未来をつくる言葉

ミライヲツクルコトバ

わかりあえなさをつなぐために

未来をつくる言葉の表紙
デザイン / グラフィックス
著者:
ドミニク・チェン(ドミニク チェン)
出版社:
新潮社
出版日:
2022年08月29日
ISBN:
9784101042411
シリーズ:
新潮文庫
在庫:
在庫あり
4.13(35 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
哲学デザイン思考アート情報学認知科学人間とテクノロジー思考法人工知能文化研究体験デザイン

なぜ注目されているか

総合2342位

書籍紹介

哲学、デザイン、アート、情報学と、自由に越境してきた気鋭の研究者が、娘の出産に立ち会った。そのとき自分の死が「予祝」された気がした。この感覚は一体何なのか。その瞬間、豊かな思索が広がっていく。わたしたちは生まれ落ちたあと、世界とどのように関係をむすぶのだろうーー。東京発、フランスを経由してモンゴルへ、人工知能から糠床まで。未知なる土地を旅するように思考した軌跡。

技書の森解説

『未来をつくる言葉』 (ドミニク・チェン 著、新潮社、新潮文庫、2022 年 8 月刊) は、情報学の研究者が言葉と人のつながりを考えた本です。版元の書籍ページの見出しには「わかりあえなさをつなぐために」が添えられています。版元の紹介文は、哲学、デザイン、アート、情報学を自由に越境してきた研究者である著者が娘の出産に立ち会い、そのとき自分の死が「予祝」された気がしたという感覚を起点に置き、東京からフランスを経由してモンゴルへ、人工知能から糠床までの「未知なる土地を旅するように思考した軌跡」と案内しています。

全 9 章の構成、混じり合う言葉から「共に在る」ことまで

本文は序の「はじまりとおわりの時」と結びの「おわりとはじまりの時」に挟まれた全 9 章です。第一章「混じり合う言葉」、第二章「デジタルなバグ、身体のバグ」、第三章「世界を作る言語」、第四章「環世界を表現する」、第五章「場をデザインする」、第六章「関係性の哲学」、第七章「開かれた生命」、第八章「対話・共話・メタローグ」、第九章「『共に在る』ために」と進みます。節の題には「サピア=ウォーフ仮説」「ゲーム言語との出会い」「吃音とともに培う思考」「クリエイティブ・コモンズの運動」「人類学者としてのベイトソン」「微生物との共生」「遺言の執筆プロセスを記録する」などが並びます。

デバッグ、環世界、知能増幅、メタローグの語

プログラムの不具合を見つけて原因を取り除く作業を デバッグ と呼び、第二章には節「コンピューターの「デバッグ」」と節「身体的な「バグ」との遭遇」が並んでいます。生き物がそれぞれの感覚で世界を切り取るという環世界の考え方は、生物学者ユクスキュルに由来します。計算機に人間の知能を代わらせようとする 人工知能 の研究と並んで、人間の知的な作業を計算機で補って高める知能増幅の考え方もあります。第七章には節「『人工知能』と『知能増幅』の歴史」があります。第八章の題にあるメタローグは、人類学者グレゴリー・ベイトソンが用いた対話の形式で、会話の組み立てそのものが話題と結びつくように書かれた対話を指します。

文庫版のあとがきと解説、八重洲本大賞の受賞

文庫版には、文庫版あとがきと渡邉康太郎による解説が収められ、カバーデザインも渡邉康太郎が担当しています。版元は本書を、新潮社の『考える人』から生まれた本と案内し、第 3 回八重洲本大賞の受賞を掲げています。

本書は、生まれ落ちたあと世界とどのように関係をむすぶのかという問いを、言葉、バグ、環世界、場、関係性、生命、対話の題材でたどり、序と結びに挟まれた全 9 章に収めています。

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