情報数学の基礎
ジョウホウ スウガク ノ キソ
暗号・符号・データベース・ネットワーク・CG
- 著者:
- 寺田文行(テラダ, フミユキ)
- 注目:
- 総合 2235 位
- 出版社:
- サイエンス社
- 出版日:
- 1999年07月
- 一覧:
- サイエンス社の技術書
- ISBN:
- 9784781909141
- シリーズ:
- ライブラリ理工基礎数学
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
本書は, 主として工学の諸分野で必要とされる情報数学を、高等学校の低学年の数学に直結して講じています。そのために理論の基礎づけの部分には厳密な数学的な扱いをする反面、図による解説を多用して、直観的な理解と使い馴れに重点を置きました。そのような教科書が必要とされる時代であります。先生方が予定された時間にあわせて講義できるように工夫しました。とくに短時間で一通りの学習をさせたいときのために、先生方の講義内容は左側の頁を中心とし、右側の頁の“より理解を深めるために”以下の部分は、学生の復習に任せてもよいようにしました。
技書の森解説
『情報数学の基礎』 (寺田文行、中村直人、釈氏孝浩、松居辰則 著、サイエンス社、1999 年 7 月刊) は、整数と暗号、誤り訂正符号、関係データベース、グラフ理論、3 次元 CG、画像圧縮を支える数学を扱う情報数学の教科書です。副題は「暗号・符号・データベース・ネットワーク・CG」です。シリーズ「ライブラリ理工基礎数学」の 7 として刊行され、版元の案内には、高等学校「数学 I」のみを履修していれば理解できるよう構成し、各章を独立させて必要に応じて使い分けられるようにした見開き形式のテキストとあります。版元は難易度を入門としています。著者の所属は、寺田文行が元早稲田大学教授、中村直人が千葉工業大学准教授、釈氏孝浩が文教大学准教授、松居辰則が早稲田大学教授と版元の著者表記にあります。
6 つの大見出しの構成、整数と暗号から画像圧縮まで
目次は 1 から 6 までの大見出しで、「整数と暗号」「ガロア体と誤り訂正符号」「集合と関係データベース」「グラフ理論とネットワーク応用・情報のモデル化」「線形変換と 3 次元 CG」「離散コサイン変換と画像圧縮」です。どの大見出しも最後の節は「問の解答」で、「集合と関係データベース」には付録の節も置かれています。
合同式と RSA 暗号、ガロア体と誤り訂正符号
「整数と暗号」は整数の理論、合同式、整数を成分とする行列、暗号、mod N の 1 次変換と暗号への応用、RSA 暗号の節を扱います。データを第三者が読めない形に変える 暗号化 の方式のうち、RSA は 2 つの大きな素数の積から元の素数を求める素因数分解が、桁が大きくなると極めて難しいという性質を使った公開鍵暗号で、暗号文の計算はある数で割った余りの世界、つまり合同式の上で行われます。「ガロア体と誤り訂正符号」は符号理論の原理、誤り検出 / 訂正のアイデア、ガロア体とその拡大体、ハミング符号、巡回符号、BCH 符号の節を扱います。誤り訂正符号は、送るデータに検査用の冗長なビットを加え、通信路や記録媒体で一部のビットが反転しても受け手が誤りを見つけて直せるようにする方式です。ガロア体 (有限体) は要素が有限個で四則演算が閉じた数の体系で、巡回符号や BCH 符号の構成に使われます。
関係データベースとグラフ理論、3 次元 CG と JPEG の数学
「集合と関係データベース」は、表の形で情報を持つ データベース である関係データベースのアイデアから集合、直積と関係へ進みます。関係データベースの表は、数学では集合の直積の部分集合である関係として定義されます。「グラフ理論とネットワーク応用・情報のモデル化」はコンピュータネットワークを入口に、グラフの連結、行列表現、木、グラフを用いた情報のモデル化を扱います。グラフは頂点と辺で物どうしのつながりを表す数学の対象です。「線形変換と 3 次元 CG」は透視投影像と視線の方程式、行列、物体の拡大 / 縮小 / 回転、線形変換とアフィン変換の節を持ちます。アフィン変換は線形変換に平行移動を加えた変換で、拡大、縮小、回転、移動を行列の計算でまとめて表します。「離散コサイン変換と画像圧縮」はデジタル画像、ハフマン符号化、1 次元と 2 次元の DCT、JPEG の節を扱います。JPEG は画像を小さな区画に分けて離散コサイン変換で周波数の成分に直し、目に付きにくい高い周波数の成分を粗く量子化したうえで、ハフマン符号化などで圧縮する方式です。
本書は、整数と暗号、ガロア体と誤り訂正符号、集合と関係データベース、グラフ理論とネットワーク、線形変換と 3 次元 CG、離散コサイン変換と画像圧縮の数学を、大見出しごとの問の解答を添えて 6 つの大見出しに収めています。
この本に興味がある方におすすめ
関連する本
関連記事
機械学習に必要な数学の本ガイド - 「どこまでやるか」で選ぶ 3 レベル
機械学習 / ディープラーニングに必要な数学を学ぶ本の選び方を 3 レベル (数式アレルギーの解消 → 機械学習で使う数学だけ → 数理を体系的に) で整理。学び直しの範囲を絞り、挫折せずに必要十分な数学を身につけるルートを解説します。
機械学習 / ディープラーニング本ガイド - エンジニアが読むべき AI 技術書の選び方
機械学習の基礎から実践まで学べる技術書の選び方を紹介。「Python ではじめる機械学習」などのハンズオン本を軸に、数学が苦手な人向けの学習ルート、ディープラーニング本への進み方、ML 本の賞味期限の見極め方を解説します。
ディープラーニング本の選び方 - 原理 / 理論 / 実装 / 数学の 4 系統で整理 (2026 年 8 月時点)
ディープラーニング本の選び方を 4 系統 (原理を手で理解する本 / 理論を体系的に学ぶ本 / フレームワーク実装本 / 数学を補う本) に整理。2026 年 8 月時点の定番書を目的別 / レベル別に紹介し、賞味期限の見極め方も解説します。