プロダクトマネジメント

プロダクトマネジメント

ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける

プロダクトマネジメントの表紙
エンジニアのキャリア / 思考
著者:
Melissa Perri / 吉羽龍太郎(メリッサ ペリ / ヨシバ リュウタロウ)
価格:
¥2,640
出版社:
オライリー・ジャパン
出版日:
2020年10月26日頃
ISBN:
9784873119250
在庫:
1
判型:
単行本
4.24(32 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
プロダクトマネジメントプロダクト戦略顧客ニーズビジネス目標ビルドトラップソフトウェア開発アジャイルプロダクトライフサイクルユーザー体験リーダーシップ

なぜ注目されているか

総合330位 ✦ NEW 言及 62 件・うち記事 43 件を掲載
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書籍紹介

プロダクトマネジメントの原則と考え方、ポイントについて解説!
あらゆる規模の組織に適用できるプロダクトマネジメントの原則についての書籍です。リリースにばかり焦点を当てると、顧客のニーズではなく、スケジュールを重視して不必要な機能を作りだしてしまいます。このような状態を本書では「ビルドトラップ」と呼んでいます。本書では、プロダクトマネジメントの基礎を築くことで、企業がビジネス目標を達成しながら、顧客が必要とする機能をリリースする方法を紹介して、「ビルドトラップ」を避ける方法を解説します。

技書の森解説

『プロダクトマネジメント』 (Melissa Perri 著、吉羽 龍太郎 訳、オライリー・ジャパン、2020 年 10 月刊) は、機能をリリースすること自体が目的になり、顧客の課題が置き去りになる状態を「ビルドトラップ」と名付け、そこから抜け出すためのプロダクトマネジメントの原則を解説した書籍です。副題はビルドトラップを避け顧客に価値を届ける、原書は Escaping the Build Trap。版元の紹介文は、アウトプットよりもアウトカム (成果) に焦点を当てる顧客中心の方針を説き、規模の大小を問わずプロダクトチーム、マネージャー、プログラマ、アーキテクト、デザイナ、マーケターに向けた本と位置づけています。機能は毎月出しているのに、事業の数字も顧客の反応も動かないと感じているチームに向いた一冊です。

全 5 部 25 章、ビルドトラップから組織づくりまで

構成は 5 部に分かれ、全 25 章とおわりに、付録 A が続きます。第 I 部「ビルドトラップ」は価値交換システムとその制約、プロジェクトとプロダクトとサービスの違いを整理し、セールス主導、ビジョナリー主導、テクノロジー主導と対比しながらプロダクト主導組織を定義します。第 II 部「プロダクトマネージャーの役割」は、ミニ CEO やウェイター、プロジェクトマネージャーだった人といった悪いプロダクトマネージャーの典型を挙げたうえで、優れたプロダクトマネージャー像と、アソシエイトプロダクトマネージャーから最高プロダクト責任者 (CPO) までのキャリアパスを示します。第 III 部「戦略」は戦略のギャップ、戦略展開と戦略策定、企業のビジョンと戦略的意図、プロダクトビジョンとポートフォリオを扱い、第 IV 部「プロダクトマネジメントプロセス」はプロダクトのカタを軸に、成功指標の設定 (海賊指標や HEART フレームワーク)、問題の探索、コンシェルジュやオズの魔法使いといった学習のための実験、優先順位づけと完成の定義へと進みます。第 V 部「プロダクト主導組織」はロードマップとセールスチーム、報酬とインセンティブ、予算編成、顧客中心主義を取り上げ、付録 A には企業がプロダクト主導かどうかを判断する 6 つの質問が収められています。マーケットリーという企業の事例が、チーム構成やソリューションの選択の章、第 V 部の締めくくりに登場します。

速く作れるチームほどビルドトラップに陥りやすい理由

ビルドトラップが厄介なのは、開発の生産性が上がるほど見えにくくなる点です。アジャイル開発 のように短い周期でリリースできるチームは、出荷した機能の数やスプリントの消化量という分かりやすい数字を手にしますが、それらはアウトプットであって、顧客の行動や事業の結果が変わったかどうかは別に測らなければ分かりません。測らないまま進むと、要望の多い順や声の大きい順に機能を積み上げることになり、使われない機能が保守の負担として残ります。本書の第 IV 部が、作る前に問題を確かめ、小さな実験で解決策を検証し、指標で方向性を決める流れに多くの章を割いているのは、この「作る量」と「届けた価値」のずれを埋めるためと読めます。開発者にとっても、なぜこの機能を作るのか、作った後に何を見れば成功と言えるのかを問う視点は、仕様の相談の質を変える効き目があります。

開発者から読む場合の前提と、向かない読者

前提として、プロダクト開発のチームで働いた経験があり、企画から開発、リリースまでの流れを一度は見ていると、各章の例が自分の現場と結びつきやすくなります。プロダクトマネージャーになったばかりの人だけでなく、プロダクトマネージャーと日々やり取りする開発者やデザイナが、相手の役割と判断の軸を知るために読む使い方もできます。技術者がキャリアのどの段階でこうした本を読書リストに加えるかは、技術書とキャリアの段階別の読み方 が参考になります。一方で、ロードマップの作り方や要求の書き方といった道具を手順として求める人、特定の分析ツールの使い方を学びたい人には、本書の粒度は合いません。扱うのは原則と組織のあり方であり、日々の作業の型は別の本で補う形になります。

機能の要望が積み上がるたびに、何を作らないかを決められずに苦しんでいるプロダクトマネージャーや、出荷はしているのに成果を説明できないと感じている開発チームのリーダーにとって、本書は判断の言葉を組織で共有するための一冊です。付録 A の 6 つの質問を自分の組織に当てはめるところから読み始めても、元が取れる使い方ができます。

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