Running Lean 第 3 版
ランニングリーンダイサンパン
リーンキャンバスから始める継続的イノベーションフレームワーク
- 著者:
- Ash Maurya / 角 征典 / Eric Ries(アッシュ マウリャ / カド マサノリ / エリック リース)
- 出版社:
- オライリー・ジャパン
- 出版日:
- 2023年07月05日
- ISBN:
- 9784814400263
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
『Running Lean』10 年ぶりの改訂。全面的に加筆修正され、アップデート!
Running Lean とは、製品のアイデアを素早く吟味し、成功の可能性を高めるための体系的なプロセスです。PMF (Product/Market Fit) を達成するための戦略と継続的イノベーションを実現するフレームワークを紹介します。初期のビジネスモデルを形成する効果的なストレステスト、本当の課題を発見するための課題発見インタビューの台本、顧客に「あったらいいな」ではなく「欲しい」と思わせる製品構築プロセスについて解説します。
技書の森解説
新しい事業や製品のアイデアを、作り込む前に検証して成功の見込みを高めるための手順書が『Running Lean 第 3 版』 (Ash Maurya 著、角 征典 訳、オライリー・ジャパン、2023 年 7 月刊) です。原書は Running Lean, 3rd Edition で、Eric Ries がシリーズエディターを務める The Lean Series の一冊にあたります。版元の紹介文は、Running Lean をリソースを使い切る前に最初のプランからうまくいくプランへと反復的に移行する体系的なプロセスと説明し、アイデアをリーンキャンバスに整理するところから PMF (製品/市場フィット) の達成、その後の継続的イノベーションまでを扱う本と位置づけています。起業家だけでなく、社内で新規事業やプロダクトの企画を任された人が、検証の進め方を手順として持ちたいときに手に取る本です。
設計 / 検証 / 成長の 3 部、リーンキャンバスから成長ループまで
目次は、2 人の起業家の物語から入るイントロダクションの後、1 章から 14 章までを第 Ⅰ 部 設計、第 Ⅱ 部 検証、第 Ⅲ 部 成長の 3 部に振り分け、15 章のエピローグとブートストラップ宣言で締めくくる構成です。第 Ⅰ 部は 1 章のアイデアをリーンキャンバスに分解する作業から始まり、顧客セグメント、課題、独自の価値提案、ソリューション、チャネル、収益の流れとコスト構造、主要指標、圧倒的な優位性という欄を順に埋めていきます。続く 2 章から 4 章は需要性、事業性、実現性のストレステストで、5 章はアイデアを明確かつ簡潔に伝える方法を扱います。第 Ⅱ 部は 6 章の 90 日間サイクルでアイデアを検証する章を軸に、キックオフ、顧客以上に課題を理解する方法、スイッチを引き起こすソリューションの設計、顧客が断りきれないマフィアオファー、サイクルのレビューへと進みます。第 Ⅲ 部は MVP のローンチ、解決/顧客フィット (SCF)、製品/市場フィット (PMF) という段階を示したうえで、ローンチの準備、幸せな顧客を作る章、収益型 / 定着型 / 紹介型の成長ループを扱う 14 章の成長ロケットへとつながります。各章の合間にスティーブや Altverse チームといった登場人物の場面が挟まっており、手順を物語の進行に沿って示す作りと読めます。
作る前に検証する考え方と、3 種のストレステストの意味
製品開発でもっとも高くつく失敗は、作りきったものが誰にも求められていなかったと後から分かることです。版元の紹介文も、多くのプロダクトが失敗するのは完成しないからではなく、間違った製品を作ることに時間やリソースを費やしているからだと書いています。リーンスタートアップの系譜に属する手法は、この危険を減らすために、事業の前提を仮説として書き出し、もっとも外れたときの痛手が大きいものから小さな実験で確かめる順番を重視します。需要性 (顧客が本当に欲しがるか)、事業性 (お金の流れとして成り立つか)、実現性 (作って届けられるか) の 3 つの観点で計画を点検する考え方は、デザインやプロダクトマネジメントの分野でも広く使われる整理で、本書はそれをストレステストという形でリーンキャンバスの各欄に当てていく構成になっています。イントロダクションに MVP から始めないという節が置かれていることからも、試作品を出す前に課題と顧客の理解を固める順番を強く意識した版だと読めます。
版元が示す第 3 版の位置づけと、手に取る前の注意点
版元ドットコムの紹介文によると、第 3 版は Running Lean の 10 年ぶりの改訂で、全面的に加筆修正されています。初期のビジネスモデルを形成する効果的なストレステスト、本当の課題を見つけるための課題発見インタビューの台本、顧客に「あったらいいな」ではなく「欲しい」と思わせる製品構築プロセスが、紹介文で挙げられた中身です。旧版を持っている人が買い直すかどうかは、目次の第 Ⅱ 部にある 90 日間サイクルの章立てや第 Ⅲ 部の成長ループの章が自分の課題に合うかで判断するのが確実で、版表記の読み方と買い直しの判断 を整理しておくと比べやすくなります。版元ドットコムでの分類は経営で、プログラミングや開発の技術そのものを学ぶ本ではありません。翻訳書なので訳語の癖に戸惑うこともありますが、翻訳書の技術書を読み進めるコツ を押さえておくと、登場人物の場面を追いながら手順の流れをつかみやすくなります。
検証すべきアイデアを手元に持ち、次の顧客インタビューや企画会議で何を確かめるべきかを決めたい人にとって、本書は欄の埋め方から 90 日単位の検証の回し方、ローンチ後の成長の測り方までを一続きの手順として渡してくれます。エンジニアとしてプロダクトの方向性に関わる立場でも、仮説を書き出して検証の順番を決める型を持っておけば、作る前の議論を具体的に進められるようになります。
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