オペレーティングシステム

オペレーティングシステム

オペレーティングシステムの表紙
ハードウェア
著者:
菱田 隆彰 / 寺西 裕一 / 峰野 博史 / 水野 忠則(ヒシダ タカアキ / テラニシ ユウイチ / ミネノ ヒロシ / ミズノ タダノリ)
出版社:
共立出版
出版日:
2014年09月11日頃
ISBN:
9784320123458
シリーズ:
未来へつなぐ デジタルシリーズ 25
在庫:
在庫あり
0
中級者向け
LinuxUNIXセキュリティAndroid組み込みプロセス管理メモリ管理ファイルシステムデッドロックマルチメディアシステム

なぜ注目されているか

言及数
45位
総合374位 ↑ 5 ランクアップ 言及 44 件・うち記事 42 件を掲載
071420222023202420252026

書籍紹介

1995 年の Microsoft による Windows 95 の発表は画期的なものであった。“オペレーティングシステム”が専門家用語から, 大衆用語になったのである。元来, オペレーティングシステムは, コンピュータハードウェアを隠蔽し, アプリケーションプログラムの作成を可能とするものであり, コンピュータにとって最も核となるものである。オペレーティングシステムの歴史は, そのまま, コンピュータの歴史といってよいものである。
本書は, オペレーティングシステムを学ぶため必要となるハードウェア構成技術, プロセス, メモリ管理, ファイルシステム, 入出力, デッドロック, セキュリティ, マルチメディアシステムを簡便に紹介しており, かつ, 実際に使用されている代表的な OS である UNIX 系の Linux およびスマホ用 OS である Android について取り上げる。

本書は, オペレーティングシステムの機能を理解するだけに留まらず, 日本の得意とするゲーム業界, 機械工業分野, 自動車分野, 家庭電気分野など, 産業界における組み込み型ソフトウェアの基本部分の開発においても参考にしていただけるものと思っている。

技書の森解説

『オペレーティングシステム』 (菱田 隆彰、寺西 裕一、峰野 博史、水野 忠則 著、共立出版、2014 年 9 月刊) は、未来へつなぐ デジタルシリーズの第 25 巻として刊行された OS の教科書です。版元が公開している「はじめに」によると、15 週の講義の教科書として使うことを想定し、中間試験の 1 週分を除いた全 14 章で組まれており、各章の初めにポイントやキーワード、各章の終わりに演習問題が付いています。版元の紹介文では、OS を学ぶのに必要なハードウェア構成技術から、プロセス、メモリ管理、ファイルシステム、入出力、デッドロック、セキュリティ、マルチメディアシステムまでを簡便に紹介し、実際に使われている代表的な OS として Linux とスマートフォン向けの Android を取り上げると説明されています。

全 14 章の構成、OS の概要から Linux と Android まで

第 1 章と第 2 章は OS の概要で、OS とは何かと歴史、様々な OS、コンピュータハードウェアの概要、OS の基本要素、システムコール を扱います。第 3 章と第 4 章はプロセスで、プロセスの構造と状態、スケジューリング、スレッド、プロセス間通信、競合状態と相互排他を、第 5 章と第 6 章はメモリ管理で、仮想記憶とページ読込み方式、ページ置換え方式を、第 7 章と第 8 章はファイルシステムで、ファイルとディレクトリ、ファイルシステムの実装と機能を説明します。続く第 9 章「入出力」、第 10 章「デッドロック」、第 11 章「セキュリティ」、第 12 章「マルチメディアシステム」を経て、第 13 章「Linux」ではカーネル構造やプロセス、I/O スケジューラー、メモリ管理、仮想ファイルシステム、ネットワーク機能を、第 14 章「携帯情報端末向けオペレーティングシステム」では Android の基本構造とアプリケーション開発を扱います。主要な題材を 2 章ずつに分けて基礎から一段深い話へ進める並びは、週 1 回の講義で 1 章ずつ進める使い方を意識したものと読めます。

ハードウェアを隠す仕組みとしての OS、プロセスと仮想記憶が要になる理由

版元の紹介文が述べるとおり、OS はコンピューターのハードウェアを隠蔽し、アプリケーションを作れるようにする土台です。プログラムから見ると、CPU はプロセスやスレッドという単位で分け合われ、メモリは仮想記憶によって各プロセス専用の広いアドレス空間に見え、ディスクはファイルとディレクトリという形で扱えます。この見せかけを成り立たせる仕組みを知っていると、アプリケーションが遅くなった原因を、CPU の割り当て待ちなのか、ページの読み込みと置換えが頻発しているのか、入出力の待ちなのかに切り分けて考えられるようになります。複数のプロセスやスレッドが同じ資源に触れるときに起きる 競合状態 や、資源を互いに待ち合って止まるデッドロックは、OS の内部だけでなくデータベースやサーバーのプログラムでも同じ形で現れる問題で、本書のように相互排他から検出、回避、防止まで順に押さえておくと、並行処理の不具合を読み解く足場になります。

講義の教科書として選ぶ人と、別の本が合う人

もっとも合うのは、OS の講義を受ける学生と、15 週の講義に使う教科書を探している教員です。版元のページには講義用資料 (ダウンロードには ID とパスワードが必要) と正誤表が用意されており、授業で採用する際の手間を減らせます。一方で、Linux は第 13 章の 1 章にまとめられており、目次には仮想マシンやコンテナの項目は無く、Linux と Android の記述も 2014 年刊行時点の環境を前提としています。カーネルのソースコードを読み進めたい人には、版元が関連書籍として挙げる『Linux コードリーディングと RISC-V で学ぶ オペレーティングシステム入門』 (清水 尚彦 著) のような本が別に必要になり、OS や低レイヤーの本を広く見比べたい人は OS / 低レイヤー本ガイド から候補を絞るのが近道です。

OS の講義で用語は聞いたものの、プロセスからファイルシステム、デッドロック、セキュリティまでのつながりが頭の中で整理できていない学生には、章ごとの演習問題で理解を確かめながら全体を一巡できる本書は、試験前の復習にも講義の予習にも使える一冊です。組み込み機器やスマートフォンのソフトウェアに関わる前に、OS の基本機能を日本語で一通り押さえておきたい人にとっても、手に取る価値は十分にあります。

言及した記事 (42 件)

この本に興味がある方におすすめ

関連する本

関連記事

関連用語

共有: