プラットフォームエンジニアリング

プラットフォームエンジニアリング

成功するプラットフォームとチームを作るガイドライン

プラットフォームエンジニアリングの表紙
その他
著者:
Camille Fournier / Ian Nowland / 松浦 隼人(カミール フルニエ / イアン ナウランド / マツウラ ハヤト)
価格:
¥4,400
出版社:
オライリー・ジャパン
出版日:
2025年11月29日頃
ISBN:
9784814401413
在庫:
1
判型:
単行本

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書籍紹介

プラットフォームエンジニアリングの概要から実践方法までを解説!
プラットフォームエンジニアリングとは、エンジニアリングチームが自社の技術基盤 (プラットフォーム) を設計、構築、運用、管理するためのプロセスや手法です。開発チームがより効率的に仕事を進められるよう、開発ツールやインフラを最適化し、運用コストを削減し、開発速度を上げることを目指します。本書はスタートアップから大規模な企業まで、さまざまな規模の組織におけるプラットフォームエンジニアリングの実践方法を説明します。

技書の森解説

『プラットフォームエンジニアリング』 (Camille Fournier、Ian Nowland 著、松浦 隼人 訳、オライリー・ジャパン、2025 年 11 月刊) は、開発者がソフトウェアを効率よく作って運用するための共通基盤を、社内向けのプロダクトとして設計し、育て、運営していくための考え方を解説した書籍です。副題は成功するプラットフォームとチームを作るガイドライン、原書は Platform Engineering です。版元の紹介文では、スタートアップから大規模な企業まで、さまざまな規模の組織での実践方法を扱い、すでにプラットフォームを運用している人だけでなく、これから作る人や「まだ早い」と考えている人にも役立つと説明されています。

全 3 部 14 章の構成、定義から実践と成功指標まで

第 I 部はプラットフォームエンジニアリングとは何かを扱い、1 章でこの取り組みが重要になりつつある理由を、2 章でその柱となる考え方 (厳選したプロダクトアプローチ、ソフトウェアによる抽象化、幅広いアプリケーション開発者の支援、基盤としての運用) を説明します。第 II 部は実践編で、3 章のどのように、いつ始めるかに続き、4 章のプラットフォームチームづくり、5 章のプロダクトとしてのプラットフォーム、6 章の運用、7 章の計画とデリバリ、8 章のリアーキテクチャ、9 章のマイグレーションと廃止、10 章のステークホルダとの関係管理と、組織の中で基盤を回していく論点が並びます。第 III 部は成功指標の部で、11 章から 14 章までがそれぞれ、プラットフォームに整合性があること、信頼されていること、複雑性を管理していること、愛されていることを扱い、結びと訳者あとがきで締めくくられます。章の合間には、社内開発者ポータルは必須か、生成 AI はプラットフォームエンジニアリングにとってどんな意味を持つのか、採用率のメトリクスによる見せかけの成功といったコラムも挟まれています。

過度な一般化の泥沼と、基盤をプロダクトとして扱う意味

1 章の節題にある「過度な一般化の泥沼」は、この分野が生まれた背景をよく表しています。クラウドのサービスや OSS の選択肢が爆発的に増え、運用に求められる水準も上がった結果、アプリケーションのチームごとに似たような組み合わせと接着のコードを抱え込み、移行や保守の負担が組織中に散らばってしまう状態です。共通基盤を用意すればこの負担を一か所に集められますが、使う側の事情を無視した基盤は迂回され、結局は各チームが独自の仕組みを作り直すことになりがちです。そこで本書は、社内の開発者を顧客とみなし、ロードマップや市場調査、プロダクトメトリクスといったプロダクトマネジメントの道具立てで基盤を運営する立場を取ります。チームトポロジー が示すプラットフォームチームの考え方を、実際の組織でどう立ち上げて維持するかに踏み込んだ内容と位置づけると、読む目的がはっきりします。

プラットフォームチームの運営に必要な前提と、向かない読み方

想定される読み手は、プラットフォームチームやインフラ組織を率いるエンジニアリングマネージャー、テックリード、プロダクトマネージャー、そしてその基盤を使う立場から改善を働きかけたい開発者です。クラウドの基本的なサービス、CI/CD、オンコールを伴う運用を一通り経験していると、6 章のオンコールとサポートの段階づけや、5 章で挙げられるマイグレーションコストの過小評価といった失敗の型が、自分の職場の出来事として読めます。一方で、目次の中心は組織、プロダクト、運用の進め方であり、特定の製品やツールで基盤を構築する手順を追う章立てではありません。CI/CD やインフラ自動化の具体的な技術から固めたい場合は、DevOps の技術書の選び方 を参考に実装寄りの一冊を先に選ぶほうが目的に合います。

共通基盤を作ったのに使われない、移行の呼びかけが進まない、基盤チームが問い合わせ対応に追われて改善に手が回らないといった悩みを抱えている人にとって、本書は原因を構造として捉え直すための視点と、手を付ける順序の目安を与えてくれます。チームの立ち上げ方から廃止の進め方、成功をどう測るかまでを一冊で通せるため、基盤を組織の仕組みとして設計し直したい立場の人が、技術マネジメントの本 と並べて手元に置く価値のある一冊です。

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