図解入門 TCP/IP 第 2 版

ズカイニュウモンティーシーピーアイピーダイニハン

仕組み・動作が見てわかる

図解入門 TCP/IP 第 2 版の表紙
その他
著者:
みやた ひろし(ミヤタヒロシ)
価格:
¥2,750
出版社:
SB クリエイティブ
出版日:
2024年12月25日頃
ISBN:
9784815627058
在庫:
1
判型:
単行本
5.0(4 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
TCP/IPネットワークセキュリティHTTPIPv6Wi-FiイーサネットSSL/TLSプロトコル図解

なぜ注目されているか

総合380位 言及 2 件

書籍紹介

定番入門書が、パワーアップして改訂!
ネットワークの最新情報を盛り込みながら、解説と図表をいっそうわかりやすく刷新。特に Wi-Fi やセキュリティ関連の解説を大幅に強化しました。

幅広いネットワーク技術を徹底図解し、入門者にわかりやすくプロフェッショナルも活用できる、ネットワーク技術入門書の決定版!

<本書の特徴>
・フルカラーの図解が満載!

ネットワークの仕組み・動作は図を用いて理解するのが効果的です。本書では 400 点以上の丁寧に描き込まれた図を掲載しています。

・最新ネットワークに対応!
IP や TCP/UDP だけでなく、イーサネット、Wi-Fi、IPv6、HTTP、SSL/TLS など、現代のネットワークに不可欠な各種のプロトコルについても幅広く網羅しています。

技書の森解説

ネットワークの勉強が難しいのは、通信が目に見えないうえに、ケーブルの電気信号から Web ページの表示まで、まったく性質の異なる技術が層をなして同時に動いているからです。『図解入門 TCP/IP 第 2 版』 (みやたひろし 著、SB クリエイティブ、2024 年 12 月刊、副題「仕組み・動作が見てわかる」) は、この層構造を物理層からアプリケーション層まで順に、フルカラーの図で追いかけるネットワーク技術の入門書です。版元は 400 点以上の図を掲載していること、初版に対して Wi-Fi やセキュリティ関連の解説を大幅に強化したこと、入門者に分かりやすく専門家も活用できることを本書の特徴として挙げています。判型は B5 変型判で、版元サイトには 2025 年 5 月付の正誤情報も掲載されています。

全 6 章、物理層からアプリケーション層へ積み上げる構成

構成は全 6 章です。第 1 章「ネットワークの基礎」は、1950 年代の人がデータを運ぶ時代から 2010 年代のモバイルインターネットとクラウドサービスの普及までを年代順にたどる成り立ちの節に始まり、プロトコルとは何か、プロトコルを階層で整理する考え方と 2 つの階層構造モデル、各層で動作する機器、物理アプライアンスと仮想アプライアンス、LAN / WAN / DMZ、そして SDN と CDN という新しいネットワークの形まで、以降の章を読むための土台を固めます。第 2 章「物理層」と第 3 章「データリンク層」は、いずれもイーサネット (IEEE 802.3) と Wi-Fi (IEEE 802.11) を柱にし、第 3 章では ARP とその他の L2 プロトコルも扱います。第 4 章「ネットワーク層」は IPv4、IPv6、IP ルーティング、IP アドレスの割り当て方法、NAT、IPv4 と IPv6 の共存技術、ICMPv4、ICMPv6、IPsec の 9 節と最も節数が多く、第 5 章「トランスポート層」は UDP と TCP で、TCP はパケットフォーマット、状態遷移、オプション機能、ファイアウォールの動作へと踏み込みます。第 6 章「アプリケーション層」は HTTP (HTTP/1.1 と HTTP/2 のメッセージフォーマット、負荷分散装置の動作を含む)、SSL/TLS、DNS、メール系、管理アクセス、運用管理、冗長化、ALG の各プロトコルを扱います。

階層モデルで学ぶ理由と、機器の動作まで図で追う効き目

TCP/IP の学習で階層モデルが出発点になるのは、各層が下の層の詳細を知らずに済むよう役割を分担しているからで、この分担を理解すると、通信障害の切り分けを、どの層で止まっているかという問いに変換できるようになります。一般には OSI 参照モデルと TCP/IP モデルの 2 つが使われ、本書も第 1 章で 2 つの階層構造モデルを扱ったうえで、第 2 章以降を層の順に並べています。もう一つの特徴は、プロトコルの仕様説明にとどまらず、目次に「負荷分散装置の動作」「ファイアウォールの動作 (TCP 編)」「SSL オフロード機能の動作」といった機器の振る舞いを追う項目が置かれ、冗長化も物理層 / データリンク層 / ネットワーク層に分けて説明されている点です。パケットのやりとりを追いかける TCP 3-way ハンドシェイク のような手順は、文章だけでは往復の順序が頭に残りにくく、図で見ることが理解の近道になります。この本が図の点数を前面に出しているのは、ネットワークという分野の性質に合った選択です。

Wi-Fi とセキュリティを強化した第 2 版と、著者の経歴

版元が第 2 版の改訂点として明示しているのは、解説と図表の刷新と、Wi-Fi やセキュリティ関連の解説の大幅な強化です。目次でも Wi-Fi は物理層とデータリンク層の両方に節が立ち、セキュリティ面ではネットワーク層の IPsec、アプリケーション層の SSL/TLS (使用している技術、バージョン、レコードフォーマット、接続から切断までの流れ、クライアント認証) が独立した節として扱われています。HTTPS / TLS が Web 通信の前提になった環境で、暗号化と認証の仕組みを層構造の中に位置づけて学べることは、入門書としての価値を高めています。著者のみやたひろし氏は、版元掲載の刊行時プロフィールによれば、大学と大学院で地球環境科学を研究した後にシステムインテグレーターへシステムエンジニアとして入社し、その後ネットワーク機器ベンダーのコンサルタントに転身して設計から構築、運用までネットワーク関連の業務全般に携わってきた人物で、CCIE (Cisco Certified Internetwork Expert) を保持しています。機器の動作を追う項目の多さは、この経歴と重なって見えます。

ネットワーク初学者と実務者、それぞれに向く読み方と向かない場合

向いているのは、インフラやネットワークの担当になったばかりでプロトコルの全体像を体系的に押さえたい人、アプリケーション開発者でありながら HTTP や TLS、DNS の裏側を層の関係として理解したい人、そして手元に置いて IPv6 や NAT、TCP の状態遷移を図で確かめられる本を求める実務者です。前提知識はほぼ不要で、第 1 章がプロトコルと機器の基礎から始まるため、ネットワークをゼロから学ぶ人でも入れます。一方で、本書は仕組みと動作の解説が主題で、機器のコマンド設定や環境構築の手順を追う演習書ではありません。実際にネットワークを組んで試したい人は、本書で仕組みを理解したうえで演習型の本を組み合わせる形になります。また分厚い本を一度に読み切るのが負担な人には、第 1 章から第 3 章までを先に読み、第 4 章以降は必要な節から参照する使い方が現実的です。ネットワーク分野の他の選択肢は ネットワーク本ガイド で比較できます。

本書を通読すると、パケットが物理層で信号になり、データリンク層で宛先を見つけ、ネットワーク層で経路を選び、トランスポート層で届いたことを確かめ、アプリケーション層で意味を持つまでの一連の流れを、図を思い浮かべながら説明できるようになります。障害対応や設計レビューの場でどの層の話かを即座に整理できることは、インフラの仕事でもアプリケーションの仕事でも長く効く力です。ネットワークの入門書を 1 冊選んで腰を据えて読むなら、2024 年刊の第 2 版として内容が更新された本書は堅実な選択です。

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