基礎オペレーティングシステム

キソオペレーティングシステム

その概念と仕組み

基礎オペレーティングシステムの表紙
OS
著者:
毛利 公一(モウリ コウイチ)
出版社:
数理工学社
出版日:
2016年08月10日頃
ISBN:
9784864810395
シリーズ:
グラフィック情報工学ライブラリ 7
在庫:
在庫あり
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言及数
448位
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書籍紹介

本書は情報工学系の学生を想定し, 種々のオペレーティングシステムに共通するコアとなる部分について, その概念と仕組みを理解できるように解説した入門書.より深く学べるように, 章末には演習問題を掲載した.
序論 / プロセスの管理とスケジューリング / プロセスの同期と通信 / 実記憶の管理 / 仮想記憶の管理 / ファイルシステム / 割込みと入出力の制御 / 仮想化技術

技書の森解説

種々のオペレーティングシステムに共通する中核の部分を、概念と仕組みの両面から理解できるように解説した入門書が『基礎オペレーティングシステム』 (毛利公一 著、数理工学社 (グラフィック情報工学ライブラリ)、2016 年 8 月 10 日発行) です。副題は「その概念と仕組み」で、発売元はサイエンス社です。版元の紹介文は、情報工学系の学生を想定した本であり、より深く学べるように章末に演習問題を載せたと説明しています。版元ページの難易度の欄は入門で、2026 年 10 月の閲覧時点では著者を立命館大学教授と表記しています。

序論から仮想化技術まで、全 8 章の構成

第 1 章「序論」で OS とは何か、その意義と歴史、構成要素と構成法、運用と管理を押さえたあと、第 2 章「プロセスの管理とスケジューリング」、第 3 章「プロセスの同期と通信」、第 4 章「実記憶の管理」、第 5 章「仮想記憶の管理」、第 6 章「ファイルシステム」、第 7 章「割込みと入出力の制御」、第 8 章「仮想化技術」と進みます。第 2 章はプロセスの状態と遷移、プロセス制御ブロック、スレッドと軽量プロセス、CPU スケジューラーとスケジューリングアルゴリズムを、第 3 章は並行プロセスの同期と相互排除、プロセス間通信、デッドロックを扱います。演習問題は 8 章すべての末尾にあり、巻末に演習問題略解、参考文献、索引が付きます。

実記憶の割付けから、ページングとワーキングセットへ

記憶の管理は 2 つの章に分かれています。第 4 章は記憶階層の説明から、単一連続割付け、固定区画割付け、可変区画割付け、記憶保護へ進み、第 5 章でページングとセグメンテーション、フェッチ、置換え、割付けの各技法、スラッシング、局所性、ワーキングセットモデルを取り上げます。物理メモリを区画に分けて割り付ける方式では、空き領域が細切れになって大きなプログラムを置けなくなる問題が避けられません。仮想記憶はプログラムから見えるアドレスと物理アドレスを切り離してこの制約を外しますが、今度は手元に無いページを補う処理が頻発すると計算機がほとんど進まなくなる現象が問題になります。実記憶の素朴な方式から順に読むことで、仮想記憶の仕組みがどの不便を解消するために生まれたのかを追える並びです。

仮想化技術の章と、アプリケーション開発への効き目

第 8 章は仮想化の基本概念、特権命令、メモリ管理、デバイスの節で構成されています。仮想マシンを動かすには、本来は OS だけが実行できる命令をゲストの OS が実行しようとしたときに、それを捕まえて代わりに処理する仕組みが要るため、前の章までの特権の考え方と記憶管理がそのまま土台になります。OS の知識はアプリケーションを書く側にも効きます。複数の処理の流れが同じデータを同時に書き換えると、実行の順序しだいで結果が変わる レースコンディション が起き、ロックの掛け方を誤れば互いに待ち合って止まります。コンテナ は仮想マシンと違い、ホストのカーネルを共有したまま実行中のプログラムどうしを隔離する方式です。どちらも OS が実行の単位とメモリをどう扱うかを知っていれば、原因や違いを筋道立てて説明できます。

情報工学系の講義と独学に向く理由、向かない目的

版元が想定する読者は情報工学系の学生で、難易度の欄も入門です。特定の OS に依らない共通の部分を扱う本なので、Linux や Windows の具体的な設定やコマンドの使い方を学びたい場合や、カーネルのソースコードを読み進めたい場合は、目次の節題からも分かるとおり主題が違います。低レイヤーの学び方の全体像は OS / 低レイヤー本の選び方 にもまとめています。プロセス、記憶、ファイル、入出力、仮想化という OS の柱を 1 冊で一通り押さえ、演習問題で手応えを確かめながら基礎を固めたい学生や、独学で OS の講義を受け直したいエンジニアにとって、本書は最初に手元に置く教科書として選びやすい一冊です。

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