Office Script による Excel on the web 開発入門
オフィススクリプトニヨルエクセルオンザウェブカイハツニュウモン
- 著者:
- 掌田津耶乃(ショウダツヤノ)
- 注目:
- 総合 1832 位
- 出版社:
- ラトルズ
- 出版日:
- 2021年10月25日頃
- ISBN:
- 9784899775225
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
「Excel は Web で使う」時代がやってくる!
現在、あらゆるものはローカル環境 から Web へとシフトしつつあります。そんな中、未だに「アプリケーションをインストールして使う」ソフ トの代表とも言えるのが「Excel」です。 Web 版 Excel に、2021 年 5 月に「Office Script」というマクロ言語が搭載されました。これにより、Excel を自動化することができるようになりました。
本書では Office Script のベースとなっている TypeScript (JavaScript を拡張したものです) の文法から、Excel のセルやグラフ、テーブルなどの操作まで細かく説明をしています。
そのほか、Power Automate という iSaaS (Integration Software As A Service、サービスの統合化) ツールを使い、 外部とやり取りする方法まで触れています。
新しい言語の「Office Script」を誰よりも早く学ぶチャンスです。
技書の森解説
『Office Script による Excel on the web 開発入門』 (掌田津耶乃 著、ラトルズ、2021 年 10 月刊) は、Web 版 Excel に搭載されたマクロ機能 Office Script を、その土台になっている TypeScript の文法から Power Automate との連携まで、具体例で解説した入門書です。版元の紹介文によれば、Web 版 Excel には 2021 年 5 月に「Office Script」というマクロ言語が搭載され、これにより Excel を自動化できるようになりました。本書は同じ年の 10 月に出た解説書で、書店掲載の書誌 (出版社提供) では、Web 版 Excel に搭載されたマクロ機能を豊富な具体例で徹底解説し、最先端の Excel をいちはやくマスターできる本と紹介されています。Microsoft のドキュメントではこの機能を Office スクリプト (Office Scripts) と表記しており、検索するときは両方の表記を知っておくと資料に行き着きやすくなります。
7 項目の目次、TypeScript から Power Automate まで
書店掲載の目次 (出版社提供) は 7 項目で、1 Office Script の基本、2 TypeScript の基本、3 スプレットシートの基本操作、4 数式 / 条件付き書式 / 検証、5 グラフと図形、6 テーブルとピボットテーブル、7 Power Automate との連携という並びです。まず Office Script の位置づけと書き始め方をつかみ、次に言語である TypeScript の基本を押さえ、その後にシートとセルの操作、数式と条件付き書式と検証、グラフと図形、テーブルとピボットテーブルと、Excel の主要な部品を一つずつスクリプトから扱っていき、最後に Power Automate と組み合わせて外部とやり取りする方法へ進みます。版元は、Excel のセルやグラフ、テーブルなどの操作まで細かく説明していると案内しており、Power Automate については iSaaS (Integration Software As A Service、サービスの統合化) ツールという説明を添えています。
VBA との違いから見る Office スクリプトの技術背景
Excel の自動化といえば長らく VBA でしたが、Microsoft Learn の解説 (2026 年 9 月 3 日取得) では、VBA マクロはデスクトップ ソリューション用に開発されたもので、Office スクリプトはクロスプラットフォームのクラウドベースのソリューション用に設計されたものと位置づけられています。Office スクリプトは JavaScript 用のユニバーサル ランタイムで動き、スクリプトはブックをホストしているマシンではなくブックにのみアクセスします。この設計の違いが実務で最も効くのが Power Automate との関係で、VBA には Power Automate コネクタが無いのに対し、Office スクリプトは Power Automate から実行でき、Excel を開かなくてもスケジュールやイベントを起点にブックを更新するワークフローを組めます。言語に TypeScript が採用されている点も、VBA から移る人には大きな変化です。版元が TypeScript を JavaScript を拡張したものと説明しているとおり、JavaScript の文法に型の情報が加わった言語で、型があることでエディター上の補完や誤りの早期発見が効くため、Excel のオブジェクトを操作する API を手探りで覚える段階の負担が軽くなります。本書が 2 番目の項目で TypeScript の基本を独立して扱うのは、この言語の壁を最初に越えさせる構成と読めます。
前提知識とライセンス、2021 年刊として読むときの注意
目次に TypeScript の基本が独立して置かれているので、TypeScript や JavaScript を先に知っている必要はなく、Excel を普段から使っていて定型作業をスクリプトにしたい人が入り口です。著者の掌田津耶乃氏は、書店掲載の著者紹介 (刊行当時) によれば、日本初の Mac 専門月刊誌「Mac+」の頃から主に Mac 系雑誌に寄稿し、ハイパーカードの登場により「ビギナーのためのプログラミング」に開眼、以後 Mac、Windows、Web、Android、iOS とあらゆるプラットフォームのプログラミングビギナーに向けた書籍を執筆し続けてきた書き手です。一方で注意点が二つあります。第一に、Microsoft Learn (2026 年 9 月 3 日取得) では Office スクリプトの使用または作成にエンタープライズライセンスまたは教育機関向けライセンスが必要とされており、個人向けの環境では機能そのものが使えない場合があるため、購入前に自分の Excel でスクリプト機能が開けるかを確かめる必要があります。第二に、本書は 2021 年 10 月刊で、内容は刊行時点の Web 版 Excel と Office Script を前提としています。機能や対応範囲は刊行後も変わり得るので、細部は Microsoft の公式ドキュメントで補いながら読む前提です。また、デスクトップ版 Excel の VBA マクロそのものを学びたい人には、書名どおり本書は対象外です。
この本で元が取れるのは、Web 版 Excel を業務で使っていて、セルやテーブル、グラフ、ピボットテーブルの操作を 自動化 したい人、VBA の経験を持ちながら Web 版へ移行する必要が出た人、そして Power Automate のフローから Excel の中身を細かく操作したい人です。読み終えた時点で、Excel の部品をスクリプトから扱い、それを Power Automate に接続して人が Excel を開かずに回る仕組みの作り方まで、一冊で見通しが立ちます。Excel の関数や VBA の段階から学び直したい人は Excel と VBA の本の選び方 で自分の段階に合う本を先に決めるとよく、すでに Web 版 Excel で日々の作業をしていて次の一歩に自動化を選ぶ人にとって、本書は入口として妥当な一冊です。
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