デスマーチ第 2 版

デス マーチ

ソフトウエア開発プロジェクトはなぜ混乱するのか

デスマーチ第 2 版の表紙
ソフトウェア工学 / 設計
著者:
エドワード・ヨードン / 松原友夫(ヨードン, エドワード / マツバラ, トモオ)
出版社:
日経 BP
出版日:
2006年05月
ISBN:
9784822282714
在庫:
在庫あり
3.38(29 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
プロジェクト管理ソフトウェア開発アジャイル開発スクラムデスマーチソフトウェアエンジニアリングプロジェクトリーダーシップチーム管理ソフトウェアプロジェクトソフトウェア開発プロセス

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言及数
668位

書籍紹介

「失敗プロジェクト」の代名詞となった「デスマーチ」の改訂版。

技書の森解説

納期も人員も予算も足りない中で、それでも始まってしまう開発プロジェクトとどう向き合うか。『デスマーチ 第 2 版』 (エドワード・ヨードン 著、松原 友夫、山浦 恒央 訳、日経 BP 社発行、日経 BP 出版センター発売、2006 年 5 月刊) は、原タイトル Death march の原書第 2 版を翻訳した書籍で、破綻しかけたソフトウェア開発プロジェクトを、組織の力関係と交渉、関わる人、進め方、時間と進捗の管理という面から論じています。副題はソフトウエア開発プロジェクトはなぜ混乱するのかで、書誌の紹介文では、失敗プロジェクトの代名詞となったデスマーチの改訂版と説明されています。

全 11 章の構成、政治と交渉から進捗の管理とツールまで

目次は第 1 章「はじめに」に続き、第 2 章「政治」、第 3 章「交渉」、第 4 章「デスマーチ・プロジェクトの人々」と、プロジェクトを取り巻く力関係と人の問題を先に置いています。第 5 章「デスマーチ・プロセス」と第 6 章「プロセスのダイナミックス」で進め方に移り、後半は第 7 章「クリティカルチェーンと制約条件の理論」、第 8 章「時間の管理」、第 9 章「進捗の管理と制御」、第 10 章「デスマーチのためのツールと技術」と、管理の手法を扱う章が並びます。最後の第 11 章は「シミュレーションと「戦争ゲーム」」です。誰が何を求めているのかという前提を固めてから、限られた時間をどう配り、どう追いかけるかへ進む順序と読めます。

無理な計画が生まれる構造と、制約条件の理論を持ち込む意味

ソフトウェア開発の プロジェクトマネジメント では、納期、人員、予算、作る範囲の 4 つが互いに引っ張り合います。どれか 1 つが外から固定されると、残りで帳尻を合わせるしかありませんが、実際の現場では納期も範囲も同時に動かせないまま人員だけが追加されたり、見積りの根拠が交渉の場で削られたりします。こうした状況では、技術的な腕前よりも、誰が何を譲れるのかを見極める交渉と、限られた時間をどこに使うかの判断が結果を左右します。第 7 章の章題にあるクリティカルチェーンは、制約条件の理論をプロジェクト管理に応用した考え方で、一般には作業ごとに抱え込まれがちな安全のための余裕を取り出し、プロジェクト全体の終わりにまとめて管理する手法として知られています。進捗の遅れを個人の頑張りの問題にせず、仕組みとして吸収するための道具立てです。

2006 年刊の翻訳書として読む前提と、向いている読者

本書は 2006 年 5 月に刊行された翻訳書なので、ツールを扱う章などは刊行時点の開発環境を前提にしていると考えて読むのが安全です。一方で、章題に並ぶ政治、交渉、人、時間の管理といった題材は、開発の道具が入れ替わっても形を変えて繰り返し現れる問題です。チームを率いる立場の本を広く比べたい場合は チーム開発とマネジメントの本の選び方 も参考になります。

無理な納期の案件に配属されそうな開発者や、上司や顧客と計画を交渉する立場に立つリーダーにとって、本書は、引き受けるか、どこまで約束するか、始まってしまったらどう時間を配るかを考えるための論点を、政治から進捗の管理まで一通り並べてくれる一冊です。

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