図解まるわかり メタバースのしくみ
ズカイマルワカリ メタバースノシクミ
- 著者:
- 波多間 俊之(ハダマ トシユキ)
- 出版社:
- 翔泳社
- 出版日:
- 2022年09月07日頃
- ISBN:
- 9784798174877
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
本書では、今の技術での“現実的なメタバース”と、技術や法整備などの観点から“今は現実的ではないが未来のメタバース”という予測も交え、見開きで 1 つのテーマを取り上げ、図解を交えて解説しています。
技書の森解説
メタバースを支える技術と、それを使った事業の考え方を、見開きごとに 1 つのテーマで図解する入門書です。『図解まるわかり メタバースのしくみ』 (波多間 俊之 著、翔泳社、2022 年 9 月 7 日発売) は、版元の紹介によれば、その時点の技術で現実的なメタバースと、技術や法整備などの観点から見て今は現実的ではない未来のメタバースの予測も交えて解説する本です。本書のポイントとして、メタバースを作るプログラミングやサーバーのしくみといった技術面と、NFT やブロックチェーンも解説すると案内されています。言葉は知っているものの、実際に何がどう組み合わさって動いているのかを一度整理しておきたい人に向く一冊です。
全 9 章の構成、メタバースの歴史から未来像まで
目次は全 9 章です。第 1 章「メタバースの基本」で語源と歴史、SNS や UGC との関係を押さえ、第 2 章「GAFAM やゲーム業界とメタバース」で IT 業界、ゲーム業界、ブロックチェーン業界の市場争いを見渡します。第 3 章「メタバースと Web3.0」はブロックチェーンの技術、イーサリアムのしくみ、NFT の基礎を扱い、第 4 章「メタバースを表現するグラフィック」は企画書と仕様書、UX/UI、空間デザイン、アバターの作り方とリアルタイムレンダリングまでを含みます。第 5 章「メタバースを作るプログラミング」はデスクトップ、スマホ、Web の各アプリの開発とゲームエンジン、WebGL を、第 6 章「オンライン通信とサーバー」はサーバーの種類やシングルプレイとマルチプレイの違いを取り上げます。第 7 章「メタバースを体験する方法とそのしくみ」で VR ゴーグルの種類や AR デバイス、ブラウザーでの体験を、第 8 章「ビジネスにおけるメタバースの活用法」でデジタルツインや O2O / OMO としての活用を述べ、第 9 章「メタバースのこれから」でデバイスの進化やテレイグジスタンス、ムーンショット目標から見た将来像を描いて締めくくります。
3DCG とサーバーが支える仮想空間の技術背景
メタバースの体験は、いくつもの技術の積み重ねで成り立っています。まず画面に映る空間は、利用者の視点の動きに合わせて 1 秒に何十回も描き直される 3DCG です。VR ゴーグルでは描画の遅れが酔いにつながるため、形状を簡素にしたモデルで負荷を抑える工夫が欠かせません。空間そのものを組み立てる作業には、2D と 3D の両方を扱える Unity のような開発環境が広く使われています。次に、複数の利用者が同じ空間にいると感じられるのは、各自の位置や動作を表すデータをサーバーが受け取り、ほかの参加者へ配り直しているからです。利用者の端末とサーバーの間では、WebSocket のように接続を開いたまま双方向にデータを送り合う通信がよく使われ、遅延をどこまで許すかが体験の質を左右します。
NFT は、デジタルのアイテムや作品について、誰が持っているかの記録を ブロックチェーン の上に残す仕組みです。改ざんしにくい台帳に所有の記録を置くことで、運営会社のサーバーだけに頼らずに持ち主を示せる点が注目されました。ただし記録されるのは多くの場合アイテムを指す情報であって、アイテムの中身そのものではありません。この区別を押さえておくと、仮想空間の中の資産をめぐる議論を落ち着いて読めるようになります。
2022 年 9 月刊の内容として読む前提と向く読者
本書は 2022 年 9 月の刊行で、版元の内容紹介は 2021 年の Facebook 社のメタバース宣言を出発点に話を始めています。詳細目次にも「with コロナとメタバース」という項目があり、扱われる企業の動きや市場の見通し、デバイスの事情は刊行時点のものとして読むのが適切です。一方で、3DCG の描画、サーバーを介した同期、所有の記録といった基盤の考え方は、個別のサービスの浮き沈みとは別に押さえておける内容です。
版元はおすすめの読者として、メタバース全体の概要を知りたい人、メタバースに関わる技術を知りたい人、メタバースを使った新しいビジネスに関心がある人などを挙げています。特定のゲームエンジンでの制作手順を一から身につけたい場合は、制作に絞った専門書を別に選ぶほうが目的に合います。新規事業の検討で技術の担当者と話をかみ合わせたい企画職の人や、仮想空間の開発に関わる前に全体の地図を持っておきたい開発者にとって、気になるテーマから見開き単位で引ける本書は、短い時間で判断の土台をそろえられる一冊です。
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