作って動かす ALife

ツクッテウゴカスエーライフ

実装を通した人工生命モデル理論入門

作って動かす ALife の表紙
プログラミング
著者:
岡 瑞起 / 池上 高志 / ドミニク チェン / 青木 竜太 / 丸山 典宏(オカ ミズキ / イケガミ タカシ / ドミニク チェン / アオキ リュウタ / マルヤマ ノリヒロ)
出版社:
オライリー・ジャパン
出版日:
2018年07月28日頃
ISBN:
9784873118475
在庫:
在庫あり
4.33(7 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
PythonALife人工知能シミュレーション計算生物学自然選択エージェントベースモデル進化計算自組織化システム計算科学

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言及数
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書籍紹介

世界で初めての実装を通して ALife (人工知能) を学ぶ書籍!
生命性をコンピュータ上でシミュレートすることにより、生命の本質に迫る「ALife」は、人工知能 (AI) の発展系として近年改めて注目されつつある研究分野です。その応用先は、デザイン、ケ゛-ム、SNS、アート、建築と、人間の創造性が必要となる領域全般に及びます。本書は、さまざまな ALife のモデルを Python で書かれたサンプルコードで実装することで、理論モデルを体感的に学ぶことができる書籍です。

技書の森解説

単純な規則から、模様や群れや自己複製のような生き物らしい振る舞いが立ち上がる様子は、数式を眺めるだけでは実感しにくいものです。『作って動かす ALife』 (岡 瑞起、池上 高志、ドミニク・チェン、青木 竜太、丸山 典宏 著、オライリー・ジャパン、2018 年 7 月 28 日発行) は、副題「実装を通した人工生命モデル理論入門」が示すとおり、人工生命 (ALife) の理論モデルを Python のサンプルコードで実装しながら学ぶ本です。版元は、セルラーオートマトンやボイドモデルをはじめとするさまざまなモデルを体感的に学べる書籍と紹介しています。

全 8 章の構成、生命のパターンから意識の未来まで

1 章「ALife とは」は、科学としての生命の定義、人工生命は実験数学であるという見方、生命の計算、サイバネティクスから人工生命への流れを置きます。2 章はチューリングパターン、Gray-Scott モデル、セルラー・オートマトンで自己組織化する模様を作り、3 章は SCL モデルの実装、フォン・ノイマンの自己複製オートマトン、「テープとマシン」モデルを通じて個の創発と自己複製を扱います。4 章はボイドモデルと創発現象、ウェブサービスの集団知、5 章はブライテンベルク・ビークル、ブルックスのサブサンプション・アーキテクチャ、ソフトロボットといった身体性の話題です。6 章は適応度地形、「囚人のジレンマゲーム」の進化、オープンエンドな進化、エージェントモデルによる人工進化を、7 章は内部状態とアトラクター、RNN を用いた実験、トレヴァーセンの実験から他者性までを取り上げます。8 章はリベットの実験やロボットへの実装を含む意識の章で、巻末に付録「本書で使用しているオリジナルライブラリ」、参考文献、索引が続きます。

最適化する仕組みと、新しい振る舞いを生む仕組みの違い

機械学習 は、データと目的に照らして誤差が小さくなる方向へパラメーターを調整する技術で、答えの良し悪しを測る物差しがあらかじめ決まっています。人工生命の研究はこれと向きが異なり、個体どうしの局所的な相互作用の規則だけを決めて、全体として何が起きるかを観察します。ボイドモデルなら、近くの仲間とぶつからない距離を保つ、向きを揃える、群れの中心へ寄るという個体ごとの簡単な規則だけで、群れ全体のまとまった動きが現れます。Gray-Scott モデルは 2 種類の物質の反応と拡散を表す方程式で、パラメーターを少し変えるだけで斑点や縞、分裂を繰り返す模様へと姿を変えます。こうした現象は、結果を思い描いて書いたコードからではなく、規則を動かして初めて見えてくるため、実装しながら学ぶ形式と相性のよい題材です。版元も、情報を整理して最適化する力に優れた AI と比べ、ALife は新たな自然を作り出す特徴を持つと説明しています。

サンプルコードを動かす前提と、向く読者

サンプルコードは Python で書かれ、付録には本書で使うオリジナルライブラリの説明が置かれています。正誤表は、版元ページから GitHub のリポジトリ alifelab/alife_book_src の wiki に案内されています。手元でコードを動かすには Python の実行環境とライブラリの導入が必要になるため、文法そのものから学ぶ段階であれば、Python 本の選び方 を参考に入門書を先に 1 冊済ませておくと進みやすくなります。逆に、業務データから精度の高い予測モデルを作る方法を求めている人には、機械学習の専門書のほうが近道です。

版元は ALife の応用先として、デザイン、ゲーム、アート、建築など創造性が必要となる領域を挙げています。ゲームや作品に生成的な動きを取り入れたい人、複雑系の考え方をコードで確かめたい人、機械学習とは別の角度から計算と生命の関わりを考えたい人にとって、模様から自己複製、群れ、身体、進化、意識へと題材を広げながら実際に動かせる本書は、手を動かして考える楽しさを味わえる一冊です。

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