アジャイルメトリクス
アジャイルメトリクス
- 著者:
- Christopher W.H. Davis / 株式会社 Sider / 浅原 明広 / 尾原 秀登 / 末次 健太郎 / 角 幸一郎(クリストファー・W・H・デイビス / カブシキガイシャサイダー / アサハラ アキヒロ / オバラ ヒデト / スエツグ ケンタロウ / カド コウイチロウ)
- 出版社:
- 翔泳社
- 出版日:
- 2022年11月14日
- ISBN:
- 9784798169415
- シリーズ:
- Programmer's SELECTION
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
技書の森解説
アジャイル開発のチームが、課題管理やソース管理、継続的インテグレーション、本番環境といった日々の開発で生まれるデータを集めて分析し、チームとプロセス、ソフトウェアの改善につなげる方法をまとめた翻訳書です。『アジャイルメトリクス アジャイルチームのパフォーマンスを向上する定量化とデータ収集法』は翔泳社の Programmer's SELECTION の一冊で、Christopher W.H. Davis 著、株式会社 Sider、浅原明広、尾原秀登、末次健太郎、角幸一郎、中川岳 訳、2022 年 11 月に刊行されました。版元の紹介によれば、原書は Manning Publications から 2015 年に刊行された Agile Metrics in Action です。
測定の考え方からデータ収集、活用まで、3 部 10 章の構成
第 1 部「アジャイルチームを測定する」は、アジャイルのパフォーマンスを測る考え方と、実際のプロジェクトを観察する第 1 章と第 2 章です。第 2 部「チームのデータの収集と分析」では、第 3 章のプロジェクト管理システム、第 4 章のソースコード管理、第 5 章の継続的インテグレーションおよびデプロイ、第 6 章の本番環境と、データの出どころごとに何が取れてどんな傾向が読めるかを扱います。第 3 部「メトリクスをチーム・プロセス・ソフトウェアに適用する」は、第 7 章のデータの集約、第 8 章のソフトウェア品質の測定、第 9 章のメトリクスの公開、第 10 章のアジャイルの原則に照らしたチームの測定へと進み、集めたデータをどう使うかで締めくくられます。
数字でチームを見るときに起きやすい失敗と、データを組み合わせる意味
アジャイル 開発は短い反復を繰り返すため、振り返りのたびに改善を試せる一方で、その改善が効いたのかを経験と印象だけで判断しがちです。かといって、ベロシティやバグの数のような単一の数字を目標にすると、数字を良く見せる行動が増えて本来の成果から離れていくという、測定につきものの落とし穴があります。本書がデータの出どころを課題管理、ソース管理、CI/CD、本番環境に分け、それらを集約して見る構成を取っているのは、ひとつの指標に頼らず、複数のデータの傾向を突き合わせてチームの状態を読むための組み立てといえます。版元の紹介でも、定量化によって経験値による知見だけでなく、より合意しやすいチームへ改善することをねらいに挙げています。デプロイの頻度や変更のリードタイムなど 4 つの指標で開発の成果を測る DORA メトリクス を知っている人なら、それより広い範囲のデータを扱う本として位置づけると全体像をつかみやすくなります。
原書 2015 年刊を前提に、向いている読者を考える
原書の刊行は 2015 年なので、例に出てくるツールや環境はその時期のものが前提です。特定のツールの操作手順を求める人より、どこからどんなデータを取り、どう組み合わせて読むかという考え方を、手元のツールに置き換えて使いたい人に向いています。また、アジャイル開発やスクラムのやり方そのものを一から学ぶ入門書ではないため、反復やふりかえりを実際に回した経験があるほうが読みやすいはずです。チームの運営やマネジメントの本の中から選び直したい場合は チーム開発 / マネジメント本ガイド も参考になります。
スプリントのたびに改善を試しているのに効果を説明できないと感じているチームリーダーや、開発の状況を感覚ではなくデータで関係者と共有したいエンジニアリングマネージャーにとって、データの集め方から公開の仕方までを 1 冊で通して学べる本書は、チームで改善を回す土台を作る手掛かりになる一冊です。
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