知能の原理

チノウノゲンリ

身体性に基づく構成論的アプローチ

知能の原理の表紙
AI / 機械学習
著者:
Rolf Pfeifer / Josh Bongard / 細田 耕(ファイファー ロルフ / ボンガード ジョッシュ / ホソダ コウ)
出版社:
共立出版
出版日:
2010年03月
ISBN:
9784320122468
在庫:
在庫あり
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初級者向け
身体性知能人工知能理論ロボット工学認知科学知能原理インタラクティブ学習多分野融合視覚的学習初学者向け概念解説

なぜ注目されているか

総合2188位

書籍紹介

身体性、すなわち知能には身体が必要不可欠であるという概念が提案されてから人工知能分野は大きく変化した。本書では、多くの研究事例と新しい知見を取り上げながら、身体性の意味ーすなわち身体を持つことが知能にどのような影響を及ぼすかーを探ることによって、知能の理論への第一歩を踏み出す。
本書は、人工知能やロボット工学分野のみならず幅広い分野の読者を対象に、平易な語り口と魅力的なイラストによって、知能に対する新しい見方だけでなく、われわれ自身やこれを取り巻く世界に対する新しい見方を提案している。

技書の森解説

『知能の原理』 (Rolf Pfeifer、Josh Bongard 著、細田 耕、石黒 章夫 訳、共立出版、2010 年 3 月刊) は、知能には身体が必要不可欠であるとする身体性の考え方に立って、知能の理論への第一歩を示す研究書の日本語版です。副題は「身体性に基づく構成論的アプローチ」で、国立国会図書館の書誌には原タイトルが How the body shapes the way we think と記録されています。版元の紹介文は、多くの研究事例と新しい知見を取り上げながら身体を持つことが知能にどのような影響を及ぼすかを探り、人工知能やロボット工学の分野に限らず幅広い分野の読者を対象に、平易な語り口とイラストで知能への新しい見方を提案する本だと案内しています。

全 4 部 12 章、知能の定義から身体と思考の関係まで

本文は 4 部構成です。第 I 部「知能, 人工知能, 身体性と本書の目的」は第 1 章「知能, 思考, 人工知能」と第 2 章「人工知能: 展望」の 2 章で、知能の定義を整理したうえで、古典的アプローチの成功と問題点、身体性への転向、神経科学の役割、バイオロボティクス、発達ロボティクス、人工生命とマルチエージェントシステム、進化ロボティクスまでの研究の広がりを扱います。第 II 部「知能の原理に向けて」は第 3 章から第 7 章で、第 3 章「知能の原理についての重要な概念」が設計原理、参照フレーム、構成論的な方法論、創発などの概念を示し、第 5 章「発達: ロコモーションから認知へ」、第 6 章「進化: ゼロからの認知」、第 7 章「群知能: 相互作用から生み出される認知」がそれぞれ発達、進化、群知能を扱います。第 III 部「アプリケーションとケーススタディ」は第 8 章から第 11 章、第 IV 部「原理と洞察」は第 12 章「身体はわれわれの考え方をいかに形づくるか」の 1 章で、エピローグの節で閉じます。国立国会図書館の書誌では文献あり、索引ありと記録されています。

第 4 章のエージェント設計原理 8 項目

第 4 章「知能システム: 特性と原理」は、実世界と仮想世界の違い、完全エージェントの特性を述べたあと、エージェントの設計原理を 1 から 8 まで節に分けて示します。挙げられているのは三構成要素の原理、完全エージェントの原理、チープデザインの原理、冗長性の原理、感覚運動協調の原理、生態学的バランスの原理、並列緩結合プロセスの原理、価値の原理の 8 つです。第 5 章から第 7 章の各章末には、発達システム、進化システム、群システムそれぞれのための設計原理をまとめる節が置かれています。

記号の操作を中心に据えた古典的な 人工知能 は、チェスや定理証明のように問題が記号で閉じている領域で成果を上げる一方、記号が実世界の何を指すのかを機械自身はどう獲得するのかという問い (記号接地問題) や、実世界の雑多な状況への対応で行き詰まりを抱えてきました。身体性の立場は、知能を脳や計算機の中の処理だけに置かず、身体の形や素材、環境との相互作用まで含めた系の性質として捉えます。ロボットが試行を重ねて動き方を獲得する 機械学習 も、この立場では身体と環境との相互作用の中で起こる過程として捉えられます。本書の第 5 章には「記号接地問題」と「身体性を有するシステムの学習」の節があります。構成論的アプローチとは、こうした仮説を実際にロボットやシミュレーションとして作り、動かして確かめることで知能を理解しようとする研究の進め方を指します。

応用の 4 章、ユビキタス技術、企業経営、記憶、日常のロボット

第 III 部の 4 章が扱う題材は次のとおりです。第 8 章「ユビキタスコンピューティングとインタフェース技術」はサイボーグの節を含み、第 9 章「知的な企業の創設」は企業を身体性を有するシステムとして見る構成論的な経営論、第 10 章「人間の記憶はどこにあるのか?」は貯蔵庫のメタファーの問題と身体性に基づく記憶の解釈、第 11 章「日常生活におけるロボットテクノロジー」は掃除ロボット、エンターテインメントロボット、セラピーロボット、医療ロボット、レスキューロボット、ヒューマノイドコンパニオンロボットを取り上げます。

本書は、知能を身体と環境の相互作用から捉える立場を、第 1 章の知能の定義から第 12 章の身体と思考の関係まで、全 4 部 12 章に収めています。

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