失敗を語ろう。

シッパイヲカタロウ

「わからないことだらけ」を突き進んだ僕らが学んだこと

失敗を語ろう。の表紙
その他
著者:
辻 庸介(ツジヨウスケ)
出版社:
日経 BP
出版日:
2021年06月25日頃
ISBN:
9784296000173
在庫:
在庫あり
3.9(21 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
起業失敗体験リーダーシップチームビルディングプロダクト開発ユーザー体験ビジネストラブルストレス管理自己改善起業家精神

なぜ注目されているか

総合998位 ↑ 1 ランクアップ

書籍紹介

「弱くたっていい、間違ってもいい」
誰も使ってくれないプロダクト、接続先からアクセス拒否、

訴訟、サービス全停止の危機、仲間の反発、

ユーザーからの大反発、事業撤退。

胃がキリキリする“黒歴史"が、起業家をタフに変え、
強いチームと成功を生みだした。

はじめに

「失敗」を語ろう。

BAN、訴訟、サービス断念……

Chapter 1
違和感、怒り、焦り、そして起業へ

起業の動機は「強烈な憤り」だった

筋力を鍛えたマネックス出向、「英語ができない」留学時代

もう一度、明るい日本を取り戻したい

スーパーマンじゃなくても起業家になれる

西海岸からのメール

Chapter 2
プロダクト第 1 号は「望まれないサービス」

新規事業提案からのスタート

週末起業で本気の仲間が集まった

高田馬場のワンルームマンションで起業

起業の思いを賭けたプロダクトで大失敗

どうしたら使ってもらえるのか

アカウントアグリゲーションを自前で

自分たちにしかつくれない価値を

Chapter 3
ユーザーはどこにいる!?

そのバケツに底はあるか

会えなくてもユーザーは見える

行動にこそ本音が宿る

気づけばリモコン状態に

プロダクト開発の両輪ーープロダクトマーケットフィットとマネタイズ

熱い思いと、やめる勇気と

Chapter 4
お金が集まらない!

幻に終わった「広告モデル」

会社は「つぶさない限り、つぶれない」

「100 万人集めてから来てください」

「キレたら負け」を胸に

Chapter 5
BAN! BAN! BAN!

代表電話に苦情の連続

「みんなが便利になる」サービスで直面したまさかの逆風

将来の不安を解消したい

「拒否する側」にも理由がある

ユーザーが一番の味方に

どこよりも速く!!

自分たちの描く未来を、みんなで描く未来へ

いつしか選ばれる立場へ

Chapter 6
成長痛と別れ、そして、より強いチームへ

サーバー移行か!? 全社がひりついた 3 日間

急成長に伴うひずみや軋轢

別れは突然に

問題社員の乱

送り付けられた訴状……マネーフォワード、訴えられる!?

Chapter 7
リーダーとしての弱さと克服

全社員が白けた MVVC 発表

そしてカルチャーを生む基盤が生まれた

傷ついた者だけが得られるもの

他力を集めて最強になる

誰と仲間になるか

経営にもエモーショナルを

明け方のコンビニで泣いていた

「嫌われたくない社長」でいい

奪わないイノベーションを目指して

僕が今でも営業に行く理由

仮想通貨事業の事実上の撤退

失敗を乗り越えて、さらに前へ

おわりに
謝辞

巻末付録 今日より前に進むためのブックリスト

巻末資料 本書に登場する主な人物

巻末資料 マネーフォワードの歩み

技書の森解説

『失敗を語ろう。「わからないことだらけ」を突き進んだ僕らが学んだこと』 (辻 庸介 著、日経 BP、2021 年 6 月刊) は、2012 年に株式会社マネーフォワードを設立した著者が、起業から事業の拡大までにぶつかった失敗を当事者として語った本です。版元の紹介文は「弱くたっていい、間違ってもいい」という言葉に続けて、誰も使ってくれないプロダクト、接続先からのアクセス拒否、訴訟、サービス全停止の危機、仲間の反発、ユーザーからの大反発、事業撤退といった出来事を並べ、こうした経験が起業家をタフに変え、強いチームと成功を生みだしたと説明しています。刊行時の著者プロフィールでは、ソニーへの入社、マネックス証券への参画、2011 年のペンシルバニア大学ウォートン校 MBA 修了を経て会社を設立し、2017 年 9 月に東京証券取引所マザーズ市場へ上場したと紹介されています。

全 7 章の構成、起業の動機からリーダーとしての弱さまで

目次は、はじめにのあとに Chapter 1 から Chapter 7 までが続きます。Chapter 1「違和感、怒り、焦り、そして起業へ」は起業の動機とマネックス出向や留学の時代、Chapter 2「プロダクト第 1 号は「望まれないサービス」」は週末起業から始まった最初のプロダクトの失敗と、「アカウントアグリゲーションを自前で」という節を含みます。Chapter 3「ユーザーはどこにいる!?」はユーザーの行動の読み取り方と、プロダクトマーケットフィットとマネタイズを並べて扱う節を含み、Chapter 4「お金が集まらない!」は資金集めの苦労です。Chapter 5「BAN! BAN! BAN!」は苦情の連続や拒否する側の理由に目を向ける節を含み、Chapter 6「成長痛と別れ、そして、より強いチームへ」はサーバー移行をめぐって全社が緊張した 3 日間や組織のひずみ、訴状を受け取った出来事を扱います。Chapter 7「リーダーとしての弱さと克服」には MVVC の発表や仮想通貨事業の事実上の撤退といった節が並びます。巻末には、今日より前に進むためのブックリスト、本書に登場する主な人物、マネーフォワードの歩みの 3 本の付録と資料が付いています。

金融データをつなぐサービスが接続先に左右される理由

家計簿や会計のサービスが複数の銀行やカード会社の明細を 1 か所に集める仕組みは、アカウントアグリゲーションと呼ばれます。一般にその接続には 2 つの方式があります。1 つは、利用者から預かったログイン情報でサービスが代わりに金融機関のサイトへ入り、画面から明細を読み取る方式 です。もう 1 つは、金融機関が用意した API を通じて、利用者が許可した範囲のデータだけを受け取る方式です。前者は接続先の画面が変わるだけで読み取りが止まり、接続先が機械的なアクセスを拒めばサービスそのものが使えなくなります。接続先から見れば、第三者が顧客の認証情報を預かって自動でログインしてくる状態は、安全面の不安を抱える相手でもあります。紹介文が挙げる接続先からのアクセス拒否や、Chapter 5 の節題「「拒否する側」にも理由がある」は、こうした構造の中で起きた出来事として読むと背景がつかみやすくなります。また、Chapter 3 が扱うプロダクトマーケットフィットは、作った製品が市場の需要にかみ合い、使い続けてもらえる状態を指す言葉で、一般に収益化と並べて論じられるのは、利用者が定着しないまま課金を急いでも事業が育たないためです。

起業やプロダクト開発の当事者に向く理由と、向かない目的

向いているのは、これから起業を考えている人、スタートアップで事業やプロダクトの立ち上げに関わる人、金融や会計のデータを扱うサービスがどのような壁にぶつかるのかを知りたいエンジニアです。目次は出来事と学びを語る節題で組まれているため、失敗の場面ごとに著者がどう判断したのかを追う読み方に合います。一方、会社設立の手続きや資本政策の実務を項目ごとに学びたい場合や、プログラミングの手順を求める場合には目的が合いません。hanmoto の C コードでの分類は経営で、技術の解説書ではなく経営者の実録として読む本です。

成功した後の姿だけでは見えない、うまくいかなかった局面の判断を知りたい人にとって、本書は具体的な出来事に沿ってそれをたどれる一冊です。自分の事業やプロダクトで行き詰まりを感じているなら、該当しそうな章から読み始めても、巻末のブックリストまで含めて次の一手を考える材料が得られます。

この本に興味がある方におすすめ

関連する本

関連記事

関連用語

共有: