基礎からわかる時系列分析

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R で実践するカルマンフィルタ・MCMC・粒子フィル

基礎からわかる時系列分析の表紙
IT / 数学
著者:
石田基広 / 萩原淳一郎(イシダ, モトヒロ / ハギワラ, ジュンイチロウ)
出版社:
技術評論社
出版日:
2018年04月
ISBN:
9784774196466
シリーズ:
Data Science Library
在庫:
在庫あり
5(1 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
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767位

書籍紹介

時系列データとは、気温や株価のように時間順に得られる系列データを指します。本書では時系列データの分析 (時系列分析) の進め方を、基礎から説明します。時系列分析にはさまざまなアプローチがありますが、本書では探索的な方法と確率的な方法の両方を解説します。具体的には、探索的な方法については移動平均に基づく方法、確率的な方法については状態空間モデルに基づく方法を取り上げます。これらの説明の中では、数式の意味やどのようにコードに落とし込むかについて、丁寧に解説をします。また本書は応用的な話題についてもカバーしていますので、初めて時系列分析を試みる方はもちろん、すでに時系列分析に携わっている方にも興味を持っていただける内容になっています。

技書の森解説

気温や株価のように時間の順に得られるデータは、隣り合う値どうしが似通い、季節や景気の波を含み、ときに途中で振る舞いが変わります。『基礎からわかる時系列分析』 (萩原 淳一郎、瓜生 真也、牧山 幸史 著、石田 基広 監修、技術評論社、2018 年 3 月発売) は、こうした時系列データの分析の進め方を基礎から説明し、確率的な方法の中心に 状態空間モデルを据えた書籍です。副題は「R で実践するカルマンフィルタ・MCMC・粒子フィルタ」で、技術評論社の Data Science Library シリーズの一冊にあたります。版元の概要によれば、探索的な方法として移動平均に基づく方法を、確率的な方法として状態空間モデルに基づく方法を取り上げ、数式の意味とそれをどのようにコードに落とし込むかを丁寧に解説する内容です。

全 12 章と付録 A〜H、確率の基礎から変化点の検出まで

第 1 章で時系列分析の考え方と R の利用を確認したあと、第 2 章で確率過程、共分散と相関、定常過程と非定常過程、最尤推定とベイズ推定といった確率 / 統計の基礎を、第 3 章で R における時系列データのオブジェクトと時間情報の扱いを押さえます。第 4 章「時系列分析ひとめぐり」は、目的の確認とデータの収集から、データの下調べ、モデルの定義、パラメーター値の特定、フィルタリング / 予測 / 平滑化の実行、結果の吟味までを一度通して見せる章です。第 5 章と第 6 章で状態空間モデルの定義と分類、状態の推定や尤度とモデル選択を整理し、第 7 章から第 9 章は線形 / ガウス型の状態空間モデルとして、一括解法のウィナーフィルター、逐次解法のカルマンフィルター、そしてローカルレベル、ローカルトレンド、周期、ARMA、回帰といった成分モデルと分析例を扱います。第 10 章と第 11 章は一般状態空間モデルの一括解法としての MCMC と逐次解法としての粒子フィルターで、どちらにもライブラリの活用と推定精度向上のためのテクニックの節があります。第 12 章は構造変化を考慮した応用例で、変化点が既知の場合のカルマンフィルター、未知の場合の MCMC と粒子フィルター、実時間での変化点の検出を取り上げます。巻末の付録は A から H まであり、R の利用方法、確率分布に関する関数、ライブラリ dlm、アルゴリズムの導出に関する情報などが収められています。線形 / ガウス型と一般型のそれぞれについて、一括解法と逐次解法を対にして並べた構成と読めます。

状態空間モデルの考え方、観測の裏にある状態を推定する

状態空間モデルは、目に見える観測値の背後に直接は見えない状態があり、その状態が時間とともに少しずつ変化し、観測はその状態に雑音が加わったものだと考える枠組みです。水準、傾き、季節の周期、説明変数の効果といった要素をそれぞれ成分として組み立て、足し合わせてモデルにできるため、データの性質に合わせて部品を選ぶ感覚で分析を設計できます。差分をとって定常な系列に直してから扱う古典的な進め方と比べると、非定常な振る舞いや欠けた観測をモデルの中で自然に扱いやすい点も利点です。一方で状態を推定する計算は、モデルが線形で雑音が正規分布に従う場合ならカルマンフィルターで厳密に求まりますが、その仮定を外すと MCMC や粒子フィルターのような計算手法が必要になります。本書の章立てが線形 / ガウス型から一般型へ進むのは、この計算上の境目をそのまま学習の順序にしたものと読めます。

R と確率 / 統計の前提知識、向いている分析者

版元は、こんな方にオススメとしてデータ分析者、データサイエンティスト、R ユーザーを挙げ、初めて時系列分析を試みる人だけでなく、すでに時系列分析に携わっている人にも興味を持ってもらえる内容と案内しています。第 2 章で確率や 統計の基礎 を確認できるとはいえ、正規分布や分散、尤度といった言葉に一度触れておくと、状態の推定を扱う第 6 章以降の数式を追いやすくなります。コードは R を前提とし、付録に R の利用方法やライブラリの解説がまとまっているので、R の基本操作に不安がある場合は付録から入る手もあります。逆に、Python だけで分析を完結させたい人は、手法の考え方は持ち帰れても、コードは自分で置き換える手間がかかります。また目次の見出しで ARMA モデルは第 9 章の成分モデルの一つとして現れる扱いなので、ARIMA モデルの次数選択を中心に学びたい人は、目的に合うかを章立てで確かめてから選ぶのが安全です。

売上や需要の推移、センサーの値、アクセス数の変化といったデータを前にして、移動平均で眺めるだけでは足りないと感じている人にとって、本書はトレンドや季節性を成分に分けて推定し、変化点まで扱えるようになるための道筋を、データ分析 の手順とコードの両面から示してくれます。カルマンフィルター、MCMC、粒子フィルターを 1 冊の中で並べて比べられる点も、状態空間モデルを実務の道具として使いたい人が手元に置く理由になります。

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