人工知能はこうして創られる

ジンコウチノウハコウシテツクラレル

人工知能はこうして創られるの表紙
AI / 機械学習
著者:
合原 一幸(アイハラ カズユキ)
出版社:
ウェッジ
出版日:
2017年09月16日頃
ISBN:
9784863101852
在庫:
在庫あり
3.5(3 件 / 楽天ブックス)

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書籍紹介

人工知能を知ることは、これからの社会を知ること
最近毎日のように報道され、日々進歩している人工知能 (AI: Artificial Intelligence)。

人工知能開発にかかわる執筆者たちが日進月歩の人工知能を多面的に解説。

第 3 次人工知能ブームと呼ばれる現在のブレイクスルーの背景も紹介します。

巻頭言 甘利俊一 (東京大学名誉教授)

まえがき (合原一幸)

第 1 章 人工知能研究と脳研究ーー歴史と展望 (合原一幸)

第 2 章 身近なところで使われる機械学習 (牧野貴樹)

第 3 章 Watson の質疑応答からコグニティブ・コンピューティングへ (金山 博)

第 4 章 脳型コンピュータの可能性 (河野 祟)

第 5 章 ナチュラル・コンピューティングと人工知能 (青野真士)

--アメーバ型コンピュータで探る自然の知能

第 6 章 ディープラーニングとは何か?(木脇太一)

あとがき

技書の森解説

人工知能がどのような研究の積み重ねから生まれ、脳の研究や新しいハードウェアとどう関わっているのかを、大学と企業の研究者たちが分担して描いた一冊です。『人工知能はこうして創られる』は合原一幸 氏の編著で、牧野貴樹、金山博、河野崇、青野真士、木脇太一 の各氏が執筆に加わり、ウェッジから 2017 年 9 月に刊行されました。巻頭言は甘利俊一 氏 (東京大学名誉教授) が寄せています。版元は本書を、人工知能開発にかかわる執筆者たちが人工知能を多面的に解説し、第 3 次人工知能ブームと呼ばれたブレイクスルーの背景も紹介する本として案内しています。

脳研究から Watson、アメーバ型の計算まで、執筆者が分担する構成

目次は巻頭言とまえがきに続き、第 1 章「人工知能研究と脳研究」 (合原一幸)、第 2 章「身近なところで使われる機械学習」 (牧野貴樹)、第 3 章は IBM の Watson による質問応答からコグニティブ・コンピューティングへ進む話題 (金山博)、第 4 章「脳型コンピュータの可能性」 (河野崇)、第 5 章「ナチュラル・コンピューティングと人工知能」 (青野真士) と並び、第 5 章には「アメーバ型コンピュータで探る自然の知能」という副題が付きます。最後の「ディープラーニングとは何か?」 (木脇太一) は、版元ドットコムの目次では第 6 章、版元公式の紹介ではニューラルネットワークの精度を高めるきっかけになったディープラーニングを紹介する附録の技術解説として扱われています。第 1 章の題に歴史と展望が掲げられているとおり、研究の来歴を押さえてから、応用、企業の取り組み、ハードウェア、自然界に学ぶ計算へと視野を広げる組み立てと読めます。

ニューラルネットワークの外側まで含めた人工知能研究の見取り図

人工知能の話題は、データから規則を学ぶ 機械学習 と、その一手法である ディープラーニング に集中しがちです。目次からは、本書がそこに脳の仕組みとの関係と、計算機そのものの作り方という 2 つの視点を加えた本と読めます。ニューラルネットワーク は脳の神経回路に着想を得た数理モデルですが、ふつうのコンピューターの上ではソフトウェアとして模倣されるにとどまります。脳型コンピューターの研究は、神経の振る舞いを回路として直接作り込むことで、消費電力や処理の形を脳に近づけようとする試みです。ナチュラル・コンピューティングはさらに一歩進み、粘菌のような生物や物理現象の振る舞いそのものを計算に使う発想です。版元の刊行時のプロフィールでは、第 3 章の金山 氏は日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所で構文解析などの 自然言語処理 を研究し、Watson のプロジェクトで情報抽出を担当していました。第 4 章の河野 氏はニューロモルフィックハードウェア、第 5 章の青野 氏は粘菌アメーバに学んだコンピューターの研究に取り組んでいたと紹介されています。各章の題材が執筆者の研究領域と直結している点が、この本の性格を決めています。

2017 年の研究者の視点を知りたい人に向く理由と、実装書との違い

合うのは、人工知能をディープラーニング一色で捉えるのではなく、脳科学、ハードウェア、自然計算まで含めた研究の広がりを一度に見渡したい人です。エンジニアであれば、日々使う機械学習の手法が研究全体のどこに位置するのかを知る手がかりになり、学生や企画職であれば、分野ごとの研究者の問題意識に触れられます。一方、目次にプログラミングや数式の演習を扱う章は無いので、モデルを自分で実装したい人には実装を主にした入門書が別に要ります。また、本書は第 3 次人工知能ブームのさなかの 2017 年に書かれており、刊行後の技術の展開は含まれていません。それでも、その時点で研究に携わっていた人たちが何を課題と見ていたのかを、領域を横断して確かめられる点に本書の値打ちがあります。人工知能を研究の地図として理解したい人に、手元に置く価値のある一冊です。

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