社員を大切にする会社の表紙

社員を大切にする会社(シャインヲタイセツニスルカイシャ)

5 万人と歩んだ企業変革のストーリー

その他
著者:
ヴィニート・ナイアー/穂坂 かほり(ヴィニートナイアー/ホサカカオリ)
出版社:
英治出版
出版日:
2012年02月
ISBN:
9784862761255
在庫:
在庫あり
4.3(13 件 / 楽天ブックス)
中級者向け
組織論リーダーシップ従業員エンゲージメント企業文化経営戦略組織変革顧客満足モチベーション人材開発経営管理

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書籍紹介

顧客に真の価値をもたらす従業員を第一にすることで、従業員の創造性や情熱が引き出され、究極的には顧客が第一となる。著者が打ち出した「従業員第一、顧客第二」というシンプルなアイデアが、 5 万人を傍観者から変革者へと変えた!「踊る CEO 」「クモからヒトデへ」「組織ピラミッドの逆転」…壁にぶつかるたびに自省し、挑戦し続けた 4 年間にわたる企業再生の歩みを経営者自らが語った回想記。

技書の森解説

「顧客第一」という常識を疑うところから始まる経営書が『社員を大切にする会社』です。著者のヴィニート・ナイアー氏は、インドの IT サービス大手 HCL テクノロジーズの経営者として「社員第一、顧客第二」という逆説的な方針を掲げ、 5 万人規模の組織を変えていった当事者です。本書はその企業変革の歩みを経営者自身が語った回想記で、副題は「 5 万人と歩んだ企業変革のストーリー」。原題は Employees First, Customers Second: Turning Conventional Management Upside Down 、日本語版は穂坂かほり氏の翻訳で英治出版から 2012 年 2 月に刊行されました。

「社員第一、顧客第二」の論理と全 5 章の構成

中核の論理はこうです。顧客に価値を届けるのは経営陣ではなく顧客接点に立つ社員であり、その社員の創造性と情熱が引き出される状態を作ることが、回り回って顧客への最大の貢献になる。版元の紹介文によれば、本書は全 5 章で、変革の必要性を見出す「鏡よ鏡」、変革の文化を生み出す「透明性による信頼」、変革の構造を築く「組織のピラミッドを逆さまにする」、権限を委譲する「 CEO の役割を変える」、そして変革のサイクルを繰り返す「誤解から理解する」という段階で構成されます。踊る CEO や、クモからヒトデへといった印象的なエピソードにも版元紹介が触れています。成果について版元は、 CEO 就任から 4 年で売上と利益がそれぞれ 3 倍、顧客数は 5 倍、離職率は半減と紹介しており、トム・ピーターズが著者を「ネクスト・ドラッカー」と評した推薦文も添えられています。

IT サービス産業の構造が生んだ逆説として読む

本書の主張を単なる美談と切り離して読むには、 HCL テクノロジーズが属する IT サービス産業の構造を押さえておくと役立ちます。受託開発やシステム運用を担うこの産業は、設備ではなく人が提供価値のほぼすべてを占める知識集約型で、顧客の課題に日々向き合っているのは経営陣ではなく現場のエンジニアです。つまり「社員第一」は福利厚生の話ではなく、価値の発生源に組織の支援を集中させるという事業構造に即した設計であり、組織ピラミッドの逆転という章題はその発想を端的に表しています。顧客と現場の間に多層の管理が挟まりやすい日本の受託開発の組織構造とも重なる部分が多く、エンジニアリング組織の設計を考える材料として日本の読者にも引き付けやすい題材です。

理論書ではなく当事者の回想記、向く読者

注意したいのは、本書が体系的な経営理論のフレームワークを提示する本ではなく、経営者本人の回想記だという点です。壁に突き当たるたびに自省し、また試すという往復で語られる形式のため、そのまま適用できる再現手順を求める読者には向きません。一方、エンジニアリング組織のマネジメントに携わる人、経営と現場の距離に悩む管理職、従業員エンゲージメントという言葉を具体策に落としたい人事担当者にとっては、自分の組織のピラミッドがどちらを向いているかを問い直す視点が得られる一冊です。マネジメントを学ぶ本を段階的に選びたい場合は、チーム開発・マネジメント本ガイド も併せて参考になります。

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