共鳴する未来

キョウメイスルミライ

データ革命で生み出すこれからの世界

共鳴する未来の表紙
データサイエンス
著者:
宮田 裕章(ミヤタ ヒロアキ)
出版社:
河出書房新社
出版日:
2020年09月29日頃
ISBN:
9784309631219
シリーズ:
河出新書 河出新書
在庫:
在庫あり
3.89(21 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
データサイエンス社会ビジョンデータ倫理データガバナンス多元性価値観の可視化データ共有個人の自由社会変革テクノロジーと社会

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言及数
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書籍紹介

社会のあり方が問われている今、データの適切な活用こそが、一人ひとりが、多様な価値観を受け入れあいながら、豊かに生きることを支える原動力である。データは誰のものか。多元的な価値を可視化する仕組みは根づくのか。個人の自由や選択肢は、データの共有によって狭められないか。新しい社会ビジョンを牽引するデータサイエンティストが説く、これからの私たちの「生きる」をより輝くものにするための提言。

技書の森解説

『共鳴する未来』 (宮田 裕章 著、河出書房新社、2020 年 9 月発売) は、ビッグデータによって変わりつつある自由、プライバシー、貨幣といった価値を問い直し、個人の生き方を原点に共に生きる社会を提言する河出新書の 1 冊です。副題は「データ革命で生み出すこれからの世界」です。版元の紹介文は、コロナ禍を経て私たちの世界がどこへ向かうのかという問いから書き起こし、データは誰のものか、データの共有によって個人の自由や選択肢は狭められないかといった論点を掲げています。版元の著者紹介によれば、宮田 裕章は データサイエンス と科学方法論を専門とし、慶應義塾大学医学部医療政策 / 管理学教室の教授です。版元のページには全国学校図書館協議会選定図書の表示があります。

序章と 4 つの章、3 本の対談で組まれたデータ社会論

目次は「序章 コロナ禍が突きつけた文明への問い」に始まり、第一章「データ駆動型社会はヘルスケアから始まる」、第二章「これからのデータ・ガバナンス」、第三章「多元化するデータ・エコノミー」、第四章「「生きる」を再発明する」と続きます。第二章には「データは誰のものか」という問いが副題として添えられています。第二章から第四章の終わりにはそれぞれ対談が置かれ、相手は版元の紹介に記された所属で、慶應義塾大学法科大学院教授の山本龍彦、大阪大学大学院経済学研究科准教授の安田洋祐、慶應義塾大学法学部教授の大屋雄裕です。データやテクノロジーの話題をビジネス面での影響にとどめず、文明の転換として捉えるという立場を、版元はまえがきの言葉で紹介しています。

ヘルスケアからデータ・ガバナンスへ進む前半

序章は石油からデータへという価値の移り変わりと、データの本質を論じます。第一章は医療を入口に、病院が提供するデータで医師の技術や信用を担保する仕組み、ビッグデータによる感染拡大の防止、遠隔診断、集団平均の医療から個別化医療への移行を取り上げます。第二章はデータ活用とプライバシー保護の両立を主題に、米国は企業主導、中国は国家主導という対比と GDPR を示したうえで、日本のとるべき「第四の道」と、新しいプラットフォーム思想「PeOPLe」を論じます。山本龍彦との対談の題は「データ共有権は、これからの基本的人権?」です。

医療の成果を施設ごとに比べる作業では、患者の重症度や年齢の違いをそろえないと、難しい手術を多く引き受ける病院ほど成績が悪く見えるという偏りが生じます。こうした補正を伴う データ分析 は、多くの施設が同じ形式でデータを出し合う基盤があって初めて成り立ちます。一方で、データを集めて結び付けるほど、個人を特定できる範囲は広がります。EU の一般データ保護規則は、データを企業や国家の持ち物としてではなく個人の権利の側から扱う考え方を制度にしたものです。

社会信用スコアから多層型民主主義まで、後半の論点

第三章は、データが生み出す多元的価値を起点に、社会信用スコアの可能性と問題点、ポスト SDGs、法や貨幣の弱点、「GDP」から「持続可能な共有価値」への転換、デジタル通貨との連動を扱い、安田洋祐との対談「多様な価値が共鳴する経済圏には何が必要か?」で閉じます。第四章は、テクノロジーはディストピアをもたらすかという問いから、「新しい社会契約」の必要性、多層型民主主義、地方と都市の新しい姿、食と農業の可能性、human Co-being の時代へと話を広げ、大屋雄裕との対談で終わります。

制度と価値の論点が範囲、分析の手法と実装は範囲の外

目次に並ぶのは社会の制度と価値をめぐる論点です。分析の手法やシステムの実装を説明する章はありません。

本書は、コロナ禍を起点に、ヘルスケアのデータ活用、データ・ガバナンス、多元的な価値を測る経済、民主主義と暮らしの再設計までを、序章と 4 つの章、3 本の対談に収めています。

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