突き抜けるまで問い続けろ(ツキヌケルマデトイツヅケロ)
巨大スタートアップ「ビジョナル」挫折と奮闘、成長の軌跡
エンジニアのキャリア・思考- 著者:
- 蛯谷 敏(エビタニサトシ)
- 出版社:
- ダイヤモンド社
- 出版日:
- 2021年07月01日頃
- ISBN:
- 9784478113073
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
4000 億円の転職市場を変えた「ビズリーチ」、急成長を支えた「問い」の立て方が身につく
技書の森解説
技術書の棚に並ぶ本ではありませんが、 IT 業界で働く人が読むビジネスノンフィクションとして取り上げる価値のある一冊です。『突き抜けるまで問い続けろ』は蛯谷敏氏の著によりダイヤモンド社から 2021 年 6 月に刊行されました。副題は「巨大スタートアップ『ビジョナル』挫折と奮闘、成長の軌跡」。転職サイト「ビズリーチ」を擁するビジョナルの創業からの歩みを、成功の結果からではなく、つまずきを含む過程の側から描きます。
「問いの立て方」という切り口
版元の惹句は本書の狙いを「 4000 億円の転職市場を変えた『ビズリーチ』、急成長を支えた『問い』の立て方が身につく」と要約しています。書名の「問い続けろ」が示すとおり、読みどころは意思決定の答えではなく、その手前にある問いです。巨大な既存産業を前に何を疑い、どう問いを立て直したのか。この切り口で読むと、読者は他社の成功譚を暗記するのではなく、自分の事業や担当プロダクトに引きつけて「うちの場合は何を問うべきか」を考えながら読み進めることになります。ノンフィクションが事例集より深く残るのは、この追体験の質によるものです。
エンジニアが読む意味
技術的な学びを期待する本ではない点は先に押さえておきましょう。得られるのは、事業サイドが何に賭けてどう意思決定するかという解像度です。自社サービスの機能要望の裏にある事業判断を理解したいエンジニア、プロダクトマネージャーへの越境を考えている人、受託や社内開発から事業会社・スタートアップへの転職を検討している人にとって、日本のスタートアップの実像を内側の視点で知る手がかりになります。キャリアの選択に読書がどう効くかは 技術書とキャリアの関係 でも扱っているとおりで、この種の 1 冊は、転職の面接で語る「なぜこの会社か」の解像度を変えてくれるはずです。
事業づくりに関心のある読者と読み方
前提知識は要りません。物語として書かれた読み物なので、通勤の細切れ時間 でも読み進めやすい性格です。刊行は 2021 年 6 月で、描かれるのはそれ以前のビジョナルの歩みです。同社のその後の動向を扱う本ではないことは踏まえておいてください。フレームワークの解説書を期待する人には合いませんが、事業を作る側の思考の実況を一度浴びておきたいエンジニアにとって、技術書の合間に挟む一冊として費用対効果の高い読み物です。
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