システムを「外注」するときに読む本

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システムを「外注」するときに読む本の表紙
エンジニアのキャリア / 思考
著者:
細川 義洋(ホソカワ ヨシヒロ)
出版社:
ダイヤモンド社
出版日:
2017年06月16日頃
ISBN:
9784478065792
在庫:
在庫あり
4.09(37 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
IT コンサルティングプロジェクト管理外注開発システム開発失敗防止成功戦略IT トラブル解決予算管理納期管理ユーザー体験設計

なぜ注目されているか

言及数
745位
総合1444位 ↓ 1 ランクダウン 言及 4 件・うち記事 3 件を掲載

書籍紹介

IT コンサル & トラブル解決のプロが教える、成功率を 3 割から 9 割に上げたスキルと知識。納期遅れ・予算オーバー・使い勝手の悪いシステム…膨大な失敗プロジェクトから成功のポイントをあぶり出す 7 つのストーリー。本当に大切な、最低限のこと。

技書の森解説

『システムを「外注」するときに読む本』 (細川義洋 著、ダイヤモンド社、2017 年 6 月刊) は、業務システムの開発を外部のベンダーに委託する発注者の側に向けて、プロジェクトを失敗させないための考え方と進め方をまとめた入門書です。版元は、システムの外注は失敗率が異常に高いプロジェクトだとしたうえで、実際のトラブル事例や裁判例を元に失敗の本質と原因を網羅した 7 つのストーリーから成功法則を導き出した本と紹介しています。openBD と NDL の書誌には、英文の書名 THE ESSENCE OF PROJECT MANAGEMENT FOR IT USER が並記されています。

はじめにと全 7 章の構成、業務フロー図から情報漏えいへ

はじめにの題は「発注者は「お客様」ではなく「プロジェクトメンバー」」で、本書の立場がここに表れています。本文は PART1 から PART7 までの 7 部に 1 章ずつが入る形で、第 1 章「システム作りは業務フロー図から 「本当に役に立つシステム」を作るために、まずやるべきこと」、第 2 章「発注者がこれだけは知っておくべき最低限のこと 自社の業務を「正確に」知っているか?」、第 3 章「失敗しないベンダの選び方 プロジェクト管理能力の見極め方」、第 4 章「社内の協力を得るために みんながシステム担当者に協力するしくみ作り」、第 5 章「リスク管理で大切なこと 「ベンダ側のリスク」の引き出し方」、第 6 章「ベンダーとの適切な役割分担 発注者はどこまで「ワガママ」でいられるのか?」、第 7 章「情報漏えいを起こしてしまったら ダメージを最小限に抑える対応法」と続き、エピローグで閉じます。各章は、その章で学べることの箇条書きと読み方の案内で始まり、章末のまとめで終わります。第 1、2、3、5 章には APPENDIX が付き、要件定義で最低限確認しておくべきチェックリストや、リスク管理表の記載項目例などが収められています。

発注者が要件とリスクを握るべき理由

外注の失敗は、ベンダーの技術力だけで決まるものではありません。どの業務をどう変えたいのかを知っているのは発注者の側だけで、ベンダーはそれを聞き取って形にする立場にあります。要件定義 の段階で業務の流れと目的が言葉になっていなければ、出来上がったシステムが使われない、追加の改修が積み重なって予算と納期が膨らむ、といった失敗につながります。もう 1 つの難所は、計画、進捗、リスクを管理する プロジェクトマネジメント の情報が、発注者からは見えにくいことです。要員の離脱や見積もりの甘さといったベンダー内部の問題は、早く共有されれば手の打ちようがありますが、隠されたまま進むと発覚したときには取り返しがつきません。本書の第 5 章は、ベンダー側が自社のリスクを開示しない理由と、それを発注者から引き出す方法を学べることとして掲げています。

著者の経歴、開発の現場と IT 紛争の調停

版元の著者紹介によれば、著者は NEC ソフト株式会社 (現 NEC ソリューションイノベータ株式会社) で金融機関の勘定系システム開発などに携わった後、日本アイ・ビー・エム株式会社でシステム開発と運用の品質向上を中心にプロセス改善とプロジェクトマネジメントのコンサルティングを担当しました。独立後は IT トラブルが法的紛争となった事件の和解調停や裁判の補助を担い、元 / 東京地方裁判所民事調停委員 / IT 専門委員、東京高等裁判所 IT 専門委員の経歴を持ちます。2016 年からは政府 CIO 補佐官に就いたと記されています。開発する側と、もめた後の後始末をする側の両方の経歴を持つ著者です。

初めてシステム担当者になった人に向く理由

主な読者は、発注者側でシステムの導入を任された担当者です。業務部門から担当に指名された人や、少人数の情報システム部門で外注先とのやり取りを一手に引き受けている人が、何から手を付け、ベンダーとどう向き合えばよいかを順に確かめられます。第 4 章は社内の協力を得るしくみ、第 6 章はベンダーとの役割分担を扱うため、社内と社外の両方の調整に悩んでいる人にも合います。反対に、契約書の条項や法務の詳しい解説、開発手法や技術の選定を学びたい人には、本書の目次はその用途に沿っていません。第 7 章が扱う補償額や見舞金の相場は刊行時点の内容です。本書は、外注の失敗を自分の会社で繰り返したくない担当者に向けて、要件の決め方からトラブルへの備えまでを発注者の目線で一冊にまとめた入門書です。

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