で通せる本書は、モデルを作る判断の手順を手元に置ける一冊です。設計の本をほかにも比べて選びたい場合は、設計とアーキテクチャの技術書の選び方 もあわせて眺めると、本書を読む位置を決めやすくなります。

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