世界の AI 戦略
セカイノエーアイセンリャク
各国が描く未来創造のビジョン
- 著者:
- マルチメディア振興センター(マルチメディアシンコウセンター)
- 注目:
- 総合 2452 位
- 出版社:
- 明石書店
- 出版日:
- 2020年03月20日頃
- 一覧:
- 2020 年に出た技術書
- ISBN:
- 9784750350004
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
第 4 次産業革命が本格化するなか、米国や中国をはじめ各国はこの数年、相次いで国家的な AI 戦略を策定している。AI の研究開発から産業化や応用の促進、教育、法制度や社会システムの整備まで、各国の多面的な戦略の全体像を把握し、その特徴を分析する。
技書の森解説
『世界の AI 戦略』 (マルチメディア振興センター 編、明石書店、2020 年 3 月刊) は、米国、中国、英国、ドイツ、フランスの国家 AI 戦略に加えて、欧州連合と経済協力開発機構 (OECD) の AI 政策を取り上げる本です。版元ドットコムの書誌では、書名に「各国が描く未来創造のビジョン」が添えられています。版元ドットコムの紹介文には、AI の研究開発から産業化や応用の促進、教育、法制度や社会システムの整備まで、各国の多面的な戦略の全体像を把握してその特徴を分析するとあります。編者は一般財団法人で、巻頭言では、海外事務所のネットワークを使ったリサーチ活動の成果を書籍化したものと説明しています。
全 10 章の構成、比較の枠組みから日本への示唆まで
第 1 章は序章で、本書が「国家 AI 戦略」と呼ぶ範囲を定め、非営利機関などがまとめた国際比較の報告書 4 本を読み比べたうえで、国際比較の四つの観点と本書の構成を示します。第 2 章から第 6 章が米国、中国、英国、ドイツ、フランスの各国編、第 7 章が欧州連合、第 8 章が経済協力開発機構、第 9 章がインド、カナダ、フィンランドの 3 か国です。第 10 章の終章は主要国の特徴を四つの面から整理し直し、EU の域内連携と OECD の AI 原則、AI チップ開発をめぐる競争と AI エコシステム、日本の成長戦略と「AI 戦略 2019」を扱ったあと、各国の国家 AI 戦略の特徴と日本への示唆で締めくくります。巻末には執筆者と略歴が付きます。
巻頭言にある国家 AI 戦略の策定の時期
巻頭言は、国家 AI 戦略の策定は 2010 年代中盤から本格化した動向だと述べています。人工知能 は、学習や推論などの人の知的な働きを計算機で行う技術です。機械学習 はデータから判断の規則を作る手法で、深層学習 は多層のニューラルネットワークを使う機械学習の手法です。
米国と中国の章が追う戦略文書
第 2 章の米国は、オバマ政権期の「人工知能の未来に備えて」「国家人工知能研究開発戦略計画」「人工知能・自動化と経済」から始め、トランプ政権の「AI における米国のリーダーシップの維持に関する大統領令」へと戦略がどう継承され、変化したかを追います。トランプ政権期の個別領域として、研究開発、自動運転、労働力 / 教育、安全保障、標準化 / 電子政府、国際連携の 6 領域が並びます。第 3 章の中国は、次世代 AI 発展計画を軸に、国家レベルの推進体制と地方政府の AI 戦略、研究開発支援、産業支援、人材育成などの支援を取り上げ、AI 関連の倫理や法令の整備の動きと、国家次世代 AI イノベーション発展試験区の設立にも節を設けています。
欧州の 3 か国では、第 4 章の英国がブレグジットの動向を背景に置いたうえで「産業戦略」と AI 分野のセクターディール、コンピューティング教育の推進を含む AI 人材育成を扱い、第 5 章のドイツはデジタル戦略を AI 社会の基盤と位置づけて「AI made in Germany」へ向けた戦略と、データ保護、労働、倫理に関する施策を取り上げます。第 6 章のフランスはデジタル共和国法、ビラニ報告書、PACTE 法の発効、フレンチテックまでを追います。第 7 章の欧州連合は AI 戦略「欧州のための AI」、Horizon 2020 のプロジェクト、倫理 / 法律面の課題への取り組み、日本との関係を、第 8 章は「OECD AI 原則」の概要と特徴、AI に関する経済的展望、デジタルトランスフォーメーションの状況を扱います。第 9 章はインドの「人工知能国家戦略 #AIFORALL」、カナダの「汎カナダ人工知能戦略」とスーパークラスター化、フィンランドの「Elements of AI」と AI 人材育成の展開を並べています。
目次の項目と、扱う戦略の時期
目次は政策と制度の項目で占められており、アルゴリズムの仕組みやプログラムの書き方を扱う章はありません。扱う戦略は 2020 年 3 月の刊行までに出されたもので、米国はトランプ政権期までが対象です。本書は、2010 年代中盤から本格化した各国と国際機関の AI 戦略を、序章と終章を含む全 10 章に収めています。
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