システム開発のための見積りのすべてがわかる本
システムカイハツノタメノミツモリノスベテガワカルホン
- 著者:
- 佐藤 大輔 / 畑中 貴之 / 渡邉 一夫(サトウ ダイスケ / ハタナカ タカユキ / ワタナベ カズオ)
- 出版社:
- 翔泳社
- 出版日:
- 2018年09月18日頃
- ISBN:
- 9784798156491
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
クラウド時代の見積りの手法がイチからわかる!
エンジニアのキャリアパスの中で見積りは避けては通れないスキルです。
しかしながら、近年、クラウド環境による開発・本番インフラの大幅なコスト低減、GitHub などチーム開発ツールの成長など、
大幅な環境の変化もあり、それまでのやり方が通用しなくなっています。
本書では、フレームワークや自動化ツール、高度な IDE などのツール類、テストの自動化や DevOps といった多数の効率化手法など
クラウド時代の開発手法に沿った形でイチから見積りについて解説します。
【本書の構成】
本書は 3 部構成になっています。
第 1 部では、「見積りの基本」として、見積りの超基本について解説します。
続く第 2 部では、「これまでの見積り」として、クラサバなど従来の見積りについて解説します。
最後の第 3 部では、「クラウド時代の見積り」として、IDE、GitHub を用いた見積りのやり方や、アプリ開発の見積りなどについて解説します。
また、ビッグデータの解析システム構築など、実際の事例も取り上げます。
技書の森解説
システム開発の見積りを、見積書の読み方や契約形態といった基本から、ファンクションポイント法やユースケースポイント法などの従来の手法、クラウドやテストの自動化を前提にした見積りまで順に学べる本です。『システム開発のための見積りのすべてがわかる本』は佐藤 大輔、畑中 貴之、渡邉 一夫の 3 名による共著で、翔泳社から 2018 年 9 月に刊行されました。版元の紹介文は、クラウド環境による開発 / 本番インフラのコスト低減やチーム開発ツールの成長によって従来のやり方が通用しなくなったと述べ、本書を「クラウド時代の開発手法に沿った形でイチから見積りについて解説します」と説明しています。
3 部 9 章の構成、見積書の基本から事例 / 実習まで
本書は 3 部構成で、第 1 部「見積りの基本」が第 1 章から第 4 章、第 2 部「これまでの見積り」が第 5 章から第 7 章、第 3 部「クラウド時代の見積り」が第 8 章と第 9 章にあたります。第 1 章「見積りって何だろう」は、納品までの流れと見積り、ソフトウェア開発の契約形態とお金の流れ、見積書の基本用語と単価、見積りの有効期限を押さえたうえで、主な手法として積み上げ法とファンクションポイント法を紹介します。第 2 章「はじめての見積り」は要望の見える化から体制図とマスタースケジュールを経て、タスクをスケジュールに並べるところまでを扱い、第 3 章「チームの作業を見積もる」はロールとタスクのひも付け、1 画面あたりの日数の基準、メンバーの生産性と練度を取り上げます。第 4 章「受注に向けた見積り」は、コンペの流れとヒアリングから、多段階見積り、フロー図とアーキテクチャー構成図による見える化を経て、見積り完成時のチェックポイント 5 項目へ進みます。
第 2 部は、第 5 章「ソフトウェア工学的視点での見積り」で見積りの歴史、工数と工期の関係、工数の構成、クライアントサーバー型の見積りを扱い、第 6 章でファンクションポイント法、第 7 章で UML の基本とユースケースポイント法を、実際に数値を算出する手順に沿って説明します。第 3 部の第 8 章「クラウド時代の見積りの技術要素」は、開発プロセスの変化に伴う見積りの変化、テストや開発のコストの変化、システム全体のコスト構造の変化、スマートフォンアプリでの見積りを取り上げ、最後の第 9 章「事例・実習編」は、アジャイルプロセスとクラウド活用を組み合わせたシステム開発と、ミッションクリティカルな Web 業務管理システムの開発という 2 つの事例で締めくくられます。
見積りが外れる理由と、規模を測る手法の違い
見積りが難しいのは、作るものの範囲が決まりきらない段階で金額と期間を約束しなければならないからです。要件定義 が固まる前に出した数字は、後から加わる機能や、性能 / 可用性 / 運用といった非機能の要求を含んでいないことが多く、差額をどちらが負担するのかで揉める原因になります。積み上げ法は作業を細かく分解して工数を足し合わせるため、分解の粒度と抜け漏れがそのまま精度を左右します。ファンクションポイント法は、入出力やデータのまとまりといった利用者から見える機能の規模を数えてから工数に換算するため、作り方の違いに左右されにくく、発注側と受注側が同じ物差しで話しやすい手法です。ユースケースポイント法は、ユースケースとアクターの複雑さから規模を求めるので、要求を UML で整理している現場と相性が良い考え方です。
クラウドの普及とテストの自動化は、見積りの前提そのものを変えました。サーバーの調達と設置にかかっていた費用は利用量に応じた料金に置き換わり、繰り返し実行できるテストは手作業の確認にかかる工数を減らす一方で、仕組みを整える初期の作業を生みます。機能を少しずつ確定させながら進める アジャイル 型の開発では、最初に全体の金額を固める契約と、短い周期で優先度を見直す計画づくりをどう両立させるかも問われます。本書が扱う技術環境は 2018 年の刊行時点のものなので、クラウドの料金体系や開発ツールの具体的な話は、読む時点の状況と照らし合わせながら読むのが確実です。
初めて見積りを任される開発者とリーダーに向く一冊
版元の紹介文は、見積りをエンジニアのキャリアパスで避けて通れないスキルと位置づけています。初めて見積書を作る開発者や、提案や受注の場面で数字の根拠を説明する立場になったリーダーにとって、契約形態や見積書の用語から、体制図とスケジュール、完成時のチェックポイントまでを一冊で順に追えることは、選ぶ際の大きな判断材料になります。反対に、見積りの手法や見積りツールそのものを理論の面から深く掘り下げたい場合は、『ソフトウェア見積りのすべて 第 2 版』のように見積りを専門に扱う翻訳書と組み合わせるほうが目的に合います。
見積りは プロジェクトマネジメント の入口であり、最初に出した数字がその後の体制とスケジュールを縛ります。経験と勘で出していた数字に、要件の一覧と工数の構成という説明の筋道を付けたい人にとって、基本から事例までを通して確かめられる本書は、次の見積りからすぐに使える手順を持ち帰れる一冊です。
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