考える人のメモの技術
カンガエルヒトノメモノギジュツ
手を動かして答えを出す「万能の問題解決術」
- 著者:
- 下地寛也(シモジカンヤ)
- 出版社:
- ダイヤモンド社
- 出版日:
- 2022年09月08日頃
- ISBN:
- 9784478113028
- 在庫:
- 在庫あり
なぜ注目されているか
書籍紹介
答えのない時代、メモが最強の武器になる。コクヨの現役社員である「ノートのプロ」が明かす、メモで自分だけの答えを出す方法。
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技書の森解説
会議や読書で取ったメモを、後から考える材料として使えるようにするための方法をまとめた本です。『考える人のメモの技術』 (下地 寛也 著、ダイヤモンド社、2022 年 9 月発行) は、副題を「手を動かして答えを出す「万能の問題解決術」」とする 1 冊で、コクヨの社員である著者が、第一線で働くビジネスパーソンのメモ術を調べ、そこから見えてきた方法を体系化しています。2026 年 10 月時点の版元の著者紹介によると、著者はコクヨ株式会社のワークスタイルコンサルタントで、エスケイブレイン代表も務め、1992 年にコクヨへ入社し、働き方とオフィスのあり方を提案する業務をきっかけに、働き方の調査や研究を続けてきました。版元の内容紹介は、アイデアや解決策は突然浮かぶのではなく、感じたことや考えたことをメモし続けることで答えを出せると説明しています。
気づきのメモと考えるメモ、2 部 6 章の構成
本書は「はじめに」と PROLOGUE「自分らしく考えるためにメモを使う」で始まり、2 つの PART と「おわりに」で閉じる構成です。PROLOGUE には、コクヨの人の大量のノートを見てわかったことや、「気づきのメモ」と「考えるメモ」を組み合わせる考え方、手書きのメモがよい理由を扱う項が並びます。PART 1「インプットメモ: 普段の気づきをメモする技術」は 3 章で、CHAPTER 1「メモの基準を持つ」、CHAPTER 2「箇条書きで抜き書きする」、CHAPTER 3「気づきを加える」と進みます。PART 2「アウトプットメモ: メモで自分らしい思考をする技術」も 3 章で、CHAPTER 4「現状を全て見える化する」、CHAPTER 5「自分の視点で課題を整理する」、CHAPTER 6「打ち手を構造化する」が続きます。
A4 用紙 1 枚で考える、アウトプットメモの読みどころ
後半の PART 2 が本書の副題にある問題解決の部分です。CHAPTER 4 は A4 用紙 1 枚に情報を書き出し、用紙を 3 分割して使い、わかっていることとわかっていないことを分けるところから始まります。CHAPTER 5 は常識を疑うメモや、現場を観察して共感できる課題を見つけるメモを、CHAPTER 6 は「マーク & コネクト法」で言葉を選んでつなげ、シンプルな構造にする方法を取り上げます。頭の中だけで考えていると、同じ論点を何度もなぞったり、前提の抜けに気づかなかったりしがちです。紙に書き出して全体を目で見える状態にすると、既知と未知の境目や、要素同士のつながりを手で指し示しながら整理できます。本書の PART 2 は、この書き出す、分ける、つなぐという手順を順に練習する並びになっています。
エンジニアの仕事で使う場面と、向かない読み方
本書はビジネス書で、IT の技術そのものは扱いません。それでも、障害の原因を調べるときに事実と仮説を分けて書き出す、設計の打ち合わせの前に論点を 1 枚にまとめておく、といった場面は、PART 2 の手順がそのまま当てはまる作業です。技術書を読みながら気づいたことを書き留めておく習慣は、技術書の余白に書いた走り書き を後で読み返す使い方とも重なります。本の中で残す箇所を選ぶ判断は、本にマーカーを引くかどうかの考え方とも通じます。一方で、デジタルのノートアプリやタスク管理の道具の使い方を知りたい人には、PROLOGUE で手書きのメモを勧める本書は目的とずれます。
会議のメモや読書の記録が溜まる一方で、そこから自分の結論を出す段階でいつも手が止まってしまう人にとって、本書は気づきを集める段と考える段を分けて練習するための手引きになります。紙とペンだけで始められる方法なので、読みながら A4 用紙を 1 枚用意して、CHAPTER 4 の書き出しから試してみると効き目を確かめやすい一冊です。
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