はじめよう! システム設計

ハジメヨウ システム セッケイ

要件定義のその後に

はじめよう! システム設計の表紙
ハードウェア
著者:
羽生章洋(ハブ, アキヒロ)
出版社:
技術評論社
出版日:
2018年02月
ISBN:
9784774195391
在庫:
在庫あり
3.75(13 件 / 楽天ブックス)
初級者向け
システム設計UI 設計プログラミングデータベース設計生産性向上保守性将来性AI 活用IoTレガシー対応

なぜ注目されているか

言及数
504位
総合671位 ↓ 28 ランクダウン 言及 6 件・うち記事 5 件を掲載
01220222023202420252026

書籍紹介

AI・IoT 活用からレガシー対応まで、どうしたら、うまくいくんだろう? 生産性と保守性・将来性を両立する、UI・プログラム・DB 設計の肝、そのハウツーがこの一冊に。

技書の森解説

「何を作るか」を決める要件定義が終わった後、それを「どう作るか」へ変換する工程がシステム設計です。『はじめよう! システム設計 〜要件定義のその後に』 (羽生章洋 著、技術評論社、2018 年 1 月刊) は、UI / 機能 / データという要件の三点セットを、クライアント / サーバ / DB というシステムの三層へ配置していく指針と手法を中心に、UI デザインの具体的な進め方、プログラムを構造化するための原則、テーブル設計の方法までを一冊で解説する上流工程の入門書です。同じ著者による『はじめよう! 要件定義』『はじめよう! プロセス設計』 (いずれも技術評論社) と地続きの「はじめよう!」シリーズの一冊で、副題どおり要件定義の次に何をすべきかに答えます。

全 4 部 21 章の構成、要件定義の復習から UI / バック / DB 層の設計へ

構成は全 4 部 21 章に「まとめ」を加えた形です。第 1 部「システム設計って何だろう?」ではシステム、プロセス、システム設計という言葉の定義から始め、第 2 部「システム設計のその前に」で 要件定義 とは何かをサンプルケース付きで振り返ります。中核となる第 3 部「システム設計の詳細」は Chapter 06 から 18 までの 13 章を占め、フロント層 (UI 設計の手順、機能の設計、モジュールのインターフェースと実装の定義)、バック層、DB 層 (モジュールのインターフェース定義、テーブル設計、実装の定義) という層の順に設計を進め、最後に設計の成果を整理します。第 4 部「実務とシステム設計」はマルチサイクルによるスコープ管理、正しい「率」による進捗管理、共通化の罠という、設計を現場で回すときの論点を扱います。

三点セットを三層へ配置する、設計の見取り図としての価値

設計工程の難しさは、要件定義で決めた「何を」を実装単位の「どこに」へ振り分ける判断が、基準を示されないまま担当者の経験に委ねられがちな点にあります。画面に見せる項目、入力に対する処理、保存すべきデータという三点は、要件の段階では一体の文章として語られますが、実装ではクライアント、サーバ、DB という別々の層に分かれて配置され、層の境界にはモジュール同士の呼び出し口を決める作業が必ず発生します。本書はフロント層と DB 層のそれぞれで「モジュールのインターフェースを定義する」章と「実装を定義する」章を分けており、この境界を意識して決める手順を読者に踏ませる章立てになっています。プログラム側では構造化と オブジェクト指向 の原則を最重要なものに絞って扱い、データ側ではテーブル設計を通じて生産性と保守性 / 将来性を両立させる設計の肝を示す構成で、個別技術の解説書では埋まりにくい「層をまたいで一貫した判断をする」視点を与えてくれます。

上流工程のエンジニアと発注側の情シスに向く前提知識

版元が対象読者として挙げるのは、システム開発の上流工程に関わるエンジニアやマネージャー、そして発注側企業の情報システム部門の人などです。版元の分類は SE 仕事術 / SE 読み物で、判型も四六判ですから、コードを追う技術書というより、可世木恭子氏のイラストを交えて概念を言葉で組み立てていく読み物として通読できます。プログラミング経験があれば UI 設計 から実装定義へ降りていく章の手触りは早くつかめますが、第 4 部のスコープ管理や進捗管理、共通化の罠といった論点は、自分では設計しない発注側の担当者やプロジェクトを管理する立場の人が読んでも、ベンダーの提案や設計書の妥当性を判断する物差しになります。

同じ著者の『はじめよう! 要件定義』で要件を固める手順を学んだ人にとって、本書はその成果を設計へ受け渡す続編として最も自然につながります。一方で、特定の言語やフレームワークでの実装手順、マイクロサービスやクラウドを前提としたアーキテクチャパターンの選定を知りたい人には守備範囲が違います。刊行は 2018 年で、AI や IoT の活用とレガシー対応の双方に触れる問題設定はその時点の技術環境を前提としていますが、UI / 機能 / データを三層へ配置するという中核の考え方は技術の流行に左右されにくい部分です。要件定義の後に何から手を付けるべきか迷っている若手 SE、あるいは設計書を読んで妥当性を判断しなければならない発注側の担当者にとって、判断の軸を一冊で手に入れられる本です。

言及した記事 (5 件)

この本に興味がある方におすすめ

関連する本

羽生章洋 の他の書籍

関連記事

関連用語

共有: