はじめての設計をやり抜くための本 第 2 版 概念モデリングからアプリケーション、データベース、アーキテクチャ設計、アジャイル開発まで
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- 著者:
- 吉原 庄三郎(ヨシハラ ショウザブロウ)
- 価格:
- ¥2,728
- 出版社:
- 翔泳社
- 出版日:
- 2022年04月18日頃
- ISBN:
- 9784798153766
- 在庫:
- 1
- 判型:
- 単行本
なぜ注目されているか
書籍紹介
「設計」に挑戦するエンジニアの前には、いくつかの乗り越えるべき壁が立ちはだかります。本書では、そうした課題の事例を示しながら、システムをゼロから作り上げるための実践的・普遍的なノウハウを解説しています。
技書の森解説
『はじめての設計をやり抜くための本 第 2 版』 (吉原 庄三郎 著、翔泳社、2022 年 4 月刊) は、プログラミングをひと通り身につけたエンジニアが、その前工程である設計に初めて挑むときに必要な基本知識を、システムをゼロから作り上げる流れに沿って解説した書籍です。副題は概念モデリングからアプリケーション、データベース、アーキテクチャ設計、アジャイル開発まで。版元の紹介文は、アプリケーション設計、データベース設計、画面と帳票の設計、外部システムとの接続方式、アーキテクチャ設計という 5 つの壁を挙げ、課題の事例を示しながら実践的で普遍的なノウハウを伝える本と説明しています。言われた仕様を実装する立場から、仕様そのものを決める立場へ移ろうとしている若手エンジニアに向いた一冊です。
導入編 / 設計編 / アーキテクチャ編の全 7 章
構成は 3 つの編に分かれた全 7 章です。導入編の第 1 章「はじめての設計をやり抜くために」は、設計者への道やエンジニアのキャリアを扱います。設計編は第 2 章「設計の目的」で開発プロジェクトの進め方や開発プロセスの選択、良くない設計の姿を整理したうえで、第 3 章「外部設計の手法」でユースケース分析、概念モデリング、画面設計、外部システムとの接続の設計、バッチ設計、帳票設計、データベース論理設計、NoSQL データベース設計、非機能要件の定義、システムインフラと配置の設計を、第 4 章「内部設計の手法」で画面、ビジネスロジック、データベースそれぞれのプログラム設計とデータベース物理設計、テストのための設計、開発環境の構築、開発標準の策定を扱います。アーキテクチャ編は第 5 章「アーキテクチャの目的」、第 6 章「アーキテクチャ設計のアプローチ」でオブジェクト指向設計、サブシステム分割、レイヤーによる直交化、DRY による処理の共通化、設計とプログラムのトレーサビリティ、依存性の注入、マイクロサービスを取り上げ、第 7 章「本当に設計は必要か」で設計の意味を改めて問い直して締めくくります。紹介文によれば第 2 版は 14 年ぶりのリニューアルで、取り上げる開発手法やツールを更新し、アジャイルとマイクロサービスの説明を新たに加えています。
実装の手前で何を決めるのか、設計が難しい理由
設計に初めて取り組むエンジニアがつまずくのは、プログラミングでは与えられていた前提を、自分で決めなければならなくなる点です。画面の項目やデータの持ち方、外部システムとのやり取りの方式、処理を夜間のバッチに回すか即時に返すかといった判断は、要件定義 で合意した内容を実装できる形へ落とし込む作業で、どれも後の工程で変えるほど費用がかさみます。さらに、性能や可用性、運用のしやすさといった非機能の要件は画面からは見えないため、意識して設計に織り込まない限り抜け落ちます。本書が外部設計と内部設計を分け、データベースについても論理設計と物理設計を別の章で扱っているのは、利用者や業務から見た決めごとと、実装上の決めごとを切り分けて考えるためと読めます。アーキテクチャ編のレイヤー分割や DRY、トレーサビリティは、こうした個々の決めごとを全体として矛盾なく保つための道具立てにあたります。
業務システムの設計者を目指す人の前提と、向かない読者
前提として、何らかの言語で業務アプリケーションの実装に携わり、データベースを使ったプログラムを書いた経験があると、各節の事例が自分の仕事と結びつきやすくなります。帳票設計やバッチ設計、開発標準の策定といった節が並ぶとおり、社内や顧客向けの業務システムを工程に分けて作る現場との相性がよい構成です。一方で、帳票やバッチを持たない種類のアプリケーションを小さなチームで作る人や、特定のフレームワークでの実装方法を求める人には、一部の節が現場と重なりにくくなります。コードの書き方からシステム全体の構造まで、設計の本をどの層から選ぶかを整理したい場合は、設計とアーキテクチャの本の選び方 を合わせて見ると、本書の前後に読む本を決めやすくなります。
次のプロジェクトで初めて設計書を任された、あるいは開発リーダーとして設計の段取りを組む立場になりつつあるという人にとって、本書は外部設計からアーキテクチャまでの見取り図を一冊で手元に置ける本です。担当する工程の章から読み始め、迷ったときに第 2 章の設計の目的に戻る使い方でも、元が取れる読み方ができます。