自作 PC クラスタ超入門

ジサクピーシークラスタチョウニュウモン

ゼロからはじめる並列計算環境の構築と運用

自作 PC クラスタ超入門の表紙
インターネット / WEB デザイン
著者:
前園 涼(マエゾノ リョウ)
出版社:
森北出版
出版日:
2017年12月14日頃
ISBN:
9784627818217
在庫:
在庫あり
3(1 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
サーバー管理インターネット・WEB デザイン並列計算PC クラスターLinux 環境設定自作 PCサーバー構築コンピュータアーキテクチャ科学計算シミュレーション低予算プロジェクト環境構築

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書籍紹介

〜その計算、自作クラスタで回してみませんか?〜

並列計算環境を「安く」「手早く」「自分で」作るための、明るく楽しい指南書です。

◆単体 PC より速い! スパコンより便利!
「単体 PC では厳しいけど、かといってスパコンを申請利用するのは面倒だし待ち時間も多い……」。科学計算や産業用シミュレーションを行う現場からは、そんな悩みが聞こえてきます。近年は並列化バージョンが標準搭載されているシミュレーションソフトも多く、「自由に使える並列計算機が身近にあれば……」という状況も少なくありません。

そんなときに検討すべきなのが、並列計算用 PC クラスタの「自作」です。やり方さえ知っていれば、使い勝手のよいクラスタ機は「誰でも」「低予算で」作ることができるのです。

本書では、ノードとなる PC を組み立て、Linux 環境でセットアップし、並列計算をノード内・ノード間で回すまでの手順を丁寧に解説。セットアップに必要なファイルをサポートページで適宜配布し、並列計算の環境構築の「最短ルート」を示します。

◆PC 自作の経験がなくても大丈夫!
著者自身、もともと 20 代半ばまでブラインドタッチもできない「コンピュータ嫌いの理学系研究者」でしたが、心機一転、サーバ構築・管理法を自力で体得。今では大学生や高校生を相手に PC クラスタ構築を指導し、自作できる人材の育成に力を入れています。そこで蓄積された教授法をもとに、本書でも「筋金入りの初学者目線」で紐解きます。

〜本書の内容の一部〜
ー 大型共用マシン (スパコン) よりも、自作サーバが推奨される場面とは?

ー どんなパーツを買い、どう組み立てる?

ー 並列クラスタ構築・運用に最低限必要な Linux コマンドは?

ー モンテカルロ計算 (コードはサポートページで配布) を回して、並列化の効果を確認しよう!

ー クラスタ機として使うための、ファイルサーバの構築法は?

ー 自作クラスタの効率的管理のコツとは?

1 章 自作を選ぶ理由

2 章 まずは単体ノードを作ってみよう

3 章 ノード内並列をやってみよう

4 章 ノード間並列をやってみよう

5 章 並列クラスタ機として構成してみよう

6 章 さらに効率的な運用を目指して

7 章 サーバに「クモの巣を張らせない」ために

付録 本書題材「CASINO」と他の実用アプリとの類似/相違点

技書の森解説

科学計算やシミュレーションを回すのに単体の PC では足りず、かといってスーパーコンピューターの利用申請や実行の順番待ちは避けたい。そうした場面で、並列計算用の PC クラスターを自分で組むための手順をまとめたのが、前園 涼 著『自作 PC クラスタ超入門』 (森北出版、2017 年 12 月刊) です。副題は「ゼロからはじめる並列計算環境の構築と運用」で、版元は並列計算環境を「安く」「手早く」「自分で」作るための指南書と紹介しています。ノードとなる PC を組み立て、Linux 環境でセットアップし、並列計算をノード内とノード間で回すまでを順に追う構成で、セットアップに必要なファイルはサポートページで配布されます。

全 7 章と付録、単体ノードからクラスター機の運用まで

目次は 7 章と付録です。第 1 章「自作を選ぶ理由」から始まり、第 2 章「まずは単体ノードを作ってみよう」、第 3 章「ノード内並列をやってみよう」、第 4 章「ノード間並列をやってみよう」と、1 台の組み立てから並列の範囲を段階的に広げていきます。続く第 5 章「並列クラスタ機として構成してみよう」と第 6 章「さらに効率的な運用を目指して」でクラスター機としての構成と運用へ進み、第 7 章は「サーバーに「クモの巣を張らせない」ために」と題されています。付録は「本書題材「CASINO」と他の実用アプリとの類似/相違点」です。版元が挙げる内容の一部には、大型の共用マシンよりも自作サーバーが推奨される場面、どんなパーツを買いどう組み立てるか、並列クラスターの構築と運用に最低限必要な Linux コマンド、サポートページで配布されるモンテカルロ計算のコードを回して並列化の効果を確かめる演習、クラスター機として使うためのファイルサーバーの構築法、自作クラスターを効率よく管理するコツが並びます。

ノード内並列とノード間並列、2 つの層を分けて理解する

並列計算には大きく 2 つの層があります。1 台の CPU が持つ複数のコアに仕事を分けるノード内の並列と、ネットワークでつないだ複数の PC に仕事を分けるノード間の並列です。ノード内ではメモリを共有でき、台数を増やして計算力を伸ばすにはノード間の並列が要ります。ノード同士がネットワーク越しにデータを受け渡す分だけ、通信の遅れや待ち合わせが性能を左右し、どのノードからも同じプログラムと入出力のファイルを参照できる共有の置き場も要ります。本書の章立ても、ノード内並列とノード間並列を別々の章に分け、そのあとでクラスター機としての構成に進む順になっています。題材のモンテカルロ計算は、乱数を使った独立な試行を大量に繰り返して結果を集計する手法です。試行どうしのやり取りがほとんど要らない計算で、版元はこのコードを回して並列化の効果を確かめる演習を内容の一部に挙げています。

初学者の目線で書かれた、研究や開発の現場向けの手引き

刊行時の版元の紹介によると、著者はもともと 20 代半ばまでブラインドタッチもできない「コンピュータ嫌いの理学系研究者」で、サーバーの構築と管理の方法を自力で身につけ、大学生や高校生を相手に PC クラスターの構築を指導してきました。本書もその教授法をもとに「筋金入りの初学者目線」で書かれており、版元は PC 自作の経験がなくても大丈夫と案内しています。刊行時の著者の肩書は北陸先端科学技術大学院大学教授です。想定されているのは、科学計算や産業用シミュレーションの現場で、単体の PC では計算が追いつかず、共用の大型計算機は申請や待ち時間が負担になっている人です。

一方で、目次はクラスターの自作と運用に絞られているため、計算センター規模の設備設計や、クラウドの計算資源を借りて並列計算を回す方法を比べたい人には主題が異なります。パーツ選びも 2017 年時点の製品を前提にしているので、具体的な型番は買う時点の製品に読み替える必要があります。Linux のコマンド操作そのものを基礎から固める入門書は、Linux の技術書の選び方 で扱っています。

研究室や開発の現場で計算の順番待ちに悩み、手元に自由に使える並列計算機を持ちたい人は、本書で組み立てから並列化の効果の確認、ファイルサーバーと運用の工夫までを 1 冊で通して追えます。

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