組込みエンジニアの教科書
クミコミ エンジニア ノ キョウカショ
- 著者:
- 渡辺登 / 牧野進二(ワタナベ, ノボル / マキノ, シンジ)
- 出版社:
- シーアンドアール研究所
- 出版日:
- 2019年04月
- ISBN:
- 9784863542754
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
組込みエンジニアに必要な知識やスキルを幅広く解説! Arduino・Raspberry Pi を使った実践も掲載! ハードウェア・ソフトウェアの知識、組込みプログラムの概要、リアルタイム OS、組込みソフトウェアの開発プロセスのほか、IoT / AI 時代の組込みソフトウェアについても丁寧に解説! 組込みエンジニアを目指す人、新人の組込みエンジニアなど、必読の 1 冊!
技書の森解説
Web やモバイルの開発では意識せずに済むもの、つまり電源、メモリの実容量、割り込み、そして時間の制約が、組込みの世界では正面に立ちはだかります。『組込みエンジニアの教科書』 (渡辺登 / 牧野進二 著、シーアンドアール研究所、2019 年 4 月刊 / 271 ページ) は、この分野へ入る人が必要とする知識とスキルを幅広く 1 冊にまとめた入門書です。版元の紹介文は対象を「組込みエンジニアを目指す人、新人の組込みエンジニア」と明示しており、書名のとおり、最初に通読して分野の全体地図を手に入れるための教科書という位置づけです。
収録範囲、基礎知識から IoT / AI 時代の組込みソフトウェアまで
版元の紹介文によれば、収録範囲はハードウェア・ソフトウェアの基礎知識、組込みプログラムの概要、リアルタイム OS、組込みソフトウェアの開発プロセス、そして IoT / AI 時代の組込みソフトウェアまでで、Arduino や Raspberry Pi を使った実践も掲載されています。原理の解説と手を動かす演習の両方に入口が用意されているので、まず通読して全体像をつかみ、興味を持った領域をボードで試すという読み方ができます。
技術背景、組込み開発は何が Web 開発と違うのか
学習の壁の正体は大きく 4 つあります。第 1 に資源制約です。マイコンの RAM は KB 単位のことも珍しくなく、メモリと消費電力を意識した設計が前提になります。第 2 にハードウェアとの距離です。レジスタ操作 / 割り込み / タイマといったハードウェアの仕組みがそのままプログラムの語彙になり、実装言語も C 言語 が長く主流であるため、ポインタとメモリレイアウトの理解が実務の入口になります。第 3 に時間制約です。組込みには、正しい結果でも間に合わなければ失敗と扱われるリアルタイム性の要求があり、リアルタイム OS (RTOS) はタスクの優先度づけとスケジューリングでこれに応える仕組みです。第 4 に開発形態で、開発するマシンと動かすマシンが別になるクロス開発が基本です。ここを押さえると、IoT デバイスのように小さなコンピュータが物理世界とつながるシステムの見通しが良くなります。学習教材としての Arduino と Raspberry Pi には、前者が OS なしでマイコンを直接扱う感覚を、Linux が動く後者が OS ありの組込みを体験させてくれるという対比があり、入門段階でこの 2 つに触れる意味は大きいものです。
2019 年刊の時点情報と、古びにくい土台の知識
刊行は 2019 年 4 月なので、開発ボードの型番や開発環境の具体は刊行時点のものとして読む必要があります。Raspberry Pi のようなボードは世代交代が続いているため、製品の仕様や入手性は公式サイトで確認してください。一方で、本書の主対象である割り込み / リアルタイム OS / 開発プロセスといった土台の概念は技術の中でも変化の遅い層に属し、この種の知識は型番の更新で価値を失いにくいものです。概念の理解は本書で、ボードやツールの具体は各公式ドキュメントで、と役割を分けて使うのが実用的です。
向いている読者、組込みの入口に立つ人の最初の 1 冊に
向くのは、組込みエンジニアを志望する学生や新人、就職や異動でファームウェア開発に関わることになったソフトウェアエンジニア、IoT プロダクト開発の全体像を素早くつかみたい人です。読み終えると分野の全体地図と共通語彙が手に入り、RTOS や特定マイコンの専門書へ進むときの足場、配属先での会話についていくための土台になります。逆に、特定チップのレジスタレベルの逐条解説や、量産設計のような深い専門を求める中級以上の実務者に向く本ではありません。組込みの世界に入ると決めたら、本書を通読し、Arduino か Raspberry Pi を 1 枚用意して手を動かすところまでをセットにすると、教科書としての効き目を最大にできます。
言及した記事 (1 件)
この本に興味がある方におすすめ
関連する本
関連記事
ネットワーク本ガイド - TCP/IP の教科書からプロトコル各論や実務書までの選び方
ネットワークを学ぶ技術書の選び方を 3 段階 (全体像の教科書 → HTTP や DNS のプロトコル各論 → 実務と運用) で整理。マスタリング TCP/IP や図解入門 TCP/IP などの定番書の使い分けと、ネットワーク本の賞味期限の考え方を解説します。
有名プログラマの読書習慣 - 天才たちは何を読んできたのか
リーナス・トーバルズ、まつもとゆきひろ、ビル・ゲイツなど、著名なプログラマたちの読書習慣と愛読書を紹介し、天才たちの読書スタイルから学べることを探ります。
ゲームが好きならプログラミングの本も読める
ゲームの攻略本を読んだことがあるなら、プログラミングの本も読めます。攻略本とプログラミング本の共通点から、読書のハードルを下げます。