IT エンジニアのための企画力と企画書の教科書

アイティーエンジニアノ タメノ キカクリョク ト キカクショノ キョウカショ

IT エンジニアのための企画力と企画書の教科書の表紙
エンジニアのキャリア / 思考
著者:
吉政忠志(ヨシマサ タダシ)
出版社:
マイナビ出版
出版日:
2020年03月24日頃
ISBN:
9784839970260
在庫:
在庫あり
4(3 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
IT・eコマースビジネススキルプロフェッショナルスキル技術書エンジニア向け企画力ロジック構造鳥瞰力キャリアアップ実務向け

なぜ注目されているか

総合515位 ↑ 4 ランクアップ 言及 3 件・うち記事 2 件を掲載
言及数
794位

書籍紹介

本書は、エンジニア向けの企画書の書き方をテーマにしています。

なぜ、そのテーマを選んだかというと、エンジニアが企画力を手にすれば、「鬼に金棒」だと筆者が考えているからです。技術を分かっている人間が、企画を理解し、会社やビジネスを動かすような企画を立てられたら、かなり現実的で効果が出るような企画を作れると思いませんか?

エンジニアは技術を知っています。ビジネスも技術を通してなんとなくわかっています。

次は、その技術をビジネスに生かす表現方法を理解すれば、技術とビジネスを活用できる鬼に金棒な存在になれるのです。

本書では、企画力を「ロジックの三角形の引き出しの多さ」と「鳥瞰力」で構成されているものと考え、この 2 点を鍛えるアプローチを取っています。

ビジネスにおける採用されるロジックパターンは、実はいたって簡単なのです。つきつめていくと、本書で紹介する「ロジックの三角形」に落とし込めます。その作り方について、さまざまな実例を用いながら解説します。

また企画力のもう 1 つの重要な要素である「鳥瞰力」とは、鳥が空から地上を眺めるように全体を見渡す力です。鳥瞰力があれば、企画の周辺がよく見えるようになり、適切な「ロジックの三角形」を選ぶこともでき、企画が失敗しにくくなります。

企画には特殊な才能は必要はなく、慣れれば誰でもできるです。ぜひ、肩の力を抜いて本書を読み、エンジニア人生の選択肢を広げてみてください。

技書の森解説

技術は分かるのに、企画や提案の場面になると通る文書が書けない。『IT エンジニアのための企画力と企画書の教科書』 (吉政忠志 著、マイナビ出版、2020 年 3 月 24 日発売) は、そうしたエンジニアに向けて企画書の書き方をテーマにした本です。版元の紹介文は、企画力を「ロジックの三角形の引き出しの多さ」と「鳥瞰力」で構成されるものと考え、この 2 点を鍛えるアプローチを取ると説明しています。著者は刊行時のプロフィールで、ノベル・ジャパン、SAP ジャパン、ターボリナックス、インフォテリア (現: アステリア) のマーケティング職を経て 2010 年に吉政創成株式会社を起業し、PHP 技術者認定試験や Python エンジニア認定試験などの立ち上げを企画したと紹介されています。

4 編 14 章の構成、ロジックの三角形から鳥瞰マップへ

本書は 4 編 14 章で組まれています。第 1 編「企画書が持つチカラを知ろう」は、企画を生み出すロジックの三角形と全体を見渡す鳥瞰力という 2 本の柱を示し、2 章で企画書のシナリオを 4 ステップで作る考え方を、3 章で日常業務への応用を扱います。第 2 編「企画書と企画力について知識を深めよう」は、提出しても採用されない企画書の根本原因とチェックリストを 4 章に、鳥瞰力の考え方と鳥瞰マップの作り方を 5 章に置いています。5 章には、効果的な差別化の視点や、撤退が迅速にできる視点、一手の改善で効果が大きい根本原因の見つけ方を扱う節が並びます。

社内申請と実例の企画書で決裁者の視点をつかむ

第 3 編「社内申請書を例に鳥瞰力を養おう」は、外部研修、人材採用、採用広告、採用セミナー、資格手当、採用ブランド向上委員会の発足という 6 つの申請を題材にします。6 章で企画者の側から承認を得る筋道を考え、7 章で同じ 6 つの申請を見た決裁者が何を思うかを鳥瞰マップで確かめる、という対の構成です。8 章で企画書の基本構成と調整方法、9 章で仕上げの作法へ進み、9 章には「上長はほぼ目次と骨子だけを見て採用可否の判断をすることを知る」という節や、企画書を上長と一緒に作る節があります。第 4 編「企画書の事例から体感し、学ぼう」は実例編で、10 章が PHP 技術者認定試験、11 章が大ヒットした WordPress 書籍、12 章が新会社設立を取り上げ、企画の概要を鳥瞰マップとロジックの三角形で説明したうえで企画書そのものを解説します。13 章は離職率を下げる企画を題材に、家族手当と子育て支援手当の導入、定年後年間契約制度の導入という 2 本の企画書を組み立て、付属テンプレートの紹介で締めくくります。14 章は短時間で高品質に企画する方法を扱います。

仕様書と企画書の違い、主張とデータと理由付け

エンジニアが書き慣れている仕様書や設計書は、読み手に内容を誤りなく伝えることが目的の文書で、テクニカルライティング の技法が効く領域です。企画書の目的はそれと違い、限られた時間しか割けない決裁者に判断を下してもらい、予算や人員を動かすことにあります。正確に書くだけでは足りず、なぜ今それをやるのか、やらないと何が起きるのかを、相手の優先順位に沿って示す必要があります。本書の 8 章の節題には、現状と課題、解決案、コストとスケジュール、投資対効果が並び、それぞれに主張、データ、理由付けという語が添えられています。主張と、それを支えるデータと、両者を結ぶ理由付けの 3 つで論証を組む考え方は、哲学者トゥールミンが示した議論のモデルの中核と重なり、日本の作文教育でも三角ロジックの名で知られています。本書はこの骨格を、社内の申請書という身近な文書に当てはめて練習させる点に特色があります。

企画書に慣れていないエンジニアに向く理由と、向かない目的

版元の紹介文は、企画には特殊な才能は必要なく、慣れれば誰でもできると述べています。目次の章題に特定の技術の解説は無く、題材は研修や採用の申請、書籍や認定試験の企画といった社内外の企画書です。研修の受講や採用の申請が通らずにもどかしい思いをしているリーダー層や、技術の判断を非エンジニアの上司に説明する機会が増えてきた人にとって、同じ申請を企画者と決裁者の両側から見比べる 6 章と 7 章の構成が役立ちます。説明の仕方そのものを広く鍛えたい場合は、技術をビジネスの言葉に置き換えるための読書 の案内と組み合わせると、企画書以外の場面にも応用が利きます。一方で、スライド作成ソフトの操作や、事業計画の財務モデルを体系的に学びたい人には目的がずれます。社内で通したい企画を 1 本でも抱えているエンジニアなら、ロジックの三角形を描くところから手を動かすことで、その企画書の骨子を本書と並行して組み立てられます。

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