Python で Excel、メール、Web を自動化する本
- 著者:
- 中嶋英勝
- 出版社:
- SB クリエイティブ
- 出版日:
- 2020年09月23日頃
- ISBN:
- 9784815606398
なぜ注目されているか
技書の森解説
Excel のシート間のコピーと貼り付けや、名簿を見ながらの連絡メールのような単純なパソコン仕事を、Python の小さなプログラムで片付けたい社会人向けの入門書です。『Python で Excel、メール、Web を自動化する本』 (中嶋英勝 著、SB クリエイティブ、2020 年 9 月刊) は、プログラミング初心者を対象に、Excel の作業を中心に、メールの送信と Web からの情報収集までを Python で自動化する方法を解説しています。著者は版元の紹介によれば、ガンマソフト株式会社の代表取締役で技術士 (建設部門) です。
Excel の転記から Web の情報収集まで、8 章の流れ
1 章で変数、リスト、ループ、条件分岐という Python の基本と、付属の開発環境 IDLE の設定を押さえ、2 章で Excel のブックとシート、セルの読み書き、複数シートのまとめ方、3 章で CSV ファイルの読み書きと Excel との相互変換を扱います。4 章は Excel のマスタからデータを検索して別のブックへ転記し、条件に合うデータの個数や合計を求める処理、5 章は顧客ごとの売上を絞り込んで請求書を作り、PDF として保存するまでの帳票作成です。後半は 6 章で Python のライブラリの豊富さを示したうえで、7 章で複数の相手へまとめてメールを送る方法、8 章で Selenium を使ったブラウザの操作と、Web ページから情報を読み取る スクレイピング の自動化に進みます。
VBA ではなく Python で自動化する意味
Excel の自動化といえばマクロと VBA が定番ですが、版元の紹介は Python の強みとして、Excel のアプリを起動しなくてよいことと、メールや Web ブラウザも同じ言語で簡単に自動化できることを挙げています。業務の自動化で手間がかかるのは、1 つの作業より、Web から集めたデータを Excel に保存し、それをメールで送るといった作業どうしのつなぎ目です。1 つの言語でこのつなぎ目まで書ければ、人が画面を行き来していた手順をまとめて任せられます。一方で本書は 5 章で「業務全体では Excel と良いとこ取りを目指す」という節を置いており、Excel を捨てるのではなく、関数や VBA と役割を分ける考え方を取っています。VBA の側から自動化を学ぶ選択肢と比べたい場合は Excel / VBA 本ガイド が参考になります。
プログラミング初心者が読む前に知っておきたいこと
版元が示す本書の方針は、オブジェクトなどの難しいプログラムの理論は使わず、いちばん単純な道具だけで準備に時間をかけずに始められることです。そのため、Python を体系的に学びたい人や、クラスを使った設計まで身に付けたい人には物足りない内容で、その場合は Python 本の選び方 で段階に合った入門書を探すのが向いています。また本書は 2020 年の刊行で、刊行時点の Python と各ライブラリ、ブラウザを前提にしています。版元のサポート情報には、刊行後の Selenium と Chrome 用 WebDriver の変更、7 章で Gmail を使う場合の変更点についての案内が掲載されているため、7 章と 8 章は版元のサポートのページと合わせて読むと手順の食い違いで迷わずに済みます。
毎月の転記や請求書づくり、同じ文面のメール送信に時間を取られている事務や営業の担当者で、プログラミングは初めてという人にとって、自分の仕事に近い例題を順に動かしながら Excel、メール、Web の自動化を一通り経験できる本書は、手作業を減らす第一歩を踏み出すための 1 冊になります。
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