ソフトウェア見積りのすべて

ソフトウェアミツモリノスベテ

現実に即した規模・品質・工数・工期の予測

ソフトウェア見積りのすべての表紙
プログラミング
著者:
Capers Jones / 富野 壽 / 岩尾 俊二(ジョーンズ ケーパーズ / トミノ ヒサシ / イワオ シュンジ)
出版社:
構造計画研究所
出版日:
2009年07月13日頃
ISBN:
9784320097551
在庫:
在庫あり
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書籍紹介

本書では、複雑で多様な見積りの問題をコスト見積ツールとソフトウェアプロジェクト管理ツールの側面から眺めている。小規模システムでの手法についても論じているが、大規模システムの見積りの問題が主な対象テーマである。
現在、プロジェクト管理機能の中で自動化のサポートがあるのは見積りだけではない。本書では、他の多くのプロジェクト管理ツールとの関係で見積ツールを眺め、さらに追加のツールの必要性について論じている。

ソフトウェアコスト見積ツールは、コスト見積り、品質見積り、スケジュール計画、手法またはプロセス管理、リスク分析、マイルストーン追跡等を含むソフトウェアプロジェクト管理ツールセットの重要な一部となっている。

ソフトウェアコスト見積りは非常に多くの因子の値と何百もの調整要因を含む複雑な課題である。

発行元:(株) 構造計画研究所

発売元: 共立出版 (株)

第 1 部 ソフトウェアコスト見積り序論

第 1 章 はじめに

第 2 章 ソフトウェア見積りの起源

第 3 章 ソフトウェアコスト見積りの 6 つの形式

第 4 章 ソフトウェアコスト見積ツールとプロジェクトの成功と失敗の確率

第 5 章 ソフトウェアコスト見積ツールの誤りの原因

第 2 部 予備的な見積り手法
第 6 章 手作業によるソフトウェア見積手法

第 7 章 アジャイルプロジェクトおよび新しい環境に対する手作業による見積手法

第 8 章 最小限の情報による自動化見積り

第 3 部 ソフトウェア成果物の規模見積り
第 9 章 ソフトウェア成果物の規模予測

第 4 部 コスト見積りの調整要因
第 10 章 報酬および労働パターンによる調整

第 11 章 アクティビティパターンによる調整要因

第 12 章 ソフトウェア技術による調整要因

第 5 部 アクティビティベースのソフトウェアコスト見積り
第 13 章 ソフトウェア要求定義の見積り

第 14 章 ソフトウェアプロトタイピングの見積り

第 15 章 ソフトウェア仕様と設計の見積り

第 16 章 設計インスペクションの見積り

第 17 章 プログラミングまたはコーディングの見積り

第 18 章 コードインスペクションの見積り

第 19 章 ソフトウェア構成管理および変更管理の見積り

第 20 章 ソフトウェアテストの見積り

第 21 章 ユーザ用文書およびプロジェクト文書作成の見積り

第 22 章 ソフトウェアプロジェクト管理の見積り

第 6 部 保守および機能拡張のコスト見積り
第 23 章 保守と機能拡張の見積り

第 24 章 ソフトウェア見積りの研究課題

技書の森解説

ソフトウェアのコストを、手作業の見積手法と見積ツールの両面から扱った翻訳書が『ソフトウェア見積りのすべて 第 2 版』です。著者は Capers Jones、監訳は富野 壽と岩尾 俊二で、構造計画研究所が発行し、共立出版が発売しています。刊行は 2009 年 7 月です。原タイトルは Estimating Software Costs の第 2 版で、副題は「現実に即した規模・品質・工数・工期の予測」です。版元の紹介文は、本書が小規模システムでの手法についても論じつつ、大規模システムの見積りの問題を主な対象テーマにしていると説明しています。

6 部 24 章の構成、見積りの起源から研究課題まで

本書は 6 部 24 章で組まれています。第 1 部「ソフトウェアコスト見積り序論」は第 1 章「はじめに」に始まり、第 2 章「ソフトウェア見積りの起源」、第 3 章「ソフトウェアコスト見積りの 6 つの形式」、第 4 章「ソフトウェアコスト見積ツールとプロジェクトの成功と失敗の確率」、第 5 章「ソフトウェアコスト見積ツールの誤りの原因」と続きます。第 2 部「予備的な見積り手法」の第 6 章から第 8 章は手作業による見積手法、アジャイルプロジェクトおよび新しい環境に対する手作業の見積手法、最小限の情報による自動化見積りを扱い、第 3 部「ソフトウェア成果物の規模見積り」は第 9 章で規模予測を取り上げます。第 4 部「コスト見積りの調整要因」の第 10 章から第 12 章は、報酬と労働パターン、アクティビティパターン、ソフトウェア技術という 3 つの観点で見積りを調整する方法に充てられています。

第 5 部「アクティビティベースのソフトウェアコスト見積り」は第 13 章から第 22 章までで、要求定義、プロトタイピング、仕様と設計、設計インスペクション、プログラミング、コードインスペクション、構成管理と変更管理、テスト、ユーザー用文書とプロジェクト文書の作成、プロジェクト管理と、開発の活動を 1 つずつ見積りの対象にしていきます。第 6 部「保守および機能拡張のコスト見積り」は第 23 章「保守と機能拡張の見積り」と、最後の第 24 章「ソフトウェア見積りの研究課題」で閉じます。

活動ごとに積み上げる見積りが外れにくい理由

見積りが外れる典型は、全体の規模に 1 つの生産性の値を掛けて工数を出し、コーディング以外の作業を数え落とすことです。レビューや検査、文書の作成、構成と変更の管理、そして プロジェクトマネジメント そのものにも工数はかかりますが、規模だけを軸にした計算ではこれらが隠れてしまいます。開発を活動に分け、それぞれの工数を見積もってから合計するやり方は、どの活動に何が効いているのかを後から検証できる点で、経験則の一括見積りより説明しやすい数字になります。さらに同じ規模の開発でも、人件費の水準や労働時間の慣行、使う言語や開発手法によって工数は変わります。版元の紹介文が、ソフトウェアコスト見積りは非常に多くの因子の値と何百もの調整要因を含む複雑な課題だと述べているのは、この調整の層を指しています。規模の測り方にはコードの行数のほか、利用者から見た機能の量から規模を測る方法もあり、本書では第 9 章が規模予測を受け持ちます。

2009 年刊の前提と、見積りの根拠を説明したい読者

本書は 2009 年時点の開発環境と見積ツールを前提にしています。とはいえ第 7 章でアジャイルプロジェクトと新しい環境に対する手作業の見積手法を取り上げており、計画を一度に固める開発だけを想定した本ではありません。要件定義 の段階で規模がまだ定まらないうちに数字を求められる場面では、第 8 章の最小限の情報による見積りから、第 13 章以降の活動ごとの見積りへと段階的に精度を上げる考え方が参考になります。一方、特定の 1 つの手法の手順だけを短く知りたい場合には、手作業の手法と見積ツールの両方を論じ、調整要因や保守の見積りまで扱う本書の範囲は目的に対して広くなります。

見積りの数字を出すだけでなく、その数字がどの活動とどの調整要因から成り立つのかを関係者に説明しなければならない立場の人、見積ツールの導入や社内の見積り基準づくりに関わる人にとって、見積りを構成する要素を部と章で分けて参照できる本書は、手元に置く価値のある一冊です。

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