新版第 2 訂 システム開発紛争ハンドブックー発注から運用までの実務対応ー

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新版第 2 訂 システム開発紛争ハンドブックー発注から運用までの実務対応ーの表紙
ソフトウェア工学 / 設計
著者:
松島淳也 / 伊藤雅浩(マツシマジュンヤ / イトウマサヒロ)
出版社:
第一法規
出版日:
2023年03月08日
ISBN:
9784474079731
在庫:
在庫あり
4(1 件 / 楽天ブックス)
上級者向け
アジャイルシステム開発契約法紛争解決プロジェクト管理法務債権法裁判例運用管理ソフトウェア開発

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書籍紹介

システム開発に係る「紛争」に直面した弁護士、法務担当者、プロジェクトマネージャーが解決方針を決定するにあたり、何が問題となるのか、どのような点に留意すべきか、裁判例をもとに解説。プロジェクトのステージごとに紛争類型や検討課題を整理した 1 冊。

〇前回版発行後に施行された債権法改正はもちろん、近年の裁判例の傾向を踏まえて各解説を見直した最新版。
〇システム開発に係る「紛争」の解決にフォーカスし、契約締結時、開発プロジェクト進行中、システム運用中、訴訟提起時のステージごとに、紛争類型や検討課題を整理して解説する。

改訂にあたって

初版はしがき

第 1 章 システム開発・運用に関する紛争の発生状況
1 はじめに

2 なぜ、システム開発・運用に関する紛争が発生するのか

3 システムの開発・運用時では、どのような紛争が発生し、何が問題となるのか

第 2 章 システム開発委託契約の基礎知識
1 はじめに

2 システム開発委託契約の法的性質

3 開発委託契約書のひな型

4 契約の構成

5 アジャイル開発

第 3 章 契約交渉・締結段階におけるトラブル
1 はじめに

2 契約交渉・締結段階におけるトラブルの実態

3 契約の成立自体が争いとなる場合

4 契約締結を拒絶したことによるユーザの損害賠償責任

5 個別契約は書面による合意によって成立するとされている場合の契約の成否

6 開発対象の範囲が争いとなる場合

7 契約の法的性質・形態が争われる場合

8 契約の法的拘束力が争われる場合

第 4 章 プロジェクト進行中におけるトラブル
1 はじめに

2 プロジェクト頓挫型の対応

3 自己都合終了型の対応

4 不完全履行型への対応

5 プロジェクトを運営する上で必要となる文書

第 5 章 システム運用中のトラブル
1 はじめに

2 システム障害

3 データ消失事故

4 情報漏洩事故

第 6 章 知的財産権 (プログラムの著作物) に関するトラブル
1 はじめに

2 システム開発における著作権の基本

3 プログラムの著作物に関わる紛争

4 著作権以外の権利・法律上の利益

第 7 章 システム開発に関する訴訟手続
1 はじめに

2 システム開発時の紛争に関する主張・立証のポイント

3 相手方の支払能力に不安があるが取締役の個人資産が見込まれる場合

4 反訴の提起

5 専門委員と鑑定人

6 裁判所での技術説明会及び実機検証の実施

7 調停制度の利用

8 和解

9 控訴

第 8 章 民法改正による情報システムの開発プロジェクト及び運用への影響
1 民法改正の目的と本書での検討内容

2 契約の更新等

3 ベンダの報酬請求

4 ベンダの契約不適合責任

5 定型約款

巻末資料
用語集

裁判例一覧

事項索引

技書の森解説

『新版第 2 訂 システム開発紛争ハンドブック』 (松島淳也、伊藤雅浩 著、第一法規、2023 年 3 月刊) は、システムの開発や運用をめぐる紛争に直面した弁護士、法務担当者、プロジェクトマネージャーが解決方針を決めるために、何が問題になり、どこに留意すべきかを裁判例をもとに解説した実務書です。副題は「発注から運用までの実務対応」です。版元は本書を、契約締結時、開発プロジェクト進行中、システム運用中、訴訟提起時というステージごとに、紛争類型と検討課題を整理した 1 冊と案内しています。新版第 2 訂は、前回版の発行後に施行された債権法の改正と、裁判例の傾向を踏まえて各解説を見直した版です。

全 8 章の構成、紛争の発生状況から民法改正の影響まで

冒頭に「改訂にあたって」と「初版はしがき」が置かれ、本文は全 8 章です。第 1 章「システム開発・運用に関する紛争の発生状況」で紛争がなぜ起き、何が問題になるのかを整理し、第 2 章「システム開発委託契約の基礎知識」で契約の法的性質、契約書のひな型、契約の構成、アジャイル開発を扱います。続く 3 つの章が段階ごとのトラブルです。第 3 章は契約交渉と締結の段階で、契約の成立そのもの、締結を拒んだ場合のユーザーの損害賠償責任、書面の合意で成立するとされる個別契約の成否、開発対象の範囲、契約の法的性質や拘束力が争われる場合を取り上げます。第 4 章はプロジェクト進行中で、プロジェクト頓挫型、自己都合終了型、不完全履行型への対応と、運営に必要な文書を扱い、第 5 章はシステム運用中のシステム障害、データ消失事故、情報漏洩事故です。第 6 章はプログラムの著作物を中心とする知的財産権のトラブル、第 7 章は訴訟手続で、主張と立証のポイント、「相手方の支払能力に不安があるが取締役の個人資産が見込まれる場合」、反訴、専門委員と鑑定人、技術説明会と実機検証、調停、和解、控訴までを取り上げます。第 8 章「民法改正による情報システムの開発プロジェクト及び運用への影響」は契約の更新、ベンダーの報酬請求、契約不適合責任、定型約款を扱い、巻末に用語集、裁判例一覧、事項索引が付きます。

請負か準委任か、範囲と役割分担で争いが生まれる背景

システム開発の契約は、完成した物を引き渡す請負として結ぶか、作業そのものを委ねる準委任として結ぶかで、報酬を請求できる条件や負う責任の範囲が変わります。加えて、開発の対象は契約の時点で細部まで決まっていないことが多く、要件定義 の工程で何を作るかを詰めていく過程そのものが、作る範囲をめぐる食い違いの源になります。発注側には業務の知識を出して判断を下す役割があり、受注側には専門家として進行を管理する役割があるため、プロジェクトが止まった時には、どちらの役割が果たされなかったのかが争点になりやすくなります。プロジェクトマネジメント の観点では、議事録や変更の合意を文書で残しておくことが、後から事実を示す手段になります。短い期間で動く成果を繰り返し届ける アジャイル 型の開発では、最初に全体の仕様を固めないため、完成物の引き渡しを前提にした契約の考え方がそのままでは当てはまりにくくなります。

法律実務書としての読み方と、向かない目的

本書の中心は裁判例と法的な論点の整理です。開発手法やプロジェクト管理の技法そのものを学ぶ本ではないため、技術面の進め方を身に付けたい人は別の本が要ります。また収録される裁判例は刊行時までのものです。一方で、法律の専門家でなくても、ステージごとに紛争の型が並ぶ構成は、自分の案件がどの段階にあり、どの型の争いに近いのかを確かめる使い方に向きます。巻末の裁判例一覧と事項索引から目的の箇所を引けるのも、実務の場面で開く本として扱いやすい点です。

契約の前から訴訟の後までを一冊で見渡したい人に

受託開発の契約書を結ぶ立場にある人や、プロジェクトがこじれはじめた段階で次の一手を考える必要がある法務担当者、プロジェクトマネージャーにとって、契約交渉から運用中の事故、訴訟手続、民法改正の影響までを同じ枠組みで見渡せることが本書の価値です。紛争になってから慌てて論点を探すより、契約の段階で争いの型を知っておきたい人には、手元に置いておく意味のある一冊です。

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