ゲームデザインバイブル 第2版の表紙

ゲームデザインバイブル 第 2 版

デザイン・グラフィックス
著者:
不明
出版社:
不明
出版日:
不明
ISBN:
9784873118017
中級者向け
ゲームデザインゲーム開発ゲーム理論デザイン哲学プレイヤー体験ゲーム世界観プレイテストゲームプロダクションクリエイティブディレクションゲーム制作プロセス

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技書の森解説

「なぜこのゲームは面白いのか」を、勘や好みではなく問いの形で分解できたら。『ゲームデザインバイブル 第 2 版 おもしろさを飛躍的に向上させる 113 の「レンズ」』 (Jesse Schell 著、塩川洋介 監訳、佐藤理絵子 訳、オライリー・ジャパン、 2019 年 9 月刊、 776 ページ) は、その願いに正面から応える大著です。原書は、ディズニー VR スタジオの元クリエイティブディレクターとして、テーマパーク用アトラクションから MMORPG ・ VR まで手がけてきたゲームデザイナー、ジェシー・シェルの "The Art of Game Design" 第 2 版。米国のゲーム開発誌が選ぶ Front Line Award を受けた、ゲームデザイン論の世界的な定番の日本語版で、監訳はゲームデザイナーの塩川洋介氏が務めています。

113 の「レンズ」という道具箱の読みどころ

書名の「レンズ」が本書の発明です。ゲームの面白さは 1 つの理論では説明できない、という前提に立ち、「体験のレンズ」「好奇心のレンズ」のように、作品を特定の角度から観察するための問いのセットを 113 個提供します。設計理論を体系として暗記させるのではなく、自分の企画をレンズ越しに何度も見直す道具箱として使わせる作りで、この実用主義が「バイブル」と呼ばれながら実際に机の上で使われ続けている理由です。第 1 章「始めにゲームデザイナーありき」が才能ではなくスキルと聞く力の話から始まることにも、著者の思想が表れています。

プレイテストから資金調達までの射程

射程の広さも特徴で、ゲームメカニクスや体験の設計だけでなく、プレイテストの回し方、企画のプレゼンテーション、クライアントへの対処、クラウドファンディングによる資金調達まで、ゲームデザイナーという仕事の全域をカバーします (オライリー公式の紹介より) 。デジタルゲームに限らず、ボードゲームや遊びの設計全般に通じる抽象度で書かれているため、ゲーミフィケーションや 体験設計 (UX) の文脈で読まれることも多い本です。

向いている読者と現実的な使い方

向いているのは、 ゲーム業界 を目指す学生、企画職に就いたばかりのプランナー、そして経験はあるが自分の設計判断を言語化する語彙が欲しい開発者です。 776 ページの 大冊 なので通読には覚悟が要りますが、章とレンズが独立しているため、企画に詰まったときに関連するレンズを引く辞書的な使い方が現実的です。プログラミングの本ではないので、実装技術を学ぶ用途には向きません。「面白さ」という捉えどころのない対象を、仕事として再現可能にしたい人にとって、キャリアを通じて元を取り続けられる一冊です。

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