退屈なことは Python にやらせよう 第 2 版
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ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング
- 著者:
- AI Sweigart / 相川 愛三(アル スウェイガート / アイカワ アイゾウ)
- 出版社:
- オライリー・ジャパン
- 出版日:
- 2023年03月25日
- ISBN:
- 9784873119274
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
和書 5 万部突破のベストセラー書の改訂版!
一歩先行くハイパフォーマンスなビジネスパーソンからの圧倒的な支持を獲得し、自作 RPA 本の草分けとして大ヒットしたベストセラー書の改訂版。劇的な「業務効率化」「コスト削減」「生産性向上」を達成するには、単純な繰り返し作業の自動化は必須です。本書では Word や Excel、PDF 文書の一括処理、Web サイトからのダウンロード、メールや SMS の送受信、画像処理、GUI 操作といった日常業務でよく直面する面倒で退屈な作業を、Python と豊富なモジュールを使って自動化します。今回の改訂では、Gmail や Google スプレッドシートの操作、Python と各種モジュールの最新版への対応、演習等を増補しています。日本語版では、PyInstaller による EXE ファイルの作成方法を巻末付録として収録しました。
技書の森解説
毎日繰り返している Excel の転記やファイルの整理を、プログラミング経験がなくても自分の手で自動化できるようにする。それが『退屈なことは Python にやらせよう 第 2 版』 (Al Sweigart 著、相川愛三 訳、オライリー・ジャパン発行、オーム社発売、2023 年 3 月刊、A5 判) の狙いです。原書は "Automate the Boring Stuff with Python" の第 2 版で、副題「ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング」が示すとおり、想定読者はソフトウェア開発者ではなく、日常業務の手作業を減らしたい人です。版元の紹介文は本書を和書 5 万部突破のベストセラー書の改訂版と位置づけ、「自作 RPA 本の草分け」と表現しています。
全 20 章の構成、Python の基礎から処理の自動化へ
構成は 2 部 / 全 20 章に付録 4 本が続きます。第 I 部「Python プログラミングの基礎」は 1 章から 6 章で、式をインタラクティブシェルに入力するところから始めて、フロー制御、関数、リスト、辞書とデータ構造、文字列の操作までを扱います。第 II 部「処理の自動化」は 7 章から 20 章で、正規表現を使ったパターンマッチ、入力検証、ファイルの読み書き、ファイル管理、デバッグと道具になる知識を固めたうえで、Web スクレイピング、Excel スプレッドシートの操作、Google Sheets の操作、PDF と Word 文書の操作、CSV ファイルと JSON データの操作、17 章「時間管理、タスクのスケジューリング、プログラム起動」、電子メールや SMS の送信、画像の操作、GUI 自動化によるキーボードとマウスの制御へと題材が広がります。目次には requests と bs4 (BeautifulSoup)、selenium、openpyxl、EZSheets、Pillow、pyautogui といったモジュール名が並び、Python 本体ではなく外部モジュールの力を借りる場面が多いため、付録 A でサードパーティーモジュールのインストール、付録 B で Python スクリプトの実行、付録 C で演習問題の解答をまとめています。
各章には「プロジェクト:」と題した節が置かれ、目次で数えると 24 あります。電話番号と電子メールアドレスの抽出、ディレクトリを ZIP ファイルにバックアップする、すべての XKCD コミックをダウンロードする、多数の PDF から指定したページを結合する、会費リマインダーメールを送る、自動フォーム入力など、文法を学ぶための例題ではなく、そのまま使いたくなる作業が題材です。
自作 RPA としての Python、手作業をスクリプトに置き換える意味
業務自動化の道具には、画面操作を記録して再生する RPA 製品や、Excel のマクロ (VBA) もあります。それでも Python でスクリプトを書く価値があるのは、扱う対象がひとつのアプリケーションの枠に閉じないからです。自動化 したい仕事の多くは、Web ページから値を取ってきて Excel に書き、結果を PDF にまとめてメールで送る、というように複数のアプリケーションをまたぎます。Python にはファイル、Web、表計算、文書、メールのそれぞれに外部モジュールがあり、1 本のスクリプトの中でこれらを順に呼び出せます。本書の第 II 部は、ファイルの読み書きと管理、Web スクレイピング、Excel と Google Sheets、PDF と Word、CSV と JSON、電子メールと SMS という順で題材が並び、実務の「取得して、加工して、出力する」流れをそのまま追える構成です。もう一つの難所は、規則性のあるテキストの扱いです。電話番号やメールアドレスのような決まった形の文字列を大量のテキストから抜き出す作業は手作業では見落としが出ますが、正規表現 を覚えると数行で確実に処理できます。本書は第 II 部の冒頭にこの正規表現と入力検証を置き、その後に Web スクレイピング やファイル処理が続く順序です。
第 2 版の増補点と、2026 年 3 月に出た第 3 版との関係
第 2 版は 2023 年 3 月の刊行で、版元の紹介文は改訂点として Gmail や Google スプレッドシートの操作の追加、Python と各種モジュールのバージョン更新への対応、演習の増補を挙げています。日本語版独自の要素として、PyInstaller による EXE ファイルの作成方法を巻末の付録 D に収録している点も紹介文に明記されています。コラム目次には「Python 3.7 の順序付き辞書」があり、エディタは Mu を前提に手順が書かれ、11 章では Mu のデバッガも扱います。なお同じ著者 / 訳者による第 3 版が 2026 年 3 月 26 日発行でオライリー・ジャパンから刊行されており、その紹介文は SQLite データベースの操作、Playwright を用いたブラウザ制御、PyTesseract を活用した画像の OCR などの追加を挙げ、章数も第 2 版の 20 章から増えています。第 2 版と第 3 版のどちらを選ぶかは、これらの追加題材が自分の仕事に必要かどうかで決めるのが合理的です。第 I 部の基礎と、Excel / PDF / Word / メール / GUI 操作という中核の題材は第 2 版で揃っており、ブラウザ制御は第 2 版では Selenium で学びます。
ノンプログラマー向けの前提知識と、向かない読者
前提知識は要りません。1 章はインタラクティブシェルに式を入力するところから始まり、整数 / 浮動小数点数 / 文字列型、変数、最初のプログラムと進むので、他の言語の経験がなくても読めます。一方で、目次にクラス設計、オブジェクト指向、Web アプリケーションのフレームワーク、テストを扱う章はなく、ソフトウェア開発者として設計力や品質管理を学びたい人の期待には応えません。アルゴリズムやデータ構造の理論を体系的に学びたい人、コードを一切書かずに画面操作だけで自動化したい人にも向きません。著者の Al Sweigart は書店掲載の書誌 (出版社提供 / 刊行当時) でソフトウェア開発者兼技術書ライターと紹介され、オープンソースのモジュールを開発し著書も多い人物で、訳者の相川愛三は情報工学専攻の博士課程を修了しています。
毎週同じ Excel を開いて同じ列をコピーしている事務職、Web サイトから定期的に数値を控えている企画担当、大量の PDF から特定のページだけ抜き出す仕事を抱えている人。こうした具体的な作業を 1 つでも持っているなら、第 I 部の基礎を終えた時点で第 II 部の該当する章に直行でき、投じた時間は最初の 1 本のスクリプトで回収しやすい構造です。Python の学習書を比較しながら選びたい人は Python 本の選び方 も参考になります。「退屈なこと」を機械に任せる最初の一歩として、堅実に選べる一冊です。
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