Blender リアルタイム CG キャラクター制作入門
ブレンダーリアルタイムシージーキャラクターセイサクニュウモン
- 著者:
- 株式会社なのです(カブシキガイシャナノデス)
- 注目:
- 総合 2497 位
- 出版社:
- 秀和システム
- 出版日:
- 2023年08月17日
- ISBN:
- 9784798061955
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
3DCG 作成ソフト Blender で、アニメ、イラスト風の 3DCG キャラクターを作る書籍です。モデリングするだけでなく、Unity や VRChat で動かすことまで解説します。そのため、リアルタイム CG で動かすことを前提にした作成方法、ノウハウを解説します。またあわせてイラスト風の見た目に近づけるための方法も説明しています。ゲームや Vtuber などを作ってみたい人も参考になる内容となっています。
技書の森解説
ゲームや VRChat で使える完全オリジナルの 3DCG キャラクターを、無料の 3DCG アプリ Blender で一体作り切る。『Blender リアルタイム CG キャラクター制作入門』 (株式会社なのです 著、秀和システム、2023 年 8 月刊) は、Blender のインストールからキャラクターモデルの作り方、Unity と VRChat でのセットアップまでを一冊で扱う入門書です。判型は B5 変型判です。版元の紹介によれば、有名ゲームや VTuber のハイクオリティな 3D モデリングで有名な「株式会社なのです」が作成したサンプルキャラクターをお手本に、リアルタイム CG 向けモデルの作り方を学ぶ構成で、対象はアニメ、イラスト風の 3DCG キャラクターです。イラスト風の見た目に近づけるための方法も併せて説明されています。
全 10 章の構成、顔と素体のモデリングから VRChat のセットアップまで
構成は Chapter01 から Chapter10 までの全 10 章です。Chapter01「モデリングの準備」で使用目的に沿った制作計画、キャラクターデザイン、Blender の初期設定と基本操作、下絵の配置を済ませ、Chapter02「顔のモデリング」と Chapter03「素体のモデリング」で顔と体を作ります。Chapter04「素体のスキニング」ではボーンと頂点ウェイト、揺れもののボーンと頂点ウェイトを扱い、Chapter05「Unity での素体の動作テスト」で FBX エクスポートと Unity へのインポート、既存アニメーションで動作テストを一度挟みます。後半は Chapter06「衣装のモデリング」、Chapter07「マテリアルの設定とテクスチャの作成」で UV 展開とテクスチャの作成、Chapter08「フェイシャルの作成」で VRChat に必要な「シェイプキー」の追加と進み、Chapter09「Unity でのセットアップ」ではユニティちゃんトゥーンシェーダー 2.0 のインストールからマテリアル・テクスチャー・シェーダーの設定、Chapter10「VRChat のセットアップ」で VRC コンポーネントのアタッチ、テストとアップロード、FX レイヤーの設定、揺れものの設定、キャラクターのプレハブ化まで到達します。
リアルタイム CG 向けモデル制作で、Unity での動作テストを途中に挟む意味
静止画や映像作品向けの 3DCG と違い、ゲームや VRChat のようなリアルタイム CG では、モデルは実行環境の中で描画され続け、ボーンによって変形し続けます。そのため見た目の造形だけでなく、ポリゴンの構成、ボーンと頂点ウェイトの設定、マテリアルとテクスチャ、フェイシャル用のシェイプキーが、動かす側のアプリケーションで正しく扱える形になっていなければなりません。Blender の中では問題なく見えても、FBX でエクスポートして Unity に持ち込んだ時点で、ウェイトの破綻やマテリアルの見え方の差が初めて表面化することは珍しくありません。本書は素体のスキニングを終えた直後の Chapter05 で Unity での動作テストを一度挟み、そのうえで衣装やテクスチャに進む構成で、目次から読み取れるこの順序は、完成間際の大きな手戻りを避ける工程設計として理にかなっています。ゲーム開発 の現場でも、キャラクターアセットの制作はモデリングからエンジン上のセットアップまでを一連の工程として扱うのが通例で、本書はその流れを個人制作の規模で一通り体験させる本です。
対象読者と前提知識、Blender 未経験でも始められるか
版元は本書を Blender のインストールから解説した入門書と位置づけ、書店掲載の書誌 (出版社提供) でも、モデリング手順を極力掲載し初心者も安心と案内しています。Chapter01 に Blender のダウンロード、初期設定の変更、各種ウィンドウの説明、基本操作、座標軸についての節があるため、Blender に触れたことがなくても本書の中で操作の土台を作れます。ただし目次の大半は顔 / 素体 / 衣装のモデリング、スキニング、マテリアルとテクスチャ、フェイシャルという制作工程そのものに割かれており、Blender の機能を網羅的に解説する本ではありません。版元が読者として挙げるのはゲームや Vtuber などを作ってみたい人で、Unity と VRChat での動かし方まで含めて一体を完成させたい読者に向きます。版元サイトにはダウンロードサービスとサポート情報の案内があります。
向かない人と、2023 年刊の Blender 本として選ぶ判断材料
向かないのは、写実的な質感の映像作品向けモデルや静止画レンダリングの作品を作りたい人です。本書は版元の紹介どおりアニメ、イラスト風のキャラクターをリアルタイム CG で動かすことを前提にしており、ユニティちゃんトゥーンシェーダー 2.0 を使うセットアップもその方向に沿っています。Blender そのものの機能解説を目的にする人にも、リファレンス型の本のほうが適切です。刊行は 2023 年 8 月で、Blender、Unity、VRChat の画面や手順は刊行時点のものです。版元の公式サイトには 2023 年 9 月 1 日付で重版のお知らせが掲載されています。
自作のオリジナルアバターを VRChat にアップロードしたい人、ゲーム用にアニメ調のキャラクターを一体作り切りたい人、VTuber 用のモデル制作を自分の手で試したい人には、投じた時間の回収が見込みやすい一冊です。読み通せば、Blender で顔 / 素体 / 衣装をモデリングし、スキニングとフェイシャルを仕込み、Unity に持ち込んでシェーダーを設定し、VRChat にアップロードして揺れものまで設定するという全工程を、一度自分の手で通した経験が残ります。作りたいキャラクター像がすでにある人にとって、本書はその像を動く形にするための堅実な道筋です。
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