図解 Z80 マイコン応用システム入門 (ハード編)

ズカイゼットハチマル マイコンオウヨウシステムニュウモン ハードヘン

図解 Z80 マイコン応用システム入門 (ハード編) の表紙
ハードウェア
著者:
柏谷 英一 / 佐野 羊介 / 中村 陽一 / 若島 正敏(カシワヤ ヒデカズ / サノ ヨウスケ / ナカムラ ヨウイチ / ワカシマ マサトシ)
出版社:
東京電機大学出版局
出版日:
2000年05月20日頃
ISBN:
9784501531300
在庫:
在庫あり
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書籍紹介

コンピュータに関わる技術の発展には目を見張るものがあり, 学生が学ぶ技術と実際の現場の技術のギャップは, どんどん拡がっていくばかりである。本書の内容も, それに合わせて見直しをすすめ, SCSI などの紹介の充実を図った。また, 学習者が興味を持つように, 簡単な相撲ロボットの製作方法を解説した。
第 1 章 Z80MPU

1.1 Z80 の概要

1.2 Z80 の動作タイミング

1.3 アクセスタイムの計算

第 2 章 MPU 周辺回路の設計

2.1 クロック発信回路

2.2 クロック入力回路

2.3 リセット回路

2.4 Z80 の入出力信号線の設計

2.5 アドレスバスの設計

2.6 データバスの設計

第 3 章 メモリ

3.1 メモリの機能と構成

3.2 メモリの性能

3.3 IC メモリ

3.4 SRAM

3.5 EPROM

3.6 SRAM/EPROM の Z80 との接続

3.7 CMOS メモリのバッテリバックアップ

3.8 DRAM

第 4 章 I/O インタフェース

4.1 メモリマップド I/O 法とアイソレーテッド I/O 法

4.2 入出力タイミング

4.3 入力インタフェース

4.4 出力インタフェース

第 5 章 パラレルデータ転送

5.1 ハンドシェイクによるデータ転送

5.2 8255 (PPI)

5.3 セントロニクスインタフェース

5.4 A/D 変換

5.5 GPIB インタフェース

5.6 SCSI インタフェース

第 6 章 シリアルデータ転送

6.1 シリアルデータ転送の概要

6.2 8251 (USART)

6.3 8251 のプログラミング

6.4 8251 非同期送受信プログラム

6.5 RS232C インタフェース

6.6 X パラメータと S パラメータ

第 7 章 割込み

7.1 割込み処理の動作

7.2 Z80MPU の割込み

7.3 割込みの実例

7.4 多重割込み

7.5 DMA データ転送

7.6 Z80DMA

第 8 章 マイコン応用システム

8.1 設計開発から製作までの全体の流れ

8.2 ワンボードマイコン

8.3 実機にマイコンを組み込む

第 9 章 システム開発

9.1 製品仕様の決定

9.2 システム設計

9.3 ハードウェア開発

9.4 ノイズ対策

9.5 製作・調整・検査

9.6 デバッグツール

9.7 インサーキットエミュレータ (ICE)

索引

付録

技書の森解説

8 ビットのマイクロプロセッサー Z80 を題材に、CPU のまわりの回路をどう設計し、どうつないでマイコン応用システムに仕上げるかを図解で学ぶ教科書です。『図解 Z80 マイコン応用システム入門 ハード編』 (柏谷英一、佐野羊介、中村陽一、若島正敏 著、東京電機大学出版局) は 2000 年 5 月刊の第 2 版で、書名のとおりハードウェアを扱う巻です。平成 12 年 4 月付の前書きは、8 ビット MPU が安価で入手しやすく、ソフトとハードを手軽に組めることからホビーや生産現場で広く使われていると述べており、Z80 は刊行時点で現役の部品として扱われています。

全 9 章の構成、Z80MPU の動作からシステム開発まで

第 1 章「Z80MPU」は Z80 の概要と動作タイミング、アクセスタイムの計算から始まります。第 2 章「MPU 周辺回路の設計」でクロックの発信回路と入力回路、リセット回路、入出力信号線、アドレスバスとデータバスを設計し、第 3 章「メモリ」で SRAM、EPROM、DRAM と、それらを Z80 につなぐ方法、CMOS メモリのバッテリバックアップを扱います。第 4 章「I/O インタフェース」から第 6 章「シリアルデータ転送」までは外部とのやり取りで、ハンドシェイクによる転送、8255 (PPI)、セントロニクス、A/D 変換、GPIB、SCSI、8251 (USART) とそのプログラム、RS232C が並びます。第 7 章「割込み」は Z80 の割込みと多重割込みに加えて DMA データ転送と Z80DMA を取り上げ、第 8 章「マイコン応用システム」でワンボードマイコンと実機への組み込みへ進みます。最後の第 9 章「システム開発」は製品仕様の決定からシステム設計、ハードウェア開発、ノイズ対策、製作と検査、デバッグツール、インサーキットエミュレータ (ICE) までを扱い、索引と付録が続きます。

バスとメモリと I/O を自分で設計するという学び方

CPU は単体では動きません。クロックを与え、リセットをかけ、命令とデータを置くメモリと外部の装置をバスでつないで、はじめてシステムになります。このとき、メモリが応答するまでの時間が CPU の読み書きのタイミングに間に合うか、複数の装置のうちどれを選ぶかをアドレスでどう決めるかといった問題を、設計者が自分で解くことになります。第 4 章の最初の節が取り上げるメモリマップド I/O 法とアイソレーテッド I/O 法は、装置をメモリと同じアドレス空間に置くか、入出力専用の空間に分けるかという選択です。割込みや DMA も、CPU が装置の状態を見張り続ける手間を減らすための仕組みとして、この延長に位置づけられます。8 ビットの MPU は信号線の数が少なく、こうした接続の一つひとつを紙の上で追いやすい題材です。

第 2 版で充実した SCSI と相撲ロボットの製作

前書きによれば、改訂ではカスタム LSI を採用しない方針を取り、以前は詳しく紹介できなかった SCSI などの内容を充実させました。版元の紹介文も SCSI などの紹介の充実を挙げています。もう 1 つの加筆が、ハード編の応用の中に入った簡単な相撲ロボットの製作方法です。前書きは、初学者がまず簡単な対戦式のロボットを作り、ゲームをしながらソフトとハードの両面で性能を上げていくと実力が付きやすいという教育現場の経験を、その理由に挙げています。

8 ビットマイコンのハードを基本から学びたい初学者へ

前書きが本書の読者として思い描くのは、マイコン制御の楽しさを知ってほしい初学者です。内容は 2000 年の刊行時点の部品と規格を前提にしており、SCSI や GPIB、セントロニクスといったインタフェースも当時の技術として読む必要があります。そのうえで、CPU とメモリと周辺装置がバスと信号のタイミングでどう結び付き、割込みや DMA がなぜ必要になるのかを、1 つの MPU で最初から最後まで追える構成は、マイコンのハードウェアを原理から理解したい学生や、古い 8 ビット機の回路を読み解きたい人にとって手堅い教材になります。反対に、マイコンのプログラムの書き方を主に学びたい人には、回路の設計を軸にした本書は遠回りになります。

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